二次創作小説(紙ほか)

Re: ポケットモンスター 星と旋風の使徒 ( No.1 )
日時: 2013/02/02 23:31
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: .FDTdicQ)

prologue

レオがウチセトの旅を終えてから、一年が経過。
あれからレオは、家で母の仕事を手伝ったり、幼馴染のチヅルやキラと一緒に、ウチセトの町へと出かけたりもした。
そして、そんなレオは今。
引っ越し用のトラックに乗り、遠く離れた地方へと向かっていた。


話は一週間前に遡る。
「レオ、シイナ。ただいま」
別の地方で科学者をしているレオの父、ライオが、一年半振りに家へと帰って来た。
「父さん! おかえり!」
「おかえりなさい。研究は順調?」
レオもその母も、ライオが帰ってくることは聞いていたので、特に驚くようなことは無い。
ちなみに、シイナとはレオの母の名前である。
「ああ、順調だとも。ところで、今日は重要な話があるんだ」
ライオは微笑むが、すぐに真面目な表情に戻る。
「私が半年ほど前に、博士に昇格したことは知っているよな」
半年ほど前、ライオから、博士へと昇格したという手紙が届いた。その時は、レオやシイナだけでなく、キラやチヅルとその家族も共に喜び合った。
博士に昇格すると、独立して自らの研究所を作ることができるようになる。科学者も雇えるようになる。
「そのことで、少々面倒なことになってな」
そして、次にライオの口から放たれた言葉は。

「すまないが、一家全員でこっちの地方に引っ越すことになったんだ」


ライオはレオにこう言った。
「一年前、お前はウチセトの旅の中で、たくさんのポケモンの情報を図鑑へ登録してくれた。その情報をコウラン博士に送ってもらったところ、こっちの地方のポケモンとウチセトの一部のポケモンの生態が酷似していることが分かったんだ」
そこで、とライオは続け、
「レオにもこっちに来てもらって、ポケモンの調査をしてもらいたいんだ。いや、調査と言っても、何か特別なことをする訳じゃない。こっちの地方を旅して、図鑑にポケモンを登録していってほしいんだ。母さんから聞いたが、お前は母さんにとても楽しそうに旅の土産話をしていたらしいしな」
新しい地での旅。
旅、という言葉が、レオの脳に響く。
「別に強制している訳じゃない。お前が嫌ならいいんだが、どうだ?」
ライオにそう聞かれたが、レオには考える必要はなかった。
答えは一瞬で決まったからだ。
「勿論さ! 僕も旅をしたい。こっちからもお願いするよ!」
レオのその力強い言葉を聞き、ライオは微笑んだ。
その後、ライオは新しい旅に当たっての条件を出した。
それは、今までのポケモンは全て置いていってほしい、ということ。
新しい地方を調査するに当たって、ポケモンも新しいものを使ってほしいということだ。
「母さんにはもうこのことは話してある。明日から、引っ越しの準備を始めよう」


引っ越しの日の朝。
チヅルとキラ、その家族が、レオ一家を見送りに来た。
レオはチヅルとキラへ、六個のモンスターボールを手渡す。
リーテイル、バフォット、テペトラー、ハンタマ、ロップル、フィニクス。
ウチセトを共に旅した、最高の仲間たちだ。
「悪いけど、こいつらの世話、よろしく頼んだよ」
レオの言葉に、チヅルとキラは笑顔で頷く。
「任せといてよ! 私のポケモンよりも優遇しちゃうからね」
「大事に世話するよ。もっと強く育てといてやるから安心しな」
そして、レオはチヅルとキラに、ウチセトに、別れを告げ、トラックへと乗り込む。


そして話は現在へと戻る。
「レオ、シイナ、着いたぞ」
トラックが停車し、三人はトラックから降りる。
「ここはシラハタウン。私の研究所がある、小さい町だ」

レオがやってきたこの地は、ホクリク地方。
ウチセトとはまた違った自然の美しさを持つ、綺麗で雄大な地区。
このシラハタウンから、レオのホクリク地方の新しい旅がはじまる。