二次創作小説(紙ほか)
- Re: 第四十七話 念刃 ( No.108 )
- 日時: 2013/08/15 14:07
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: Q1X0ZXes)
「ルクシオ、まずは帯電!」
ルクシオは体内に電気を溜め込み、攻撃・特攻を高める。
「なるほど、まずは積み技で下準備か。チャーレム、バレットパンチ!」
チャーレムは一瞬でルクシオとの距離を詰めると、弾丸のように速い連続パンチを浴びせる。
しかしバレットパンチは鋼技。電気タイプのルクシオにはさほど大きなダメージは無い。
「それくらいどうってことありませんよ。ルクシオ、メガショック!」
ルクシオはバチバチと音を立てて弾ける電撃を放出する。
「チャーレム、サイコカッター!」
対して、チャーレムは腕を縦に振って、床へと垂直に飛ぶ念力の刃を飛ばす。
しかし、帯電で攻撃力が上がっているメガショックが、刃に突き破られてしまう。
「何だと? ルクシオ、躱してもう一回帯電!」
少し驚いたレオだが、すぐに気持ちを切り替える。
ルクシオは再び電気を溜め込み、さらに決定力を上げていく。
「はっきり言っておくが、このチャーレムの攻撃を相殺するのは難しいぞ」
そこでカラタチがこんなことを言った。
「どういう意味ですか?」
「このチャーレムの特性はヨガパワー。攻撃力が通常の二倍になる特性だ」
「!?」
思わずレオは目を見開く。それはそうだ。
攻撃力が二倍になる特性など、聞いたことが無い。
「だからこのチャーレムの攻撃を相殺しようとするのは止めた方がいいぞ。チャーレム、サイコカッター!」
つまりこのチャーレム、見た目に似合わず、相当な攻撃力を持っているようだ。
再び腕を横に振り、チャーレムは今度は床と水平の念力の刃を飛ばす。
「だったらルクシオ、躱してアイアンテール!」
身を屈めてルクシオは刃を躱し、鋼鉄のように硬化させた尻尾をチャーレムへと叩きつける。
しかし。
「チャーレム、リフレクター!」
両手を前にかざし、チャーレムは薄く光り輝く、透明の壁を作り上げる。
その壁によってルクシオの尻尾の一撃は威力を削がれ、
「サイコカッター!」
縦に振られたチャーレムの腕から念力の刃が発射され、ルクシオは押し負け、吹っ飛ばされる。
「くっそ、またしてもリフレクターか!」
輝天のトパズのエーフィ戦では、このリフレクターに相当苦しめられた。
しかもルクシオの技のうち、攻撃技は三つ。そのうち二つは物理技。メガショックだけで戦うのは難しい。
「くっそ……ルクシオ、辻斬り!」
ルクシオは爪をかざすと、一瞬でチャーレムの横を通り過ぎ、すれ違いざまにチャーレムを切り裂く。
威力は半減してしまうが、チャーレムに攻撃を与えることは出来る。
「メガショック!」
「躱してバレットパンチだ!」
ルクシオは破裂音を放ちながら弾ける電撃を放つが、それよりも速くチャーレムがルクシオに接近しており、弾丸のような連続パンチでルクシオを吹っ飛ばす。
「サイコカッター!」
さらにチャーレムは腕を横に振り、水平に飛ぶ念力の刃を飛ばす。
「くっそ、躱すしかないか! ルクシオ、躱してメガショック!」
体勢を低く屈め、刃を躱すと、ルクシオはバチバチと弾ける電撃を放ち、チャーレムに命中させる。
帯電で強化されているため、威力は高い。
「やるではないか。ならばこれならどうだ? チャーレム、サイコカッター!」
両腕に念力を込め、チャーレムは両腕を×の字に振るい、十字型の念力の刃を飛ばす。
「アイアンテールで相殺も出来ないし……躱すしかないか……!」
大きく跳び上がり、ルクシオは念力の刃を躱すが、
「バレットパンチ!」
避けたところにチャーレムが跳んでくる。
「ッ、メガショック!」
ルクシオは電撃を放とうとするが、チャーレムの動きは非常に速く、電撃を放つよりも前に、弾丸のような連続の拳がルクシオを捕らえた。
「やっぱり先制技には勝てないか……ルクシオ、メガショック!」
「させんぞ! チャーレム、サイコカッター!」
ルクシオは体勢を立て直し、バチバチと弾ける電撃を放つが、チャーレムも腕を横に振って念力の刃を飛ばす。
電撃は打ち破られ、刃がルクシオに命中する。
「決めるぞ! チャーレム、サイコカッター!」
両腕を×の字型に振り、チャーレムは十字型の刃を発射する。
体勢の崩れているルクシオでは、避けきることは出来ない。
「くっそ、少しでも威力を軽減するぞ! ルクシオ、メガショック!」
何とかルクシオは立ち上がる。ルクシオも回避は不可能と分かっているようで、最大火力で電撃を発射する。
しかし、それは破裂音を放ち、弾けながら放たれる電撃ではなかった。
より勢いのある、光線のように一直線に飛ぶ強烈な電撃が、ルクシオの体内から発射された。
「!?」
「これは……十万ボルト!」
突然の一撃に驚くカラタチと、図鑑を取り出し、歓喜の声を上げるレオ。
突破とまではいかなかったまでも、ルクシオの放った電撃は、念力の刃を相殺した。
「馬鹿な……そうか、奴は先ほど帯電を!」
「その通りですよ! 決めるぞルクシオ、十万ボルト!」
ルクシオはもう一度、強烈な電撃を発射する。
「くっ、チャーレム、躱してバレットパンチ!」
チャーレムは跳び上がって電撃を避け、弾丸のような連続パンチを浴びせる。
その時、チャーレムを包む光の壁が消えた。
「よっし、行けるぞ! ルクシオ、アイアンテール!」
連続パンチを耐え切り、ルクシオは尻尾を硬化させ、その尻尾をまだ近くにいるチャーレム目掛けて横なぎに振るう。
だが。
「そう甘くはないぞ! チャーレム、跳び膝蹴り!」
突如、チャーレムは地を蹴って跳び、渾身の膝蹴りを繰り出す。
ルクシオの硬化された尻尾を容易く弾き飛ばし、さらにはルクシオにも必殺の膝蹴りが叩き込まれる。
「ッ!? ルクシオ!」
予想外の一撃を喰らい、ルクシオは派手に吹っ飛ばされ、戦闘不能となってしまう。
地面に落ちたルクシオは、戦闘不能となっていた。
「ルクシオ、よくやってくれた。後は後続に任せてくれ」
レオはルクシオを労い、ボールに戻す。
「まさか跳び膝蹴りを隠し持っていたとはわかりませんでした。流石です」
「まあな。バトルは最後まで分からない。それこそがポケモンバトルの醍醐味だからな」
そう言って、豪快にカラタチは笑う。
そして、カラタチとチャーレムをじっと見据え、レオは次のボールを取り出す。