二次創作小説(紙ほか)
- Re: 第六十八話 力勝負 ( No.159 )
- 日時: 2013/08/15 14:34
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: Q1X0ZXes)
「よーし、行くぞ! ドサイドン、ドリルライナー!」
先に動いたのはドサイドンだった。
額のドリルを回転させ、へラクロスへと襲い掛かる。
「パワー勝負なら負けねえぜ! へラクロス、瓦割り!」
翅を広げて飛び上がると、へラクロスも角を振り回し、ドサイドン目掛けて角を叩きつける。
双方の角が激突するが、威力は互角。
「だったらへラクロス、襲撃だ!」
特訓していた時、へラクロスは燕返しの代わりとして襲撃を覚えたのだ。
へラクロスは瞬時にドサイドンの後ろへ回ると、角をドサイドンへ叩きつける。
「それくらい何ともないぜ。俺のドサイドンの特徴は物理には超強いんだぜ! ドサイドン、アームハンマー!」
腕を振り回し、ドサイドンは振り向きながら後ろのへラクロス目掛けて腕を叩きつける。
「危ねえ! へラクロス、回避!」
咄嗟にへラクロスは後ろへ退く。
腕の一撃は回避出来たが、地面が大きく凹んだ。
「凄え威力だな……へラクロス、辻斬り! プロテクターの隙間を狙え!」
へラクロスはドサイドンの側面へと飛ぶ。
プロテクターの隙間を狙い、爪でドサイドンの堅い体を切り裂く。
「効かないぜ! ドサイドン、もう一度アームハンマー!」
プロテクターが無くとも、ドサイドンの体は岩盤のように堅い。
ほとんど怯まず、ドサイドンはドサイドンは腕を振り回し、へラクロスを吹っ飛ばす。
格闘技は虫タイプに今一つなのだが、それでもダメージは大きい。
「やるじゃねえか。へラクロス、瓦割りだ!」
大きく吹っ飛ばされたへラクロスだが、すぐに体勢を立て直すと、再びドサイドン目掛けて飛び、振り上げたツノを思い切り叩きつける。
今度は上手くドサイドンの頭に命中、ドサイドンが体勢を崩す。
「ドサイドン、角の力では負けちゃダメだぞ! メガホーン!」
「へラクロス、こっちの角の方が強いってとこ見せてやれ! もう一度瓦割りだ!」
ドサイドンが角を突き出して勢いよく突進する。
へラクロスも角を振り回し、もう一度その角を叩きつける。
再び双方の角が激突、やはり威力は互角。
「へラクロス、岩雪崩!」
虚空から、ドサイドン目掛けて無数の岩が降り注ぐ。
「無駄だぜ! ドサイドン、アームハンマー!」
だが、襲い来る無数の岩を、ドサイドンは腕を振り回して次々と破壊していく。
「最後の一個だな。受け止めろ!」
しかし最後の岩だけは、両手で受けとめる。
「レオにーちゃん、岩の使い方がまだまだ甘いぜ」
ホロはニヤリと笑みを浮かべ、
「本当の岩の使い方を、見せてやるぜ!」
高らかに叫ぶと、ホロはドサイドンに次の指示を出す。
「ドサイドン、岩石砲!」
受け止めたその岩を、ドサイドンは掌のくぼみに填め込む。
その掌を、砲台のようにへラクロス目掛けて構える。
そして次の瞬間、その岩が巨大な砲弾のように猛スピードで撃ち出される。
「やばい! へラクロス、回避!」
咄嗟にへラクロスは上に飛び上がるが、如何せん岩が大きく、しかも速度も速く、避けきれず、岩の直撃を喰らって吹っ飛ばされる。
「へラクロス! 大丈夫か?」
何とかへラクロスは起き上がる。しかし、大ダメージには間違いない。
何せ、岩石砲は岩タイプの技の中でも一番の威力があるのだ。
その分反動が大きいが、相手に当てられればほぼ間違いなく吹っ飛ぶため、その間に体勢を戻すことも出来るだろう。
「岩を使って攻撃するなら、これくらいしなきゃな」
ホロが得意げに笑う。
「やってくれるじゃねえか。へラクロス、反撃だ! 襲撃!」
角を振り上げて自身を鼓舞すると、へラクロスは素早くドサイドンの背後へと回り、背中の真ん中を角で思い切り突く。
「瓦割り!」
へラクロスの攻撃はそこで止まらない。
さらに角を思い切り振り下ろし、ドサイドンの体勢を大きく崩した。
「畳み掛けるぞ! 辻斬りだ!」
「そうはさせないぞ! ドリルライナー!」
へラクロスの爪が、プロテクターの隙間を切り裂く。
しかしドサイドンはそれに構わず、へラクロスの方を振り向き、回転させた額のドリルをへラクロスに突き立てる。
「瓦割り!」
しかしへラクロスは一瞬で体勢を切り替えると、角を思い切り振り下ろしてドリルを迎撃する。
先程と同じように、威力は互角。
「へラクロス、岩雪崩!」
そこでへラクロスは素早く後ろへと下がる。
勢い余って、ドサイドンは前へつんのめり、体勢を崩してしまう。
そこに無数の岩が降り注ぐ。
ドサイドンが体勢を取り戻した次の瞬間には、ドサイドンに岩が激突し、ドサイドンの巨体は見る見るうちに岩に覆われてしまった。
「よっしゃ! へラクロス、瓦割り!」
角を思い切り振り回し、へラクロスが飛ぶ。
動けないドサイドン目掛けて、最大限の勢いを込めた角を叩きつける。
だが。
「ドサイドン、岩石砲だ!」
刹那、ドサイドンを覆う岩が、一斉に吹き飛ばされた。
「……ッ! 嘘だろ!?」
並のポケモンでは抜け出す事の出来ない岩でも、ドサイドンのパワーの前では何の影響もなかったのだ。
同時に、ドサイドンの掌にセットされた岩が砲弾のように撃ち出される。
当然、へラクロスは回避など出来なかった。
今度こそ岩の砲弾を正面から喰らい、へラクロスは大きく吹っ飛ばされた。
「へラクロス!」
地面に落ちたへラクロスは、戦闘不能になっていた。
岩石砲を二発も喰らえば、流石にへラクロスでも耐えられなかった。
「へラクロス、よくやった。休んでてくれ」
レオはへラクロスをボールへ戻し、
「次はお前だ! 頼んだぞ、ポッチャマ!」
レオが出したのは、エースのポッチャマ。
「ポッチャマ? まだ進化していないのか?」
「ああ。それでも、僕の一番のエースだぜ」
「そうなのか? そりゃ楽しみだぜ! ドサイドン、メガホーン!」
ドサイドンは吼えると、角を突き出し、ポッチャマへと襲い掛かる。
「ポッチャマ、躱して水の波動!」
ドサイドンの角を、ポッチャマは素早く横に跳んで躱す。
ドサイドンの角の一撃は、ポッチャマを捉えられず、地面に深く突き刺さる。
そこにポッチャマが、水の力を込めた波動の弾を撃ち出す。
水の波動は、ドサイドンの顔を直撃し、ドサイドンを吹っ飛ばした。
「ドサイドン!」
ドサイドンは防御は圧倒的に高いが、対照的に特防は絶望的に低い。
へラクロス戦でのダメージもあり、ドサイドンは戦闘不能となってしまった。
「おおっとマジか!? ドサイドン、よく頑張ったぞ」
ホロはドサイドンを労い、ボールに戻すと、
「確かにそのポッチャマ、小さいけど強いな。だけど、俺のポケモンはもっと強いぜ。見とけよ」
自信満々にそう言って、次のボールを取り出す。