二次創作小説(紙ほか)
- Re: 第七十四話 反射 ( No.167 )
- 日時: 2013/08/15 14:38
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: Q1X0ZXes)
「オオペラー、怪しい光!」
マツリのオオペラーは、執拗に混乱を狙ってくる。
「鬱陶しいですわね……ミロカロス、躱しなさい!」
長い体を捻らせ、ミロカロスは光線を躱すと、
「ハイドロポンプ!」
大量の水を噴射し、飛んでいるオオペラーを狙う。
「オオペラー、ハイパーボイス!」
オオペラは大声を発して衝撃波を放ち、ハイドロポンプを防ぐ。
「やっぱり混乱は無理そうですね。じゃ、もう一発ですよ!」
ついに混乱を諦め、オオペラーは再び大声と共に衝撃波を放つ。
しかし、テレジアは回避の指示をしない。
「やっと攻撃してくれましたわね! ミロカロス、ミラーコート!」
ミロカロスの体が、光り輝くベールに包まれる。
ミロカロスへと命中したその衝撃波は、二倍の威力に膨れ上がり、使用者であったはずのオオペラーに襲い掛かる。
「……ッ!? オオペラー!」
「隙などありませんわよ! ミロカロス、吹雪!」
待ってましたとばかりに、すかさずミロカロスは荒れ狂う吹雪を放つ。
強烈な反撃を受けて吹っ飛ばされているところに、さらに吹雪が襲い掛かる。
耐久力は大したことはないらしく、オオペラーは戦闘不能となってしまう。
「オオペラー、よく頑張りました。戻ってください」
オオペラーをボールに戻し、マツリは次のボールを取り出す。
「それじゃあ次は、行ってください、フォリキー!」
現れたのは、神々しいキリンのようなポケモン。尻尾にも黒く丸い顔があるが、歯は鋭く、目は血のように赤い。
フォリキー、未来予知ポケモン。ノーマル・エスパータイプで、一部の地方では神に近いポケモンとも言われている。
「さあ行きますよ! フォリキー、鬼火!」
まずフォリキーは青い火の玉を浮かべ、ミロカロスへと放つ。
「ミロカロス、打ち消しなさい。ハイドロポンプ!」
対して、ミロカロスは大量の水を撃ち出す。
しかし、鬼火の動きが非常に不規則で、水が当たらず、結果として鬼火はミロカロスに命中してしまう。
「っ……攻めていくしかありませんね、ミロカロス、ハイドロポンプ!」
ミロカロスは再び大量の水を放ち、今度はフォリキーを狙う。
だが。
「目には目を、歯には歯を。フォリキー、ミラーコート!」
フォリキーの体を光のベールが包む。
命中した水は、威力を二倍にしてそのまま反射され、ミロカロスを吹っ飛ばした。
この一撃で、ミロカロスは戦闘不能となってしまう。
「ミロカロス、頑張りましたわね。休んでいてください」
テレジアはミロカロスを戻し、
(さて、次は誰で行きましょうか。バトルは二対二……無理に勝つ必要もありませんわね。強引に引き分けてしまいましょう)
顔を上げ、テレジアは次のボールを取り出す。
「大空へと羽ばたきなさい、チルタリス!」
テレジアの二番手は、大きな青い鳥のようなポケモン。翼には雲のような白く柔らかい羽毛が生えている。
チルタリス、ハミングポケモン。可愛らしい容姿に似合わず、ドラゴン・飛行タイプである。
「申し訳ありませんが、もう決めさせていただきますわ」
テレジアはマツリに向け、そう言い放つ。
そして、
「チルタリス、滅びの歌!」
「パンプリー、放電!」
パンプリーが電撃を周囲に撒き散らす。
狙いを定めない放電は躱すのが難しく、エルレイドは電撃を喰らう。
「今だぜ、シャドーボールだ!」
エルレイドが痺れている隙を狙い、パンプリーは影の弾を放つ。
やはりこのパンプリーはなかなか強い。七天将第三位のポケモンとも、いい感じで戦えている。
「これは躱せないわね。エルレイド、サイコカッター!」
エルレイドは刃に念力を込め、影の弾を切り裂く。
「反撃よエルレイド。冷凍パンチ!」
エルレイドは拳に冷気を込め、パンプリーへと殴りかかる。
「パンプリー、もう一度シャドーボール!」
対して、再びパンプリーは影の弾を放ち、冷凍パンチを相殺する。
攻撃力では確かにエルレイドが勝るが、パンプリーには悪巧みがあるので、火力もエルレイドに引けを取らない。
「エルレイド、サイコカッター!」
「パンプリー、マジカルリーフ!」
エルレイドの両刃が伸び、念力が込められる。
パンプリーが光を放つ葉を無数に放ち、正確にエルレイドを狙ってくる。
しかしエルレイドは葉を全て切り裂き、そのままパンプリーへと一気に迫り、右腕の刃でパンプリーを切り裂く。
「次よ! エルレイド、冷凍パンチ!」
「させるか! パンプリー、放電!」
なおも殴りかかろうとするエルレイドだが、パンプリーは体勢を崩しながらも周囲に電撃を撒き散らし、エルレイドの動きを止める。
「危ねえことしやがって。パンプリー、シャドーボール!」
その間に体勢を立て直し、パンプリーは影の弾を発射する。
「エルレイド、躱してリーフブレード!」
エルレイドは影の弾を素早く避け、その勢いで自然の力を込めた刃を構えて突っ込む。
「もう一度シャドーボール!」
「無駄よ! エルレイド、躱しなさい!」
再びパンプリーは影の弾を放つが、エルレイドは地を蹴って大きく跳び、影の弾を跳び越え、上空から斬りかかる。
「ちっ、放電だ!」
パンプリーは電撃を周囲に放つが、リーフブレードを止めきれず、パンプリーは自然の刃に切り裂かれる。
効果今一つだが、威力は相当なものだ。
「同じ手は二度は効かないわ。草技なら電気技の影響を受けづらいものね」
そして、
「もう一度行くわよ。エルレイド、冷凍パンチ!」
エルレイドは拳に冷気を込め、再びパンプリーへと突っ込んでくる。
「じゃあこれだ! パンプリー、マジカルリーフ!」
パンプリーは無数の光を放つ葉を放つが、
「全て凍らせなさい!」
エルレイドは拳を振るい、全ての葉を一瞬で氷漬けにする。
そのまま、パンプリーとの距離を一気に詰める。
「そこだ! パンプリー、シャドーボール!」
しかし、この至近距離でパンプリーは影の弾を放つ。
流石のエルレイドでもこれには対処できず、影の弾の直撃を喰らう。
だが。
「突っ切りなさい、エルレイド!」
シャドーボールを受けたのにもかかわらず、エルレイドはそのまま突っ込んでくる。
今度こそ、冷気を込めた拳がパンプリーを捕らえ、パンプリーは吹っ飛ばされる。
「嘘だろ!? パンプリー!」
地面に落ちたパンプリーは、戦闘不能になっていた。
「パンプリー、よくやった。休んでてくれ」
レオはパンプリーを労い、ボールに戻す。
(奴の次の手持ちは恐らくグレイシア。エルレイドの体力は削られてるから、次のグレイシアも考慮しねえとな。となると)
「やっぱお前だな。頼んだぜ、ルクシオ!」
レオの三番手はルクシオ。
「さて、まずはそいつを倒すぞ。ルクシオ、十万ボルト!」
ルクシオは一声吼えると、高電圧の強烈な電撃を放つ。
「効かないわよ。エルレイド、サイコカッター!」
エルレイドは念力を込めた刃を横薙ぎに振るい、電撃を相殺するが、
「かかったな! ルクシオ、辻斬り!」
いつのまにかルクシオはエルレイドのすぐそこまで接近していた。
すれ違いざまに爪を振るってエルレイドを切り裂き、この一撃でエルレイドを確実に仕留める。
「流石に耐えられないわね。エルレイド、頑張ったわ」
エルレイドをボールに戻すガーネットの表情に、焦りなどは全くない。
「さあ、我が血筋にかけて、グレイシア!」
ガーネットの三番手は、あのグレイシア。放たれる強者のオーラは、以前見た時と全く変わらない。
しかし、今のレオには怖くない。
「遂に来たなグレイシア。確かに前はびびってたけど、今は違うぜ。お前たちより強いジムリーダー達を、五人倒してきたんだからな」
「私がそこら辺のジムリーダーより弱いですって? ふふふ、貴方面白い冗談言うのね」
レオとガーネットのその言葉に呼応するように、ルクシオとグレイシアも、互いの敵をじっと見据える。