二次創作小説(紙ほか)
- Re: 第七十六話 眼光 ( No.171 )
- 日時: 2013/08/15 14:39
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: Q1X0ZXes)
「ルクシオ、まずは帯電!」
ルクシオは電気を体に溜め込み、攻撃と特攻を上げる。
「十万ボルトだ!」
帯電を生かし、ルクシオはより強力な高電圧の電撃を発射する。
「グレイシア、冷凍ビーム!」
対して、グレイシアは冷気の光線を放ち、電撃を相殺。
「それならルクシオ、アイアンテール!」
ルクシオは尻尾を鋼のように硬化させて跳び上がる。
上空から、勢いをつけてグレイシアへと尻尾を叩きつけるが、
「グレイシア、守る!」
グレイシアは防御の結界を作り出し、ルクシオの尻尾を完全に防いでしまう。
「シャドーボール!」
ルクシオの尻尾が元に戻り、結界が消えた瞬間を狙って、グレイシアは影の弾を撃ち出し、ルクシオを吹っ飛ばす。
「まだ終わらないわよ! シャドーボール!」
「来るぞ! 辻斬りだ!」
さらにグレイシアは影の弾を放ち、追撃を狙うが、ルクシオはすぐに起き上がると、爪を振り抜いて影の弾を破壊する。
「ルクシオ、十万ボルト!」
ルクシオは高電圧の強烈な電撃を放つ。
「だから効かないわよ。グレイシア、冷凍ビーム!」
グレイシアは冷気の光線を放ち、電撃は再び相殺される。
「グレイシア、アクアテール!」
「それならルクシオ、アイアンテール!」
グレイシアは尻尾に水を、ルクシオは尻尾を硬化させ、尻尾を振るう。
双方が競り合うが、威力は互角のようで、互いに一度退く。
「ルクシオ、辻斬りだ!」
次の瞬間にはルクシオはグレイシアのすぐそこまで接近し、再び爪を振るう。
「無駄よ! グレイシア、守る!」
再びグレイシアは守りの結界を作り出し、爪の一撃を防ぐ。
「どうかな! ルクシオ、十万ボルト!」
辻斬りで結界が消えた瞬間、ルクシオは高電圧の強烈な電撃を
「だから無駄って言ったのよ」
撃ち出せなかった。
より性格には、撃ち出す標的がいなかった。
「!? ど、どこだ!」
「上よ! グレイシア、冷凍ビーム!」
いつの間にかグレイシアは真上に跳び上がっていた。
上空から、グレイシアが冷気の光線を撃ち出し、ルクシオは氷漬けにされてしまう。
「アクアテール!」
落下の勢いのまま、グレイシアは尻尾に水を纏わせ、その尻尾を振り下ろす。
ルクシオを覆う氷ごと砕き、ルクシオを吹っ飛ばした。
「ここで逃げられても厄介ね。グレイシア、冷凍ビーム!」
グレイシアは冷気の光線を放ち、ルクシオの四肢と尻尾を凍り付かせる。
「これで逃げられないわね。グレイシア、とどめを刺しなさい! シャドーボール!」
グレイシアは影の弾を溜め込み、通常よりも強力なシャドーボールを放つ。
「くそっ! ルクシオ、何とかして氷を!」
ルクシオは氷を割ろうとするのだが、四肢、尻尾を凍り付かせられた状態では動けないのは明らかだった。
「ルクシオ!」
影の弾が、動けないルクシオをまともに捕らえる。
その瞬間、ルクシオの体が光り輝いた。
「これは!」
水色の中で、ルクシオのシルエットが変化していく。
ルクシオの進化が始まったのだ。
「……ッ、忌々しい!」
光るルクシオを睨みつけ、ガーネットは呟く。
顔にはより立派な鬣が生え、体つきもやや猫のような面影があったルクシオの姿から、完全に猛獣のようながっしりとした体つきとなる。
シルエットが完全に変わり、そこに現れたのは、黒い立派な鬣を生やした、威厳のあるライオンのようなポケモン。
体を覆う黒い体毛はさらに増え、前足に持つ発光器官も増えている。
レオはすぐに図鑑を取り出す。
レントラー、眼光ポケモン。電気タイプで、分類の通り、ルクシオと比べても非常に鋭い目つきが特徴。
勿論、能力や技も強化されている。
「レントラーか……よく進化してくれた。この勝負、絶対勝つぞ! さあガーネット、ここから仕切り直しだ!」
ガーネットを見据え、レオは叫ぶ。
ガーネットは苛立ちを募らせていたが、それを聞くと再び笑みを浮かべる。
「例えそっちが進化したところで、私は負けないわ。かかっておいでなさい!」
ドラゴンタイプ最強の技、龍星群をまともに浴びたビビッドンは、これで戦闘不能になってしまう。
「ビビッドン、ありがとう。戻って休んでて」
シーアスはビビッドンを戻し、最後のボールを取り出す。
「さあ行くよ、ヤミクラゲ!」
シーアスのポケモンは、青い大きなクラゲのようなポケモン。
目は無く、代わりに赤いコアを持ち、四本の黄色く長い触手と、白い髭のような無数の触手を持っている。
ヤミクラゲ、クラゲポケモン。水・悪タイプ。
「ヤミクラゲか……なら、ガブリアス、戻ってくれ」
ガブリアスを一旦ボールに戻し、ホロは別のボールを取り出す。
「頼んだぜ、ジバコイル!」
ホロのポケモンは、蒼天将も持っていたジバコイル。
「タイプ相性だけで勝てると思わないでよ! ヤミクラゲ、ハイドロポンプ!」
ヤミクラゲは大量の水を撃ち出す。
目が無いが、性格にジバコイルを狙ってくる。
「ジバコイル、躱して帯電!」
ジバコイルは上昇して水を躱し、体内に電気を溜め込んで攻撃と特攻を上げる。
「エレキネットだ!」
続いてジバコイルは網状に拡散する電撃を放つ。
電気の網はヤミクラゲに絡みつき、ヤミクラゲにダメージを与え、素早さも下げる。
「エレキネットならそんなに怖くないよ。ヤミクラゲ、ギガドレイン!」
「ジバコイル、エレキネット!」
ヤミクラゲの長い触手の二本が光り、ジバコイル目掛けて伸びてくるが、ジバコイルは網状の電撃を放ち、触手を止める。
「エレキネットが怖く無いなら、怖くなるまで能力を上げてやるぜ。ジバコイル、帯電!」
再びジバコイルは電撃を体内に溜め、攻撃と特攻を上げる。
「だったらヤミクラゲ、ダークリゾルブ!」
ヤミクラゲの体が、闇に覆われる。
次の瞬間、その闇のオーラが放出され、ジバコイルに襲い掛かる。
ジバコイルを覆った闇は、その体力を少しづつ蝕む。
効果今一つだが、悪タイプの大技なだけあり、ダメージは大きい。
しかも、
「そのヤミクラゲ、特性は免疫だな!」
「そうだよ。だからヤミクラゲはダークリゾルブをいくら使っても毒状態にはならないよ!」
本来、ダークリゾルブは強大な闇の力を扱う代償として、自らが毒に侵されてしまう。
しかし、ヤミクラゲの特性は毒状態にならない免疫。
タイプ一致であることも重なり、ヤミクラゲとは相性が抜群なのだ。
「ジバコイルが鋼タイプで助かったぜ。悪技を今一つに出来るからな。ジバコイル、こっちもそろそろ攻めるぞ! ジオインパクト!」
ジバコイルは銀色の鋼エネルギーのオーラを纏い、それを衝撃波として放出する。
しかし、
「これを待ってたよ! ヤミクラゲ、ミラーコート!」
ヤミクラゲの体が、光を放つベールに包まれる。
ジオインパクトの衝撃を吸収し、威力を二倍にしてそのまま弾き返す。
「まず……ッ! ジバコイル!」
鋼技が水タイプに効果今一つだったことが幸いし、まだ何とかジバコイルは戦闘不能ではない。
しかし、ここからジバコイルでヤミクラゲに勝つのは難しいだろう。
(よし、もうこの手しか無いな。このためにガブリアスを一旦戻したんだ。これで決めてやるぞ!)
覚悟を決め、ホロは顔を上げる。