二次創作小説(紙ほか)

Re: 第八十五話 紙袋 ( No.186 )
日時: 2013/10/30 22:59
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: W5lCT/7j)

「ソルロック、ストーンエッジ!」
ソルロックの周りに尖った岩が浮かび、直後その岩が一斉に放たれる。
「パンプリー、放電!」
対してパンプリーは周囲に電撃を撒き散らし、ストーンエッジを防ぐ。
悪巧みで特攻が上がっていることもあり、尖った岩は次々と破壊される。
「シャドーボールだ!」
ストーンエッジを全て打ち消すと、間髪入れずにパンプリーは影の弾を作り上げ、ソルロックへ撃ち出し、その顔面へと命中させる。
エスパータイプを持つソルロックには効果抜群。ダメージは相当大きいはずだ。
「それならば、ソルロック、火炎放射!」
それでもすぐに体勢を立て直し、ソルロックは高速回転と共に灼熱の炎を放つ。
「来るぞパンプリー! 躱してシャドーボール!」
大きく跳んで炎を躱すと、パンプリーは今度は影を固めた弾を撃ち出す。
「効かないわよ? ソルロック、思念の頭突き!」
ソルロックは額に念力を込め、頭突きでシャドーボールを相殺、さらに、
「もう一度!」
そのまま思念を込めてパンプリーへと激突、パンプリーを吹っ飛ばす。
「まだ終わらないわよ! ソルロック、火炎放射!」
「させるか! パンプリー、シャドーボール!」
ソルロックが高速回転し、灼熱の炎を放つが、パンプリーは吹っ飛ばされながら、それでも何とか影の弾を撃ち出す。
しかし完全に相殺こそ出来ず、少し炎を浴びてしまう。
「これくらいならなんともない。パンプリー、マジカルリーフ!」
特防が自慢のパンプリーは、少量の炎如きならびくともしない。
妖しく光る葉を放ち反撃、必中の葉がソルロックを襲う。
「だから効かないって言ってるでしょ! ソルロック、火炎放射!」
しかしソルロックは高速回転してエネルギーを溜め、やはり灼熱の炎を放ってくる。
マジカルリーフは焼き尽くされる。
だが。
「パンプリー、放電!」
肝心のパンプリーが炎の向こうにいない。
既にパンプリーはソルロックの後ろに周り、電撃を放っている。
「シャドーボール!」
電撃を喰らい痺れているところへ、パンプリーはさらに影の弾を放ち、ソルロックを吹っ飛ばす。
「マジカルリーフだ!」
効果抜群の一撃を喰らい、体勢が大きく崩れたソルロックへ、さらに必中のマジカルリーフがその岩の体を切り裂く。
「ッ、だったら……」
紙袋の奥から漏れる声に明確な怒りが宿る。
ソルロックは赤い目を点滅させながら、何とか体勢を立て直す。
「これでも喰らいなさい! ソルロック、オーバーヒ
「パンプリー、シャドーボール!」
パンプリーの放った影の弾が、ソルロックの顔面にまともに直撃した。
ソルロックは吹っ飛ばされ、力尽きて地面に落ち、戦闘不能になってしまう。
「……ソルロック、戻ってなさい」
苛立ちを募らせながら、キキはソルロックをボールへと戻す。
「よくもやってくれたわね。でも次はこうはいかないわよ。この子で貴方のポケモンを二体抜きすれば、それで私の勝ちよ」
「覚醒した天将ならともかく、ただの直属護衛程度が、僕らに勝てるわけないだろ」
「ビッグマウスはそれくらいにしておくことね。さあ行きなさい、ブニャット!」
キキの最後のポケモンは、白い大きな猫のようなポケモン。
二又の尻尾で体を絞り、体をより大きく見せているようだ。
虎猫ポケモンのブニャット。ノーマルタイプである。
「ノーマルタイプか。主力技が通らないのは辛いけど、それはお前も同じだろ」
「さて、どうかしら。そう思ってるのは、貴方だけかもしれないわよ?」
そして、キキの手が動く。
レオへと手をかざし、そっと掌を広げ、
「ブニャット、辻斬り!」
刹那、ブニャットの姿が消える。
気がつけば既にブニャットはパンプリーを切り裂いていた。
「!? 速い……!」
効果抜群の鋭い斬撃を喰らい、ソルロック戦でのダメージも重なり、パンプリーはその一撃で戦闘不能になってしまう。
「パンプリー、ありがとう。戻って休んでてくれ。それにしても」
パンプリーをボールに戻し、レオはブニャットを見据える。
(体格の割に相当素早いな。足は遅いと思って油断してた。でも同じ手は食わないぜ。ポッチャマでもいいけど……)
「ここは任せたぞ、アブソル!」
レオの二番手は、どんな相手でも強いアブソルだ。
「アブソル、奴は見た目と違って相当素早い。だけどお前なら見切れるはずだ、頼んだぞ」
レオの言葉に、アブソルはブニャットを睨んだまま頷く。
「貴方のポケモン如きに私のブニャットの動きが見切れる訳がないでしょ! ブニャット、辻斬り!」
「どうかな! アブソル、辻斬り!」
双方が一瞬で距離を詰める。
ガキィ! と、爪と鎌がぶつかり、お互いに激しくせめぎ合う。
威力は互角。双方素早く退き、体勢を構え直す。
「あら、思ってたよりも、意外と速いじゃないの」
「だから言ったろ。アブソル、火炎放射!」
「ブニャット、十万ボルト!」
アブソルの放った灼熱の炎に対し、ブニャットは強烈な電撃を放って迎撃する。
しかしブニャットの特攻はそれほど高くない。電撃は打ち破られ、ブニャットは炎を浴びる。
「アブソル、サイコカッター!」
ブニャットが立て直すより早く、アブソルが動く。
念力を纏った鎌が、ブニャットの顔を狙う。
「ブニャット、切り裂く!」
だがブニャットとてそう簡単には攻撃させない。
爪を伸ばし、アブソルの攻撃をどうにか防ぐ。
「まだだぜ! 火炎放射!」
「予想済みよ! 躱して十万ボルト!」
アブソルが灼熱の炎を噴き出すが、それを予測していたようにブニャットは大きく跳び上がり、上空から反撃の高電圧の電撃を放つ。
「ブニャット、切り裂く!」
電撃をまともに喰らったアブソルに、さらにブニャットは追撃をかける。
落下の勢いも利用し、鋭い斬撃が襲いかかる。
「アブソル、火炎放射!」
躱すのは不可能だと瞬時に判断し、レオは火炎放射を指示。
ブニャットを押し返すことは出来ず、アブソルは爪の一撃を喰らってしまうが、火炎放射で何とか威力を削いだ。
「まだまだよ! ブニャット、もう一度切り裂く!」
「やられっぱなしでたまるかよ! アブソル、辻斬り!」
ブニャットとアブソルの跳んだタイミングはほぼ同時。
黒い鎌と白い爪、双方の斬撃が交錯する。