二次創作小説(紙ほか)

Re: 第九十七話 様子見 ( No.211 )
日時: 2013/12/24 00:00
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: IvdLyRwl)

「ルナバイン、神秘のひと時を」
「疾走せよ、ギャロップ!」
ラピスのポケモン、ルナバインに対し、リョーマのポケモンは額に角の生えた、炎を纏う馬のようなポケモン。
火の馬ポケモンのギャロップ、炎タイプだ。
「初手からぶっ飛ばしてくぜ! ギャロップ、フレアドライブ!」
ギャロップは荒れ狂う炎を全身に纏い、大きな火炎弾のように突撃する。
「ルナバイン、サイコバーン」
対してルナバインは念力を体内に溜め込み、一気に放出して念の衝撃波を起こす。
正面から突っ切ろうとするギャロップだが、衝撃波の威力も高く、相殺に終わってしまう。
「なかなか火力はあるじゃねえか。ギャロップ、メガホーン!」
今度は額の角を構え、再びギャロップは突進する。
「ルナバイン、ウッドハンマー」
ルナバインは手にした杵を振り回し、突っ込んでくるギャロップへと叩きつける。
またしても威力は互角だが、
「ルナバイン、ハイドロポンプ」
直後、より早く動いたのはラピスの方だ。
ルナバインが構えた両手から大量の水が撃ち出され、ギャロップを直撃し、部屋の端まで吹っ飛ばした。
効果抜群の技の直撃を喰らい、ダメージは相当大きい。
「おいおいマジかよ。やってくれるじゃねえか」
しかしリョーマの表情に変化はない。
相変わらず余裕の表情を浮かべ、相手のポケモンを見据える。
彼はギャロップの方を見なかった。これくらいではやられないことは分かっているからだ。
「さあ反撃だ。ギャロップ、ワイルドボルト!」
今度はギャロップが激しい電気を纏い、ルナバインへと突っ込む。
「ルナバイン、気合玉」
ルナバインは気を一点に凝縮させた弾を作り出し、それを掴み投げつける。
「ギャロップ、躱しな!」
だがギャロップは電気を纏いながらも地を蹴って跳び上がり、気合玉を躱す。
そのまま突っ込み、ルナバインに激突する。
「っしゃ! ギャロップ、メガホーン!」
角を構え、ギャロップは先程よりもさらに勢いをつけてルナバインへ突進する。
だがルナバインは壁に激突する寸前、上手く壁に手をつき、受け身を取る。
「ルナバイン、ウッドハンマー」
素早く体勢を立て直し、杵を振り上げ、ルナバインが大きく跳ぶ。
ギャロップの上を取って角の一撃を躱し、上空から勢いをつけて杵を思い切り振り下ろす。
「空中にいると逃げ場が無くなるぜ? ギャロップ、フレアドライブ!」
全身に業火を纏い、ギャロップはルナバインを迎え撃つ。
ルナバインと正面から激突し、今度は押し勝ち、ルナバインを吹っ飛ばした。
「まだ終わらねえぞ! ギャロップ、メガホーン!」
「立て直しなさい。ルナバイン、気合玉!」
吹っ飛ぶルナバインを追って、ギャロップは角を構えて突撃する。
対してルナバインは壁で再び上手く受け身を取り、瞬時に体勢を立て直すと、構えた手に気を一点に凝縮した波動の弾を作り上げ、それを投げつける。
気合玉と角の一撃が激突し、双方の技が再び相殺される。
だが、
「ルナバイン、ハイドロポンプ」
いつの間にかルナバインはギャロップの真上に跳び上がっていた。
攻撃直後のギャロップに、今のルナバインの攻撃を躱す術はない。
ルナバインのかざした手から、大量の水が放たれる。



「行きなさい、ブースター!」
「最初は頼んだぜ、トゲキッス!」
ソライトの一番手はブースター、レオの一番手はトゲキッス。
「おや、私の渡したトゲピーが最終進化を迎えましたか。それはよかったです」
「あんたがN・E団じゃなければ礼を言ってたところだけどな」
「おやおや、これは手厳しい。ま、それはさておき、始めましょう。ブースター、大文字!」
先手を取ったのはブースター。
大の字型に激しく燃える炎を、トゲキッスへと撃ち出す。
「トゲキッス、躱してエアスラッシュ!」
トゲキッスはふわりと飛び上がって大文字を躱すと、翼を羽ばたかせ、空気の刃を放って反撃。
「ブースター、アイアンテール!」
ブースターは尻尾を鋼のように硬化させ、その尾を振るって空気の刃を破壊、さらにそのままトゲキッスへ飛びかかるが、
「波動弾だ!」
尻尾が当たるよりも早くトゲキッスは波動を凝縮した念弾を撃ち出し、逆にブースターを吹っ飛ばす。
「サイコバーン!」
さらにトゲキッスは体内に念力を溜め込み、それを爆発させて衝撃波を飛ばす。
「ッ、ブースター、大文字!」
体勢は崩れたままだが、それでもブースターは大の字型の炎を撃ち出す。
状態が不安定だった分、大文字の威力は先程より低く、サイコバーンに破られてしまうが、ダメージは最小限に留める。
「波動弾だ!」
しかしトゲキッスの攻撃はまだ終わらない。
まだ体勢を完全に戻せていないブースターに、トゲキッスの放った波動の念弾が襲い掛かる。
「ブースター、炎の牙!」
ブースターは牙に炎を纏わせ、波動弾に噛み付き、破壊する。
「反撃といきましょうか。ブースター、大文字!」
「悪いがお前のターンはねえ! トゲキッス、サイコバーン!」
ブースターが大の字型に燃える炎を、トゲキッスが念力を爆発させた衝撃波を放つ。
しかしブースターは特攻がそれほど高くないのか、トゲキッスのサイコバーンが打ち勝ち、ブースターも衝撃波を浴びる。
「エアスラッシュ!」
そのチャンスを逃さず、トゲキッスは羽ばたいて空気の刃を飛ばす。
N・E団の七天将の一人と言えど、覚醒もしていない第七位など、レオの敵ではない。
「ブースター、アイアンテール!」
ブースターは尻尾を硬化させ、空気の刃を破壊し、
「炎の牙!」
牙に炎を纏わせ、口を大きく開き、トゲキッスに飛びかかる。
だが、ここであえてレオは回避させなかった。
ブースターがトゲキッスに噛み付き、炎の牙を食い込ませる。
その瞬間。
「そこだ! トゲキッス、サイコバーン!」
トゲキッスが体内に念力を溜め込み、一気に爆発させ、周囲へと衝撃波を撃ち出す。
当然、この至近距離では衝撃波を躱せるはずもなく、ブースターは勢い良く吹っ飛ばされ、壁に激突する。
「エアスラッシュ!」
炎の牙から解放されたトゲキッスが、空気の刃を飛ばす。
ブースターに直撃し、これでブースターは戦闘不能となってしまう。
「へっ、悪いけど、天将最弱のお前なんか敵じゃないぜ」
余裕の笑みを浮かべ、挑発するレオ。
「どうやらそのようですね。ブースター、戻りなさい」
ソライトは焦る様子も見せず、ブースターをボールに戻す。
「仕方がありませんね。では、私も覚醒させていただくとしましょうか」
ソライトがそう言った直後。
その瞳が、藍色の光を放つ。
同時に、ソライトが白衣を開くと、下の黒い服の上から、藍色の刺々しい鱗が集まった龍の胴体のような模様が浮かび上がる。
蒼天将ソライトが、『覚醒』を使用したのだ。
「さて、これで私はN・E団第五位。同時にポケモン達の力も大きく向上。これでもまだ余裕でいられますかねえ?」
因みに、とソライトは続け、
「私の切り札となるポケモンは、ガーネットのフィニクスに比べるとやや劣ります。ですが、その分他のポケモン達がより強化される。ガーネットのようにエースが飛び抜けるのではなく、私の覚醒は全員を均等に強くします」
しかし、それだから何だという訳でもない。
どちらにせよ、これから出てくるポケモンが難敵である事に変わりはないのだ。
「それでは、続けましょう。行きなさい、ジバコイル!」
ソライトの二番手はジバコイルだ。
だが、覚醒した影響か、以前に見た時と比べ、強者の気と言うべきか、そのようなものが明らかに違う。
「タイプ相性は不利だけど、トゲキッス、削れるだけ削ってくぞ」
レオの言葉にトゲキッスは振り向いて頷き、ジバコイルと対峙する。
「よし! トゲキッス、大文字!」
煌々と燃え盛る、大の字型の業火を放つトゲキッス。
しかし、

「ジバコイル、雷!」

ジバコイルはユニットをフル回転させ、雷にも匹敵するような超高電圧の電撃を発射する。
電撃は大文字の中心を貫き、炎を一瞬で打ち消し、トゲキッスを捕らえた。
「嘘だろ!? トゲキッス!」
雷撃に貫かれたトゲキッスが、地面に落ちる。
ブースター戦でのダメージが多少あったとは言え、ほぼ一撃で戦闘不能になったようなものだ。
「ッ……トゲキッス、ありがとう。戻って休んでてくれ」
トゲキッスをボールに戻すレオに、僅かな焦りが見られる。
(嘘だろ……今の火力を持つ相手が、こいつを含めてあと三体もいるのかよ)
だが、ソライトはレオの僅かな感情の変化を見抜いていた。
「そう焦ることもありませんよ。今の一撃は、急所に当たっていますからね」
(……ちっ、全部お見通しってことか)
ソライトの言葉には答えず、レオは次のボールを取り出す。