二次創作小説(紙ほか)
- Re: 第三話 新メンバー ( No.22 )
- 日時: 2013/08/15 13:30
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: Q1X0ZXes)
次の日。
いよいよ、レオの新しい旅がはじまる。
「それじゃ、気を付けていってらっしゃい。無理しちゃだめよ」
シイナは笑顔でレオを送り出す。
「分かってるよ、母さん。心配しないでって。それじゃ、いってきます」
レオはシイナに手を振り、歩き出す。
そんなレオの後ろ姿を見て、小さくシイナは呟く。
「一年前に旅に出た時の背中より、ずっとたくましくなったわね」
シラハタウンを出たレオは、さらにメガキタウンも通過し、順調に歩みを進めている。
タウンマップを開き、次の町を確かめる。
「一番近いのは……ハスバナシティ、ね。ジムもあるじゃんか」
となると、ポッチャマの他に、新戦力もゲットしておきたい。
「なるべくなら、見たことないポケモンがいいよな……」
野生のポケモンは、基本草むらに出てくる性質を持っている。
草むらをかき分け、レオは野生のポケモンを探す。
レオの近づく音に反応したのか、少し離れたところから、鳥ポケモンが羽ばたく音が聞こえた。
見上げると、夜雀ポケモンのクロッチが、群れを作って飛んで行ったようだった。
「クロッチは、見たことあるからなあ」
引き続き、レオが草むらを捜索していると、
「お?」
一匹の見たことのないポケモンが現れた。
水色の、子ライオンのような丸みを帯びた姿をし、足には黄色い縞があり、尻尾に星のような模様がついたポケモン。
レオは手慣れた手つきで図鑑を取り出す。
「閃光ポケモンのコリンク、電気タイプか……」
コリンクというそのポケモンは、牙を剥いてこちらを威嚇しているようだ。
「何だ何だ、縄張りにでも入っちまったのか僕。だけど、この強気な性格は僕好みだぜ。よし、ゲットすっぞ」
図鑑をしまうと、レオはモンスターボールを取り出す。
「初バトルだな。頼んだぜ、ポッチャマ!」
ポッチャマを繰り出し、バトル開始だ。
「覚えてる技はっと……よし、ポッチャマ、まずはバブル光線!」
ポッチャマは口から勢いよく泡の光線を発射する。
対して、コリンクはさっと飛んで泡を躱すと、微弱な電撃を放つ。
「おおっと、電磁波か。ポッチャマ、躱してアクアジェット!」
ポッチャマは横へと逸れて電磁波を躱すと、体に水を纏って突進する。
コリンクに命中するが、コリンクの特性、威嚇で攻撃が下がっており、コリンクは押し戻されるが吹っ飛びはしない。
すると、コリンクは体中に電気をため始めた。
「充電……厄介だな。ポッチャマ、一旦距離を取るぞ」
ポッチャマは充電を見ると、すぐに後ろへと退く。
充電は次の電気技の威力を上げる技。ポッチャマは水タイプなので、電気技には弱い。
充電を終えると、コリンクは体中に電撃を纏い、突進してきた。
「スパークか! ポッチャマ、ここは回避するぞ!」
ポッチャマは後ろへ飛び退き、コリンクの突進を避ける。
しかし、コリンクの勢いはそこで止まらない。電撃は体から消えたが、そのままポッチャマに飛びかかり、鋭い牙でポッチャマに噛みついた。
「噛みつくも覚えてるのか。だったらポッチャマ、乱れ突きだ!」
腕に噛みつくコリンクに対し、ポッチャマは嘴でコリンクを連続で突く。
それでもコリンクは離れない。腕に噛みつき、ポッチャマにダメージを与えていく。
「こうなったら! ポッチャマ、我慢だ!」
腕に噛みつかれたまま、ポッチャマは忍耐体勢に入る。
コリンクの歯の痛みを、じっと耐えている。
コリンクもコリンクで、全く離れない。
そして、十数秒後。
ポッチャマの体が赤く光り、次の瞬間、コリンクはポッチャマに吹っ飛ばされた。
我慢は、相手の攻撃を耐え続け、その間に受けたダメージを二倍にして相手に返す技。
コリンクはその強烈な反撃に思い切り吹っ飛ばされ、地面に落ちる。
「今だぜ、モンスターボール行くぞ!」
その隙を逃さず、レオはモンスターボールを投げる。
コリンクにぶつかり、ボールが開く。
コリンクがその中に吸い込まれ、ボールは閉じ、地面に落ちる。
ボタンが赤色に点滅する。
緊張の瞬間。レオとポッチャマは、ボールをじっと見据える。
そして、ボールは、カチッと音を立て、止まる。
「よっしゃあ! コリンク、ゲット!」
レオはボールを高らかに掲げ、叫ぶ。
ポッチャマも胸を張り、自慢げに鳴く。やはりこの性格は頼りになる。
「やったぜポッチャマ。お前のおかげだぜ」
レオの言葉に、ポッチャマは振り返り、当然、といった調子で、ドヤ顔にも見える笑顔を浮かべる。
ところで、モンスターボールには特殊な効果が備わっている。
例外もあるが、基本的にモンスターボールに入ったポケモンは、トレーナーにある程度従うようになるのだ。
「お、こんなところにちょうどいいものが」
ちょうど、レオは近くにオレンの実が二つなっているのを見つけた。
レオはコリンクをボールから出し、コリンクとポッチャマにオレンの実を手渡す。
「二人とも、お疲れ様。コリンク、これからよろしくな!」
レオの手持ちに、新しいメンバー、コリンクが加わった。