二次創作小説(紙ほか)

Re: 第百二十四話 共通点 ( No.258 )
日時: 2014/07/05 20:16
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: VYLquixn)

「アルデッパ、パワーウィップ!」
アルデッパが腕の無数の蔓を伸ばし、プラネムへ叩き込む。
「プラネム、サイコバーン!」
対してプラネムは念力を体内に溜め込む。
溜め込んだ念力を瞬時に解放させて爆発を起こし、衝撃波を飛ばして、蔓を弾き飛ばした。
「ならばアルデッパ、ハイドロポンプ!」
アルデッパはその大口を広げ、大量の水を撃ち出す。
「プラネム、ダイヤブラスト!」
プラネムは爆破と共に青白く輝く爆風を放つが、水柱を完全に食い止めることは出来ず、ハイドロポンプを喰らってしまう。
「プラネム、大地の怒りだ!」
宙に浮くアルデッパの真下の地面が割れ、大量の土砂と瓦礫が噴き出すが、
「知らないのか? アルデッパの特性は浮遊だ。地面技は効かんぞ」
土砂や砂煙がアルデッパの周囲を覆うが、瓦礫はアルデッパに届かない。
しかし、
「いいや、知ってるさ。プラネム、サイコバーン!」
直後、アルデッパの右側から烈風が放たれ、砂煙が吹き飛ぶ。
直後、砂煙に紛れてアルデッパの横まで接近していたプラネムが衝撃波を放ち、アルデッパを吹っ飛ばす。
「畳み掛けるぜ! プラネム、ダイヤブラスト!」
「ッ、アルデッパ、パワーウィップ!」
プラネムが周囲を爆破し、青白く煌めく爆風を放つ。
アルデッパは体勢を崩しながらも、大量の水を噴き出し、どうにか爆風を相殺する。
「やるな。長年忍びの修行を積んできたこの俺に、気配を感じさせないとは」
「俺たちも厳しい裏社会を生き延びて来たからな。その為の術は、少なくともお前らに劣らない程度には身につけているつもりだぜ。ま、流石にここの長には及ばねえだろうがな」
つーか、とケケは続け、
「そういう点では、俺たち破天隊とお前ら忍びは共通点が多い。表社会から隔離された場所で生活し、自分たちの生活を否定する奴等から逃げ、時には撃退する。だから俺たち破天隊が動員されたのさ。N・E団の中でお前ら忍びとまともにやり会えるとしたら、俺たちだけだからな」
「なるほど。確かに、そうかもしれぬ。だが」
ケケの話を聞いた上で、コタロウは続ける。
「いくら社会から隔離されようと、俺たちは表社会に攻撃を仕掛けたことはない。攻められれば防衛はするが、それ以上の事はしない。自分たちの都合だけで無関係な人々を攻撃するお前たちと我々を、一緒にするな」
「ハンッ、心配すんな。犯罪グループ出身の俺たちは皆クズ野郎さ。それくらいは自覚してるぜ」
はぁ、とケケは息を吐き、
「バトルを続けるか。プラネム、熱風!」
プラネムが回転し、灼熱の風を起こす。
「アルデッパ、吹雪だ!」
アルデッパも雪を風に乗せて吹雪を起こし、熱風を相殺、さらに、
「パワーウィップ!」
腕の無数の蔓を伸ばし、プラネムへと叩きつける。
「プラネム、サイコバーン!」
「アルデッパ、ハイドロポンプ!」
プラネムが念力を溜め込み、それを爆発させて衝撃波を放つ。
蔓が衝撃によって弾かれるが、アルデッパの動きはそこで止まらない。
口を大きく開き、太い水柱を噴射する。
衝撃波と水柱が激突し、爆発が巻き起こる。



「さあ行くわよ! コモラゴン、ぶち壊す!」
先手を取ったコモラゴンが動く。
キキのプラネムとの距離を一気に詰め、力を込めた太い尻尾を横薙ぎに振るう。
「プラネム、ストーンエッジ!」
プラネムが周囲に尖った岩を浮かべる。
それを一斉に撃ち出し、コモラゴンの尻尾の勢いを止める。
「コモラゴン、ドラゴンクロー!」
コモラゴンの爪が蒼く輝く。
龍の力を込めた爪を振り抜き、プラネムの岩で出来た体を切り裂く。
「プラネム、もう一度ストーンエッジ!」
ドラゴンクローの直撃を受けたプラネムだが、すぐに反撃の体勢に入る。
再び周囲に尖った岩を浮かべて一斉に撃ち出し、コモラゴンに岩を突き刺す。
「プラネム、追撃するわよ。怒りの炎!」
「そう上手くは行かせないけどね! コモラゴン、火炎放射!」
プラネムが憤怒の感情の如く燃え盛る炎を放つが、コモラゴンも灼熱の業火を撃ち出し、怒りの炎を迎え撃つ。
双方の炎がぶつかり合い、大きな爆発と共に爆風を飛ばし、両者共押し戻される。
「気持ち悪い見た目の割にやるじゃない。さっきのアゲハントを見る限り、もっと弱いと思ってたけど」
「年上の女性に対する言葉遣いがなってないんじゃないかしら? あんた見たいな生意気な子には、お仕置きが必要みたいね」
「はぁ? やれるもんなら、やってみなさいよ! コモラゴン、ダストシュート!」
戦闘になると派手に暴れてしまうのが忍びとしてのアヤメの欠点なのだが、彼女はそれに気づいていない。
コモラゴンが大きなヘドロの塊を放ち、それを思い切りプラネムへと投げつける。
「プラネム、破壊しなさい。サイコバレット!」
プラネムが念力を実体化させ、無数の銃弾に変えて撃ち出す。
弾幕によってヘドロの塊は破壊されるが、
「ぶち壊す!」
ヘドロの塊の後ろからプラネムへと接近していたコモラゴンが、思い切り尻尾を振るい、プラネムを叩き飛ばす。
効果抜群の一撃をまともに受け、プラネムは大ダメージを喰らってしまう。
「一発防いだくらいで油断しちゃダメだって。忍びはどこから襲って来るか分からないんだから」
得意げな表情を浮かべるアヤメだが、
「どっちが油断してるって? プラネム、ストーンエッジ!」
コモラゴンが叩き飛ばしたプラネムが、風船のように破裂した。
直後、コモラゴンの真上から現れたプラネムが、無数の尖った岩をコモラゴンへと放つ。
「ッ、身代わり……! コモラゴン、火炎放射!」
咄嗟にコモラゴンは真上に灼熱の炎を放つ。
全ての相殺は出来なかったが、ダメージはどうにか最小限に留める。
「私たちもあんたら忍びと同じように、危険な裏社会を生き延びて来てるのよ。私を見下してかかるのは勝手だけど、油断してると潰すわよ」
そう言うキキの口調には、珍しく真剣味が篭っていた。
(っ、私としたことが。常に油断するなって父上にいつも言われているのに。周りから優秀だって言われるけど、私もまだまだね)
「もう油断はしないわ。全力で叩きのめしてあげる。貴女たちなんかに、私たちの宝は渡さない」
気持ちを切り替え、アヤメは表情を隠す黒い紙袋を見据える。



「ギャヒャヒャヒャヒャ! オニゴーリ、絶対零度!」
狂ったように笑い、叫び、メジストは恐怖を撒き散らす。
オニゴーリが氷のエネルギーを溜め込み、絶対零度の氷の砲弾を発射する。
「ドクロッグ、躱して悪の波動!」
対してドクロッグは大きく跳躍し、絶対零度の冷気を躱すと、上空から悪意に満ちた波動を撃ち出す。
「オニゴーリ、ダイヤブラスト!」
オニゴーリは周囲を爆発させ、青白く煌めく爆風を放ち、悪の波動を防ぐ。
「次だ! オニゴーリ、噛み砕く!」
藪の後ろに着地したドクロッグに狙いを定め、オニゴーリは突撃する。
目の前にある障害物、枝や藪全て食い破り、噛み砕き、一直線にドクロッグに迫る。
「ドクロッグ、マグナムパンチ!」
だが正面からの攻撃なら恐れるに足らず。
オニゴーリの牙が届く範囲外に逸れると、オニゴーリが軌道を修正するよりも早く、ドクロッグがミサイルの如き勢いで拳を振るう。
しかし、
「引っかかったな馬鹿が! オニゴーリ、ダイヤブラスト!」
オニゴーリが急に動きを止め、周囲を爆発させる。
ドクロッグは爆発に巻き込まれ、さらに爆風を受けて吹っ飛ばされる。
「ギャヒャヒャ! 凍え死ね! オニゴーリ、絶対零度!」
オニゴーリが冷気のエネルギーを溜めていく。
この体勢では、ドクロッグの回避は間に合わない。
「ドクロッグ、身代わり!」
咄嗟にドクロッグは自らの身代わりを作り出す。
「そりゃそうするしかねえよなあ! 完全に読み通りだぜ! オニゴーリ!」
ドクロッグの動きを読んでいたメジストの指示で、オニゴーリは振り返る。
(っ、やはりこの男、状況を分析する力が上がっているな)
一見すればタガが外れて暴走しているように見えるメジストだが、実際はそうではない。
感情こそ高ぶっているが、その一方でより冷静かつ狡猾に状況を判断している。
しかし。
それはミヤビにとって、不利になるものとは限らない。
「引っかかったな。ドクロッグ、マグナムパンチ!」
オニゴーリが後ろを向いた瞬間、元の位置にいたドクロッグがミサイルの如き勢いで拳を突き出す。
「なにっ!? オニゴーリ、後ろだ!」
慌てて元の位置に向き直ろうとするオニゴーリだが、そんな隙をミヤビが与えるはずもない。
全力の拳の一撃が、オニゴーリの横顔に叩き込まれる。
「ドクロッグ、毒突きだ!」
凍りついた藪を使い、巧みに気配を消しながら、ドクロッグはオニゴーリに忍び寄る。
「どこからでも来いよ! 纏めて吹っ飛ばしてやるぜぇ! オニゴーリ、ダイヤブラスト!」
オニゴーリが自分を中心として広範囲に爆発を起こす。
爆風で周囲が吹き飛ばされる。藪に隠れている限り、ドクロッグに逃げ場は無いが、
「甘い」
ミヤビが短く告げた直後、木の上からドクロッグが飛び降り、オニゴーリの額に鋭い毒針を突き刺す。
「最初に言ったであろう。密林は我々忍びの主戦場。オニゴーリの広範囲への一撃必殺も、一度見た技であれば対策はいくらでも出来る」
「ケッ、その言葉はどうやら真実みてえだな」
ミヤビの言葉に対し、素直にメジストは認めた。
「絶対零度は通用しねえ、それじゃあ第二プランだ! オニゴーリ、氷柱落とし!」
オニゴーリが頭上に冷気の光線をばら撒く。
冷気は空中で凝結し、無数の大きな氷柱を作っていく。
「ただの氷柱落としじゃねえぜ? 何発か絶対零度を使った影響で、気温は大きく下がってる。冷たい空気も味方して、氷柱も普通より大きくなるんだよ! さあさあこれを全て躱せるか? ギャヒャヒャヒャ!」
鋭く尖った氷の凶器が、次々と降り注ぐ。
勝利に執着する狂人メジストの執念が、ミヤビにしぶとく喰らい付く。