二次創作小説(紙ほか)
- Re: 第百三十七話 雨天 ( No.274 )
- 日時: 2014/09/02 16:23
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: J/brDdUE)
ライロウと別れた後、エフィシは下っ端を退けながら地下へと進んでいくが、途中でセンサーか何かに引っかかったのか、突然大量の下っ端の襲撃を受ける。
さらに、下っ端の数を大方減らしたところで、
「やっと見つけたぞ、侵入者め」
碧天将セドニーの直属護衛、ロフトが姿を現す。
「丁度いいですね。雑魚の処理も面倒になってきたところですし」
ロフトと対峙した瞬間、エフィシの雰囲気が変わる。
「平和を乱すN・E団、私がここで打ち負かしてやりますよ」
ロフトとエフィシは、同時にボールを取り出す。
「行け、ネクロシア!」
「頼みます、ゲンガー!」
ロフトのポケモンはネクロシア、エフィシのポケモンはゲンガー。
「行くぞ! ネクロシア、シャドークロー!」
まずはネクロシアが先手を取る。
鋭い爪から黒い影を伸ばし、静かにゲンガーへ忍び寄る。
「ゲンガー、躱してダークリゾルブ!」
ネクロシアの爪の一撃を躱すと、ゲンガーは黒い闇のオーラに包まれる。
直後、そのオーラをネクロシアに向けて放出する。
「躱しきれないか……ネクロシア、シャドークロー!」
ネクロシアが両手に影を纏わせ、闇のオーラを迎え撃つ。
完全に防ぐことは出来ないが、影の爪がダークリゾルブの威力を軽減する。
「よし。ならば、ネクロシア、金縛り!」
「甘い! ゲンガー、気合玉!」
ネクロシアが金縛りをかける寸前で、ゲンガーが気合を溜め込んだ波動の弾を放つ。
気合玉は格闘タイプの技なので、ネクロシアには効かない。
しかし、
「そのネクロシアが金縛りを使うことは前持って聞いていましたからね。金縛りは二つ以上の技を封じることは出来ない。ダークリゾルブを封じられるわけには行きませんからね」
エフィシが笑みを浮かべる。
金縛りの直前に気合玉を放ったため、ゲンガーが封じられた技はネクロシア相手には何の意味もない気合玉になったのだ。
しかし、
「やるではないか、『ブロック』スティラ支部統括。しかし貴様が有利になったわけではない。金縛りが使えずとも、真っ向から貴様を倒してやる」
その程度ではロフトの勢いは削がれない。
寧ろさらに闘志を高め、エフィシに相対する。
アスカは薄暗い通路を進んでいた。
階段を下りたのだが、その先の通路は電灯が切れているか光が弱いものが多く、非常に薄暗くなっていた。
いつどこから敵に襲われるか分からないため、アスカは慎重に通路を進んでいくが、
「……誰かいるわね」
少し後ろに気配を感じ、モンスターボールを取り出す。
「……おや、気付かれたか」
闇の奥から低い男の声。
ゆっくりと姿を表したのは、黒服に身を包んだ、身長2メートルもある大男。
夜天将直属護衛、ジン。
傍らには、銅鐸ポケモンのドータクンが控えている。
「ストーカーとは感心しないわね。大方後ろから暗闇に隠れて私を襲撃しようとしたんでしょうけど、そうはいかないわよ」
「……お前は確か、名前は知らんが、最近輝天将に圧倒された女だな」
「だから何? その輝天将の足元にも及ばない直属護衛如き、恐れる相手じゃないわ。さあ、ルカリオ、行って来なさい!」
アスカの構えたボールから、ルカリオが現れる。
「ドータクン、行け」
対して、ジンの後ろに控えていたドータクンが進み出る。
「では、お前の実力がどの程度か、見せてもらおうではないか」
「望むところよ! ルカリオ、インファイト!」
ルカリオが拳を構えて特攻する。
渾身のパンチをドータクンの顔面に叩き込むと、目にも留まらぬ高速の連続攻撃を浴びせ、最後に波動の力を溜め込んだパンチでドータクンを吹っ飛ばす。
「ドータクン、雨乞いだ」
しかし耐久に優れるドータクンはそれくらいではびくともしない。
天井に黒い雨雲を呼び寄せ、雨を降らせる。
(炎技を持たないルカリオに雨は関係ない。となるとこの雨は炎の弱点の軽減のためじゃなさそうね。後続のサポートと見るのが正解かしら)
「ルカリオ、悪の波動!」
ルカリオが両手を突き出し、悪意に満ちた波動を撃ち出す。
「ドータクン、ジャイロボール」
対して、ドータクンは高速回転しながら突撃する。
回転によって悪の波動を弾き飛ばし、そのままルカリオを吹っ飛ばした。
「ドータクン、サイコキネシス」
さらにドータクンが強い念力を操作する。
体勢を崩したルカリオに、念力の波を放って追い打ちをかける。
「ルカリオ、神速!」
起き上がったルカリオが、一瞬で姿を消す。
サイコキネシスを躱しつつ、一気にドータクンとの距離を詰め、
「悪の波動!」
ドータクンに掌を押し付け、ゼロ距離から悪意に満ちた波動をぶつける。
直に衝撃を受け、ドータクンが吹っ飛ばされる。
「まだまだね。それくらいの実力じゃ、やっぱり私には勝てないわよ」
「たったドータクン一体でそんな甘い結論が出せるとは。相変わらず、『ブロック』の奴らは甘い奴らばかりだな」
互いに相手へ挑発し、二者とも余裕を見せる。
「お願いしますわ、ミロカロス!」
「行くわよ、ドラピオン!」
テレジアのポケモンはミロカロス、シーアスのポケモンはドラピオン。
「ミロカロス、雨乞い!」
ミロカロスが雨雲を呼び、雨を降らせる。
「それなら、ドラピオン、剣の舞!」
対してドラピオンは両腕の鋏を激しく振るい、攻撃を高める。
まずは互いに準備を整え、
「ミロカロス、ハイドロポンプ!」
「ドラピオン、ぶち壊す!」
ミロカロスが雨で強化された太い水柱を撃ち出すが、ドラピオンは体勢を屈めて頑丈な尻尾を伸ばし、ハイドロポンプを打ち破ると、
「クロスポイズン!」
すぐさま体勢を取り戻し、鋏を交差させて振り抜き、毒を帯びた十字の衝撃波を飛ばす。
衝撃波がミロカロスを切り裂くが、幸い毒状態にはならない。
「ミロカロス、吹雪!」
すぐに体勢を立て直し、荒れ狂う吹雪を放って反撃する。
ドラピオンは最初は踏み止まるが、やがて風に耐え切れず、吹き飛ばされる。
「おーおーすげえな。お前のミロカロス、前からこんなに強かったか?」
「すいませんが、よほどのことが無い限りバトルの途中は口を挟まないでください。集中が切れるので」
後ろから野次を飛ばすリョーマを黙らせ、すぐにテレジアは相手に向き直る。
「ドラピオン、ぶち壊す!」
吹っ飛ばされたドラピオンが起き上がり、体勢を屈めて尻尾を振り回し、勢いをつけてミロカロスへと叩きつける。
「ミロカロス、ハイドロポンプ!」
ミロカロスは大量の水を噴射し、尻尾の勢いを相殺するが、
「もう一回ぶち壊す!」
ドラピオンは尻尾を振り上げ、再び思い切り叩きつける。
今度は直撃。ミロカロスが大きく仰け反る。
「クロスポイズン!」
さらに鋏に毒を纏わせ、交差させて振り抜き、毒を帯びた十字の衝撃波を飛ばす。
「っ、ミロカロス、吹雪!」
ミロカロスは雪を風に乗せた吹雪を放つが、攻撃の上がったドラピオンのクロスポイズンを防ぎ切れず、衝撃波を受けてしまう。
「ぶち壊す!」
ドラピオンが畳み掛ける。
尻尾を振り回し、ミロカロスに向けて思い切り叩きつける。
「よーし、いいわよ! ドラピオン、一気に決めるわよ! クロスポイズン!」
勢いに乗って来たシーアスがさらなる追撃を指示する。
しかし。
肝心のドラピオンが動かない。
両腕をだらりと下げ、ぼーっとした様子でミロカロスを見据えるのみ。
「ど、どうしたの!? ドラピオン、一気に決めるわよ!」
「無駄ですわよ」
対して。
少しほっとしたような様子で、テレジアが口を開く。
「このままだと危ないところでしたが、上手く特性が発動してくれましたわね。このミロカロスの特性はメロメロボディ。触れた相手を一定の確率で、メロメロ状態にしてしまいます」
ドラピオンが動かない隙に、ミロカロスは体勢を立て直す。
「雨が止まないうちに、一気に決めてしまいましょうか。ミロカロス、ハイドロポンプ!」
ミロカロスの口から、雨によって強化された太い水柱が撃ち出される。