二次創作小説(紙ほか)

Re: 第百四十六話 ノーガード ( No.288 )
日時: 2015/01/27 22:41
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: VYLquixn)

「アルデッパ、パワーウィップ!」
アルデッパが両腕から蔓を伸ばし、思い切りマリルリへと叩きつける。
「マリルリ、気合パンチ!」
対するマリルリは拳にありったけの気合を溜める。
鞭のように襲いかかる二本の蔓を躱すと、床を蹴って弾丸のように飛び出し、アルデッパの顎に渾身の拳を叩き込む。
「マリルリ、捨て身タックル!」
マリルリの攻撃はそこで終わらない。
大きく仰け反ったアルデッパに全力の激闘を喰らわせ、アルデッパを吹き飛ばす。
「マリルリ、アクアテール!」
さらにマリルリは尻尾に水を纏い、尻尾を伸ばして思い切り振り下ろす。
「アルデッパ、受け止めますよ! メタルニッパー!」
牙を鋼のように硬化させ、アルデッパは大口を開き、尻尾に噛み付いて受け止める。
「こっちのターンですね。投げ飛ばしてパワーウィップ!」
頭を大きく振るってマリルリを投げ飛ばし、アルデッパは腕から蔓を伸ばしてマリルリに叩きつけ、マリルリを床へと叩き落す。
「パワーウィップは流石に痛いが……マリルリ、気合パンチ!」
マリルリもまだやられない。
体勢を整え、拳に気合を込めて、渾身の力でアルデッパに拳を突き出す。
「アルデッパ、パワーウィップ!」
再びアルデッパは蔓を伸ばし、マリルリの気合パンチを迎え撃つ。
双方の威力は互角。
「マリルリ、アクアテール!」
マリルリが尻尾に水を纏わせ、アルデッパに叩きつける。
「アルデッパ、もう一度捕らえなさい! メタルニッパー!」
マリルリの尻尾を再びアルデッパは牙で受け止める。
ここまでなら先ほどと同じ。しかし、
「今度はこっちの番だ! マリルリ、床に叩きつけて捨て身タックル!」
次の動きはマリルリの方が早かった。
尻尾に手を掛け、マリルリはアルデッパが食いつく尻尾を振り回し、アルデッパごと床へ叩きつける。
アルデッパが牙を離したところにマリルリが全力で激突し、アルデッパを吹っ飛ばした。
「マリルリ、気合パンチだ!」
「そこまでですよ! アルデッパ、ハイドロポンプ!」
拳に気合を溜め、アルデッパへ渾身の拳を繰り出すマリルリに対し、アルデッパはどうにか起き上がり、大量の水を噴き出し、マリルリの勢いを相殺する。
「アルデッパ、反撃ですよ。パワーウィップ!」
アルデッパが両腕から蔓を伸ばし、マリルリに狙いを定め、振り上げる。
しかし、
「マリルリ、草結び!」
突然アルデッパの足元に結ばれた草が出現する。
勢いをつけて蔓を振おうとしたアルデッパは、その草に足を取られ、立て直しきれずに転んでしまう。
「次で決める! マリルリ、気合パンチ!」
マリルリの全力の拳がアルデッパの脳天に直撃する。
アルデッパは吹き飛ばされ、壁に激突し、戦闘不能となった。
「アルデッパ、よく頑張りましたよ。休んでいてください」
アルデッパをボールに戻し、エフィシは最後のボールを取り出す。
「お願いしますよ、グライオン!」
エフィシの最後のポケモンはグライオン。マリルリとの相性は不利だが、エフィシがグライオンを選んだのには理由がある。
「マリルリ相手にグライオン? ……ああ、なるほど。貴様、私の最後のポケモンを知っているな」
ロフトが怪訝な表情を浮かべるが、それはすぐに納得したものへと変わる。
「勝った後の算段とは、随分余裕だな。ここで確実にマリルリを倒せる保証はないぞ」
「そのような大口は、勝ってから叩くものですよ、N・E団」



「カイリキー、ストーンエッジ!」
「ヤミクラゲ、ハイドロポンプ!」
カイリキーが無数の鋭く尖った岩を撃ち出し、対してヤミクラゲは大量の水を噴き出す。
「カイリキー、爆裂パンチ!」
ストーンエッジは相殺されるが、カイリキーはその中を突っ切り、四本の拳を一斉に突き出す。
「ヤミクラゲ、受け止めて! ギガドレイン!」
ヤミクラゲは無数の触手を伸ばし、四本の手に絡みつき、その動きを止める。
それでもカイリキーの持つ怪力は凄まじく、少しづつ拳がヤミクラゲに迫る。
しかし突然ヤミクラゲの触手が淡く発光し、カイリキーの体力を吸い取っていく。
「っ、カイリキー、ストーンエッジ!」
触手に体力を吸われながらも、カイリキーは無数に尖った岩を放つ。
この至近距離で躱す事は出来ず、ヤミクラゲの額に次々と岩が突き刺さる。
その隙にカイリキーは触手を振りほどき、ギガドレインから脱出。
「これがノーガード……正面からのぶつかり合い、私は嫌いじゃないわよ! ヤミクラゲ、ダークリゾルブ!」
ヤミクラゲの体が黒いオーラに包まれ、闇の波動が放たれる。
「カイリキー、突っ切りなさい! 爆裂パンチ!」
躱せない以上、テレジアの考えは一つ。
この闇を突っ切って、拳を本体に叩き込む。
二本の拳で闇の中を強引に駆け抜け、カイリキーは残りの二本の腕を振り上げ、ヤミクラゲに拳を炸裂させる。
爆発と共にヤミクラゲは吹き飛ばされ、爆裂パンチの追加効果によって混乱し、目を回す。
「カイリキー、ストーンエッジ!」
カイリキーが周囲に尖った岩を浮かべ、ヤミクラゲへ一斉に撃ち出す。
「ヤミクラゲ、撃ち落として! ギガドレイン!」
だが混乱状態のヤミクラゲは動けず、ストーンエッジの直撃を喰らってしまう。
「特防の低いカイリキーだと、こっちもそう長くは持ちませんわね。全力で仕留めますわよ。カイリキー、爆裂パンチ!」
四本の腕を構えたカイリキーが、ヤミクラゲとの距離を一気に詰める。
「ヤミクラゲ、今度こそギガドレイン!」
今度は動いた。ヤミクラゲの無数の触手が伸び、カイリキーの腕に絡みつく。
「ストーンエッジ!」
「ハイドロポンプ!」
カイリキーが尖った岩を撃ち出し、ヤミクラゲが大量の水を噴射する。
この距離で激突した双方の技は、相殺されるとともに衝撃を起こし、お互いを吹っ飛ばす。
「カイリキー、爆裂パンチ!」
「ヤミクラゲ、ダークリゾルブ!」
カイリキーが吼え、四本の拳を構え、全力で突撃する。
対するヤミクラゲも闇のオーラに身を纏うと共に、真っ黒な闇の波動を放つ。
闇の波動がカイリキーの体力を蝕むが、それでもカイリキーはその中を突き進む。
四本の爆裂の拳がヤミクラゲを捉え、爆発と共にヤミクラゲを吹き飛ばす。
吹っ飛ばされ、ヤミクラゲは床に落ちる。
赤いコアの光が激しく点滅するが、やがて色あせ、動かなくなって力尽きる。
それを見届けると、カイリキーも膝から崩れ落ち、倒れてしまう。
「ヤミクラゲ、ありがとう。よく頑張ったね」
「カイリキー、お疲れ様でした。休んでいてください」
お互いに、ポケモンをボールに戻す。
倒れたタイミングを見ると、僅かな差でテレジアの勝利だ。
「負けてしまった以上、ここを通すしかないか……」
ヤミクラゲのボールを仕舞うと、シーアスは立ち上がり、
「私に勝ったからって、いい気にならないでよ! ここにはソライト様だけじゃなくて、他にも天将様がたっくさんいるんだから! 覚悟しときなさいよ!」
そう言うが早いか、猛スピードで走り去ってしまう。
「意外と強かったなー、あいつ。お前を相手に、あと一歩のところまで戦うとは」
「単に私のカイリキーの特防が低かっただけですわ。あの程度の相手、どうってことありません」
「どうだか。ところどころ焦ってたの、俺は見逃さなかったぞ?」
「……勝ったんだからいいですわよね。さあ、進みますわよ」
シーアスを撃破し、リョーマとテレジアはさらに奥へと足を進める。


「ふう、何とか一人の戦力は潰したわね」
通路を走りながら、シーアスは独り言を呟く。
「相打ちとはいえ、あの厄介なカイリキーを倒したのは大きいはず。今回の私の仕事はこれで十分果たした! ソライト様、褒めてくださるかなあ!」
通路を疾走し、シーアスは上司ソライトの元へと向かう。



「リーフィア、シザークロス!」
リーフィアがペガーンの周りを駆け回り、背後からペガーンに飛び掛かると同時に前足の葉を伸ばし、ペガーンを切り裂く。
「ペガーン、サイコバーン!」
ペガーンは念力を爆発させ、念力の衝撃波を周囲に飛ばす。
シザークロスを相殺するが、
「はたき落とす!」
リーフィアの攻撃はそこで止まらない。
尻尾を振り下ろして叩きつけ、ペガーンを吹き飛ばす。
「むー……ちょこまかと走り回りやがって。一点狙いの攻撃じゃ、まともに捉えられないな」
現状、リーフィアが押している。
リーフィアのすばしっこい動きに、ペガーンがついていけていないのだ。
「リーフィア、リーフブレード!」
「ペガーン、吹き飛ばせ! 暴風だ!」
リーフィアが額の葉を伸ばすが、ペガーンは激しく羽ばたいて暴風を起こし、リーフィアを吹き飛ばす。
「熱風!」
「リーフィア躱しな! 潜る!」
さらにペガーンが熱風を放つが、リーフィアは硬い金属の床を突き破って地面に潜り、熱風を躱すと、
「シザークロスだ!」
ペガーンの真下から現れ、前足の葉を振るってペガーンを切り裂き、
「リーフブレード!」
さらに額の葉を伸ばして、縦に振り下ろす。
「っ、ペガーン、サイコキネシス!」
「打ち破れ! リーフィア、シザークロス!」
リーフィアが葉を伸ばすと同時、ペガーンが念力を操作し、リーフィアの動きを止める。
だが、リーフィアは前足に最大限の力を込め、念力を強引に打ち砕く。
セイラが次の指示を出すよりも早く、リーフィアは前足の葉を交差させて振り抜き、ペガーンを切り裂く。
立て続けに斬撃を受け、ペガーンはその場に倒れ、戦闘不能となってしまう。
「ペガーン、よく頑張った。休んでいろ」
ペガーンを戻し、セイラは次のボールを取り出す。
「ギャヒャヒャ! タイプ相性に拘りすぎたんじゃねえのか? タイプ相性くらいで、天将四位の俺様をどうこう出来るなんて思うなよ?」
「ふふ、忠告感謝する。それじゃ次はこいつだ、出て来い、ミカルゲ!」
セイラの三番手はミカルゲ。以前戦ったときは、セイラのエースを務めていたが、
「おや? ここで出してくるって事は、他に切り札が出来たみてえだな」
「ふふ、まあな。元々、ミカルゲを純粋なアタッカーとして使うには少々無理があったし」
エースから降格したとはいえ、ミカルゲが弱くなったわけではない。
寧ろ、新しい戦術を見出し、強化されている。
「それじゃあ見せてもらうぜ? リーフィア、リーフブレード!」
リーフィアが額の葉を伸ばし、ミカルゲに切り掛かるが、
「ミカルゲ、影撃ち!」
影を伸ばしたミカルゲがリーフィアの背後に現れ、吹き飛ばす。
「リーフィア、立て直せ! シザークロス!」
「不意打ちだ!」
リーフィアが体勢を立て直し、前足の葉を伸ばすが、動こうとした瞬間に要石に繋がれたミカルゲの体が伸び、リーフィアに襲い掛かる。
「なるほど、速攻アタッカー殺しだな! だったらリーフィア、潜る!」
リーフィアが硬い金属の床に潜り込む。
リーフィアの背後から姿を現し、ミカルゲに攻撃を仕掛けるが、
「ミカルゲ、岩石封じだ!」
リーフィアの足元から岩が現れ、リーフィアの動きを封じてしまう。
「この程度! リーフィア、破壊しろ! リーフブレード!」
リーフィアが額の葉を振り下ろし、岩を両断するが、
「ミカルゲ、影撃ち!」
リーフィアの真ん前にミカルゲが現れ、リーフィアに激突し、吹き飛ばす。
床に叩きつけられ、リーフィアは戦闘不能になる。
「ちっ、リーフィア、よくやった。戻ってな」
残念そうな表情でメジストはリーフィアをボールに戻すが、すぐに凶悪な笑みが戻る。
「厄介な戦術だが、十分勝てるレベルだわ。叩き潰せ、オニゴーリ!」
メジストの三番手はやはりオニゴーリ。鈍足なミカルゲにとって非常に厄介な、絶対零度を持つが、
「まだ使っていないもう一つの技、もちろん道連れだよな」
「ああ。よく分かってるじゃないか」
オニゴーリが絶対零度を撃てば、ミカルゲの道連れによって確実にオニゴーリはやられる。
「まあ構わねえ。実力行使で正面から叩き潰せばいいだけだしなあ!」
「ふふ、果たしてそう上手くいくものかな」
互いに攻撃的な笑みを浮かべ、相手を見据える。