二次創作小説(紙ほか)

Re: 第百四十七話 無感 ( No.289 )
日時: 2015/01/29 17:30
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: phd3C.MK)

「オオイナリ、シャドーボール」
オオイナリが影の弾を浮かべ、次々と撃ち出していく。
「ヘラクロス、ロックブラスト!」
対するヘラクロスは連続で岩を撃ち出し、影の弾を破壊していき、
「メガホーンよお!」
翅を広げて飛び上がり、角を突き出して突貫する。
「止めますかね。オオイナリ、サイコキネシス」
「それなら、ヘラクロス、ぶち壊す!」
オオイナリが強い念力を発生させたのを見て、サクラは指示を変える。
ヘラクロスが乱暴に角を振り上げる。
念力を容易く打ち破り、オオイナリを叩き飛ばした。
「なるほど、急遽悪タイプの技に変えましたか。確かにそれなら、サイコキネシスも怖くないですね」
ならば、とブレイズは続け、
「こちらで攻めていきましょうか。オオイナリ、熱風です」
口を開き、オオイナリは灼熱の息を放つ。
「ヘラクロス、躱してもう一度ぶち壊す!」
ヘラクロスは急上昇して熱風の範囲から逃れ、再び角を振り上げてオオイナリに迫る。
「オオイナリ、躱しなさい」
ヘラクロスが角を振り下ろすが、その瞬間にオオイナリは滑るような動きで横に逸れ、角の一撃を躱し、
「サイコキネシスです」
強い念力を発し、ヘラクロスの動きを操り、壁へと投げ飛ばす。
「さらに行きますよ。熱風です」
壁に叩きつけられたヘラクロスを狙い、さらにオオイナリは灼熱の息を吐く。
「ヘラクロス、躱すわよお! ロックブラスト!」
ヘラクロスは翅を開き、どうにか熱風を躱すと、無数の岩を連続で放つ。
「オオイナリ、シャドーボール」
影の弾を撃ち出し、オオイナリは岩を次々と破壊していく。
「ヘラクロス、もう一度ロックブラスト!」
今度はヘラクロスは無数の岩を周りに浮かべ、全て一斉に放つ。
「無駄ですね。オオイナリ、サイコキネシス」
オオイナリは強い念力を操作し、簡単に岩を全て止めてしまう。
だが、
「ヘラクロス、メガホーン!」
突如岩が粉々に破壊され、その後ろから角を突き出したヘラクロスが最高速度で突っ込み、オオイナリに激突、大きく吹き飛ばす。
「決まったあ! まだまだ行くわよお、ヘラクロス、ぶち壊す!」
「っ! オオイナリ、立て直しなさい。熱風です」
角を振り上げて迫り来るヘラクロスへ、オオイナリは起き上がると咄嗟に熱風を放つ。
押し返すまではいかないが、ヘラクロスの勢いを止める。
「ヘラクロス、メガホーン!」
ヘラクロスは体勢を整え、角を突き出して翅を広げ突撃する。
対して、
「オオイナリ、サイコキネシス」
オオイナリが強い念力を発し、念力の波を飛ばす。
ヘラクロスと競り合うものの、やがて押し勝ち、念力の波がヘラクロスを吹き飛ばす。
「熱風です」
床を滑るように駆け抜け、オオイナリは一気にヘラクロスとの距離を詰め、灼熱の息を吹く。
避けきれずにヘラクロスは熱風を喰らってしまう。
瞑想によって強化された効果抜群の攻撃をこれ以上耐えることは出来ず、ヘラクロスはついに床に倒れ、戦闘不能となる。
「ヘラクロス、お疲れ様。相性の悪い相手に、よく頑張ったわあ」
ヘラクロスを労い、ボールに戻し、サクラは最後のボールを取り出す。
「やっぱり貴方しかいないわよねえ。頼んだわよお、カビゴン!」
サクラの最後のポケモンは、やはりエースのカビゴン。
「さて、そのカビゴンが厄介なのですが……どう対処しますかねえ」
「対処なんて出来ないんじゃないかしらあ? ガーネットちゃんよりも弱い貴方じゃねえ」
「ふっ、それで挑発のつもりですか? もう少しまともな発言をしてくるかと思っていましたがね」
サクラの挑発を軽くいなし、ブレイズはサクラとカビゴンを見据える。



「ポリゴンZ、磁力線!」
「ブラッキー、サイコキネシス」
ポリゴンZの放つ磁力の波と、ブラッキーが放つ念力がぶつかり合うが、チャージビームで上がったポリゴンZの特攻によって念力が打ち破られる。
「ポリゴンZ、チャージビーム!」
さらにポリゴンZが電撃の光線を放ち、特攻をどんどん上げていく。
「バークアウトが追いつかない……ブラッキー、イカサマ」
ブラッキーがポリゴンZの攻撃力を利用し、ポリゴンZに突進するが、
「ポリゴンZ、躱して磁力線!」
イカサマが命中する寸前にポリゴンZはブラッキーの一撃を躱し、磁力を歪ませて波を放つ。
「っ、ブラッキー、守る」
ブラッキーは守りの結界を張り、磁力の波を完全防御するが、
「それを待っとった! ポリゴンZ、破壊光線!」
結界が消えた瞬間を狙い、ポリゴンが黒い火花を散らす赤黒い極太の破壊の光線を撃ち出す。
ブラッキーに直撃し、その瞬間に爆発を起こし、ブラッキーは吹き飛ばされて壁に激突、壁にヒビを入れ、戦闘不能になった。
「やっぱりダメか。ブラッキー、よく頑張ったわ。休んでいなさい」
ブラッキーを戻し、ラピスは次のボールを手に取る。
「神秘のひと時を、プラネム」
ラピスの三番手はプラネム。ポリゴンZの必殺技、破壊光線を半減出来る。
「それじゃあまずは、プラネム、黒い霧」
プラネムの体から、真っ黒な霧が放出される。
霧はプラネムとポリゴンZを包み込み、能力変化を元に戻してしまう。
「う……そう言えば、そんな技覚えとったなあ」
「そうよ。能力変化を駆使して戦うポケモンでは私に勝てないって、前バトルで教えなかった?」
前回戦ったときはマゼンタはラピスに勝っているのだが、それは外部からの干渉にラピスが気を取られた隙を突いてのもの。
確かにそれがなければ、マゼンタは負けていたかもしれない。
「まあ別に構わへんよ。このポリゴンZの特攻は、元々十分高いし」
「へえ。プラネム、スターフリーズ」
プラネムが冷気を凝縮し、巨大な星型の氷塊を放つ。
「ポリゴンZ、磁力線!」
対してポリゴンZは周囲の磁場を歪ませて磁力の波を放ち、氷塊を相殺する。
「プラネム、ストーンエッジ」
プラネムが周囲に尖った岩を浮かべ、一斉に撃ち出す。
「ポリゴンZ、サイコキネシス!」
ポリゴンZが強い念力を操り、念力の壁を作り上げる。
しかしストーンエッジの威力が、マゼンタが思ったより高い。
いくつかが念力の壁に突き刺さり、やがて念力の壁を砕き、残った岩が次々とポリゴンZに突き刺さる。
「予想以上の攻撃力やね……ポリゴンZのサイコキネシスを破るなんて」
「馬鹿にしないでもらえるかしら? 覚醒すれば私は第三位よ。ソライトよりもメジストよりも強いのよ、私は。あの忌々しい副統率には負けたけど、普通のトレーナーくらいになら負けないわよ」
そう言い放つラピスの冷たい瞳からは、どのような感情も感じない。
「続けるわよ。プラネム、スターフリーズ」
プラネムが冷気を凝縮させ、星型の巨大な氷塊を撃ち出す。
「ポリゴンZ、磁力線!」
ポリゴンZは周囲の磁場を歪ませて磁力の波を放ち、氷塊を破壊するが、
「もう一度よ」
間髪入れずに、氷塊が飛んで来る。
躱すだけの余裕はなく、ポリゴンZは氷塊の直撃を喰らって吹き飛ばされる。
二発目の氷塊は少し小さいものだったが、それでも威力は高い。
(強い……元々の火力でこっちがプラネムに負けとるし、高火力の技を難なく連続で放つ。やっぱ、楽に勝てる相手ちゃうね)
冷たい瞳が放つ暗い光に飲み込まれるような感覚を、マゼンタは感じていた。



「このサンダースにはこいつしかいないな。任せたぞ、ディザソル」
レオの二番手はディザソル。サンダースのスピードに対応出来るのは、ディザソルしかいない。
「ディザソルですか。破格の攻撃力に加えて侮れないスピードを併せ持つポケモンですが……サンダース、ミサイル針」
サンダースが全身の体毛を逆立て、尖った針を無数のミサイルのように飛ばす。
「ディザソル、撃ち落とせ! 火炎放射!」
ディザソルは灼熱の業火を噴き出し、ミサイル針を全て撃ち落とすと、
「辻斬りだ!」
一瞬でサンダースとの距離を詰め、額の双刃を振りかざす。
「サンダース、躱しなさい。次は十万ボルトで行ってみますか」
ディザソルの鎌を躱したサンダースの姿が消える。
風を切る音がディザソルの周りで響く。
「見せてやる! ディザソル、神速だ!」
しかし、対策は出来ている。
サンダースの動きを見切って、コンマ数秒の隙を突き、ディザソルがサンダースのその動きをさらに上回るスピードで突撃し、サンダースを突き飛ばす。
「ディザソル、辻斬り!」
吹っ飛ぶサンダースに一気に迫り、ディザソルは額の鎌を振るい、サンダースを瞬時に二度切り裂く。
狙い澄ました二連の斬撃を受け、サンダースはついに戦闘不能となる。
「……! サンダース、ご苦労様でした。戻ってお休みなさい」
驚いたような表情を浮かべるが、すぐにオパールはサンダースをボールに戻す。
「よくサンダースの動きを見切りましたね。ここまで早く攻略されたのは、我が主に次いで二度目でしょうか」
「そもそも、あんたと戦ったことのある人自体少ないんじゃないのか?」
「そうですね。七天将及び主以外では、貴方が初めてです」
「……マジかよ」
ここまで頑なに正体を隠すリーダーの存在、さらに組織の目的も未だ分からない。
そもそもN・E団とは何なのかも分かっていないし、謎は深まるばかりだ。
「なあ。そもそもN・E団ってのは、一体何なんだ? 全く組織の全貌が掴めないんだが」
内心無駄だと分かりつつ、それでもレオは聞いてみる。
「……? N・E団、ですか? 残念ですが、私の口から申し上げられることはありません。どうかお許しください」
やはりというか、オパールの返答はレオの思っていた通りだった。
しかし、オパールの今の反応に、レオはどこか違和感を感じる。
「さあ、バトルを続けますよ。私の次なるポケモンの登場です」
違和感の正体を掴めないレオだったが、今はバトルの途中。オパールの言葉で気持ちを切り替える。
「カバルドン、次は貴方です」
オパールの二番手は、黒い大きなカバのようなポケモン。
口が非常に大きく、巨大な歯を持ち、顎の力が非常に強い。瞳は赤く、背中にはいくつかの穴があり、所々から砂が漏れている。
カバルドン、重量ポケモン。地面タイプだ。
場に出たと同時に、カバルドンは背中の穴から砂を大量に吹き上げ、砂嵐を起こす。
特性、砂起こし。登場するだけで天気を砂嵐にしてしまう特性だ。
「スピードタイプの次は、重火力タイプか。どっちにしても、強そうだな」
「カバルドン、準備はいいですね。それでは、第二戦開始と行きましょうか」
「上等だ! 行くぞ、ディザソル!」
カバルドンが赤い瞳をギョロリと動かし、ディザソルの姿を捉える。
ディザソルは僅かに顎を引き、カバルドンを睨む。