二次創作小説(紙ほか)

Re: 第百四十八話 剣舞 ( No.290 )
日時: 2015/02/14 20:59
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: p3cEqORI)

「テイルーン、行って来い」
ジンの最後のポケモン、テイルーンがボールから出て来る。
「さっさと倒して、ゲームセットよ! ユニサス、メタルブラスト!」
ユニサスが鋼エネルギーを溜め込み、砲撃を放つが、
「テイルーン、影撃ち」
テイルーンが瞬時にユニサスの背後まで影を伸ばし、自らの影に潜ってユニサスの背後から現れ、ユニサスを蹴り飛ばす。
「ユニサス、ハイドロポンプ!」
角の先から、ユニサスは大量の水を撃ち出す。
「テイルーン、躱して十万ボルト」
しかしテイルーンは身軽な動きで水柱を躱し、背中の雲から高電圧の電撃を放つ。
「ちょこまかと……ユニサス、もう一度メタルブラスト!」
「テイルーン、ブレイブバード」
ユニサスが鋼エネルギーを溜め込む。
それと同時に、テイルーンが雲を鳥の形に変え、青い炎のオーラを纏うとともに全力で突貫する。
猛スピードの突貫は、砲撃が放たれるよりも早くユニサスに激突し、吹っ飛ばした。
吹き飛ばされたユニサスは床に落ち、倒れて戦闘不能となる。
「ありがとう、ユニサス。休んでなさい」
ユニサスをボールに戻し、アスカはボールに手をかける。
(ゴウカザルは言うまでもなく相性が悪すぎる。そもそもゴースト・飛行タイプとなれば、この子しかいないわよね)
アスカが選んだ最後のポケモンは、
「行って来なさい、マニューラ!」
悪・氷タイプのマニューラ。非常に相性がよく、テイルーンのスピードにも対応出来る素早さも持つ。
「なるほど、マニューラか。少しはまともな選出も出来るのか」
「少しかしらね? タイプ上で非常に有利、さらにそのテイルーンの最大の長所であるスピードについていける。最高の選出だと思うんだけど」
「そういう見方に捕らわれている時点で、お前はその程度だ」
「へえ、いいこと言うじゃない。そろそろ始めるわよ、マニューラ、氷柱落とし!」
マニューラがテイルーンの頭上に冷気を放つ。
冷気は急速に凝縮され、無数の氷柱となって降り注ぐ。
「テイルーン、十万ボルト」
スピードを生かして、テイルーンは氷柱の間を次々と潜り抜け、高電圧の強力な電撃を放つ。
「マニューラ、躱して辻斬り!」
十万ボルトを避けると、マニューラは爪を構え、一瞬でテイルーンのすぐ横まで走り抜け、すれ違いざまに鉤爪を振るう。
咄嗟に離れるテイルーンだが、爪が体を掠めた。
「サイコパンチ!」
「影撃ちだ」
さらにマニューラは念力纏った手を突き出し、拳の形をした念力を飛ばす。
対してテイルーンは自らの影を伸ばすとともにそれに潜って念力を躱し、瞬時にマニューラの背後に現れ、マニューラを蹴り飛ばす。
「テイルーン、ブレイブバード」
間髪入れずに、テイルーンを覆う雲が鳥の形へ変化し、テイルーンは青い炎のオーラを纏い、一直線に突貫する。
しかし、
「マニューラ、躱しなさい!」
猛スピードの突撃をマニューラは素早く躱し、爪を構え、飛んでいったテイルーンを追う。
「輝天将のポケモンに比べれば、それくらいのスピードなんて全然遅いわよ! マニューラ、辻斬り!」
テイルーンのすぐ背後に迫ったマニューラが、鉤爪を振り抜き、テイルーンを切り裂く。
効果抜群の斬撃を受け、テイルーンの体が空中でふらつく。
「一気に行くわよ! マニューラ、氷柱落とし!」
マニューラが上空に冷気を放つ。
漂う冷気は急速に凝固し氷柱となり、テイルーンへ一斉に降り注ぐ。



「グライオン、剣の舞!」
手始めにグライオンは激しく舞い、攻撃力を高める。
「マリルリ、アクアテールだ!」
マリルリは水を纏わせた尻尾を振り回し、叩きつけるが、
「グライオン、アクロバット!」
軽快な動きでグライオンはアクアテールを躱すと同時にマリルリの背後に回り込み、鋏を振るってマリルリを叩き飛ばす。
「マリルリ、捨て身タックル!」
守りを捨て、マリルリは全力の突撃を仕掛ける。
「グライオン、受け止めなさい!」
対してグライオンは鋏を大きく開き、正面からマリルリと対峙する。
マリルリが激突し、それをグライオンが両手の鋏で食い止める。
そして、
「よくやりました! グライオン、スカイアッパー!」
どうにかマリルリの勢いを止め、鋏で動きを封じたグライオンは、マリルリを頭上に投げ飛ばし、右の鋏で天高くアッパーを撃ち出し、マリルリを吹き飛ばす。
天井に激突したマリルリは反動で床にも叩きつけられ、戦闘不能となった。
「マリルリ、よくやった。戻って休んでいろ」
マリルリをボールに戻すと、ロフトは最後のボールを手に取る。
「さあ、最後のポケモンだ。貴様は私がここで止める。これ以上先には通さない! 行け、エルレイド!」
ロフトの最後のポケモンはエルレイド。先ほど言っていたように、グライオンに対してタイプ相性は悪い。
「やはり情報通りのエルレイドでしたか。『ブロック』の名にかけて、私が全力で打ち倒してやりますよ。グライオン、アクロバット!」
グライオンは軽快な動きで、一瞬のうちにエルレイドとの距離を詰めるが、
「エルレイド、弾いて剣の舞!」
右肘の刃を伸ばし、エルレイドはグライオンの鋏を捌く。
直後素早く後ろへと下がり、グライオンと同じように激しく舞い、攻撃力を高める。
「これで能力の差は解消された。エルレイド、サイコカッター!」
肘の刃に念力を纏い、エルレイドは両腕を交差させて振り抜き、念力の双刃を飛ばす。
「グライオン、スカイアッパー!」
両手の鋏を振り上げ、グライオンは刃を破壊すると、
「地震です!」
尻尾を床に叩きつけ、地面を揺らして衝撃波を飛ばす。
「エルレイド、リーフブレード!」
前方に大きく跳び、エルレイドは地震を躱しつつグライオンとの距離を一気に詰め、淡い光を放つ両腕の刃を振りかざす。
「グライオン、スカイアッパー!」
グライオンも両腕を突き出し、エルレイドの刃に応戦する。
「サイコカッター!」
「アクロバット!」
念力を纏ったエルレイドの刃がグライオンを掠めるが、次の瞬間にグライオンはエルレイドの後ろまで回り、エルレイドを叩き飛ばす。
「っ、流石は『ブロック』一統括、なかなかやるな。しかし勝負はここから、勝つのは私だ!」
「相手がN・E団である時点で、私は常に本気です。付け入る油断など見せません、確実に倒します」
ロフトとエフィシ、双方の戦意が、激しく火花を散らす。



「行くぜ、ジバコイル!」
「我が名誉にかけて、ロズレイド!」
ホロの次のポケモンはジバコイル、ガーネットのポケモンはロズレイド。
「あら? ムクホークじゃないのね。それはそうよね、流石に対策されてることくらいは分かってるみたいね」
「そりゃそうだ。天将ほどの相手に、一度使った戦法は通用しないだろ」
「よく分かってるじゃないの。じゃあ行くわよ、ロズレイド、シャドーボール!」
両手の花束に力を集め、ロズレイドは黒い影の弾を放つ。
「ジバコイル、一発耐えて帯電だ!」
二発のシャドーボールをその場で踏み止まって耐え、ジバコイルはユニットを激しく回転させ、体に電気を溜め込んで攻撃と特攻を上げる。
「よし、反撃だぜ! ジバコイル、エレキネット!」
ユニットを回転させ、ジバコイルはクモの巣のような形の電撃を放つ。
「ロズレイド、ヘドロ爆弾!」
対してロズレイドは右手の花束から無数のヘドロの塊を撃ち出しネットを破壊、さらに、
「ギガドレイン!」
ジバコイルに近づくと共に花束から棘だらけの鞭を伸ばし、ジバコイルに絡みつかせる。
鞭が淡く発光し、ジバコイルの体力を吸い取っていく。
しかし、
「チャンスだ! ジバコイル、エレキネット!」
赤い目を点滅させてジバコイルは電撃の網を放つ。
ユニットが封じられているため磁力による強化が出来ないのか、先ほどのものより小さいが、鞭をジバコイルに絡みつかせているこの状態では、ロズレイドも回避が出来ない。
電撃の網がロズレイドを覆い、その動きを封じると同時に、電気を流し込む。
「今だぜ! ジバコイル、ジオインパクト!」
ジバコイルの体が激しい銀の光を纏う。
左右のユニットを地面に突き立て、ジバコイルは二対の銀に輝く鋼の衝撃波を放つ。
直進する衝撃波がエレキネットを振りほどいたロズレイドを捉え、吹き飛ばした。
「よぉし! 決まった!」
ガッツポーズを決め、ホロが笑みを浮かべる。
「くっ、やってくれるわね! ロズレイド、立ちなさい。まだ終わらないわよ」
大ダメージを受けたロズレイドが立ち上がる。
確かに強力な一撃だったが、相手は覚醒した天将のポケモン。そう簡単には勝たせてくれない。
「好き勝手やってくれた分を返させてもらおうかしら! ロズレイド、シャドーボール!」
ロズレイドが花束に力を込め、横へ跳ぶ。
ダンサーのような緩急を付けた華麗なステップで、ロズレイドはジバコイルの周囲を駆け回り、連続で影の弾を放つ。
「動きが読めない……こういう時は、ジバコイル、ジオインパクト!」
ジバコイルの体が銀色に輝く。
ユニットを真下に叩きつけ、ジバコイルは周囲に衝撃波を放ち、影の弾をまとめて打ち消し、さらにロズレイドを狙うが、
「無駄よ」
既に周囲にロズレイドはいない。
ホロが素早く辺りを見回すと、ロズレイドはジバコイルの真上まで跳んでいた。
「そこだな! ジバコイル、エレキネット!」
ジバコイルが真上に電撃の網を放つ。
軽やかな動きを得意とするロズレイドでも、空中にいれば自由には動けない。
だが。

「ロズレイド、ダークリゾルブ!」

刹那、ロズレイドが闇のオーラに覆われる。
その闇のオーラを、ロズレイドは真下へと撃ち出す。
放たれた真っ黒な闇の波動が、エレキネットを難なく破壊し、さらにジバコイルを容易く呑み込んだ。