二次創作小説(紙ほか)
- Re: 第百四十九話 冷気 ( No.291 )
- 日時: 2015/02/13 13:08
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: p3cEqORI)
「まずは場作りだな。オニゴーリ、絶対零度!」
オニゴーリが凍てつくような冷気を大量に溜め込み、絶対零度の氷の砲弾を放つ。
セイラが僅かに目を細めるが、その標的はミカルゲではない。
天井に向けて撃ち出されたその砲弾は、着弾すると同時に天井のみならず、壁、そして床まで一帯を凍りつかせ、さらに周囲の温度をがくんと下げる。
「さて、準備は整った。それじゃあ行くぜ! オニゴーリ、氷柱落とし!」
「ふっ、ミカルゲ、不意打ちだ」
オニゴーリが冷気を打ち上げるその瞬間を狙い、ミカルゲが瞬時に体を伸ばし、オニゴーリに襲い掛かる。
だが、ミカルゲの一撃を受けてもオニゴーリは全く動じない。
少し表情を強張らせるが、そのまま冷気をミカルゲの頭上に打ち上げる。
冷気は凝固して大きな氷柱となり、ミカルゲ目掛けて降り注ぐ。
「ミカルゲ、岩石封じ!」
岩を自身の周りから隆起させ、身を守ろうとするミカルゲだが、氷柱が普通のものよりも相当大きく、岩が突き破られ、ミカルゲにも氷柱が突き刺さる。
「なるほど、絶対零度はこのためか。ミカルゲは浮遊できるし、こっちに影響はないが」
ミカルゲに不利な点はなくても、オニゴーリにとって大変有利になれば、相対的にミカルゲは不利だ。
「おまけに不意打ちでも怯まない、と。むぅ、これは少々苦しい展開か?」
「まあな。このオニゴーリは、ちょっとやそっとじゃ怯まねえぜ。オニゴーリ、ダイヤブラスト!」
オニゴーリが周囲を爆発させ、青白く煌めく爆風を起こす。
「ミカルゲ、影撃ち!」
対して、ミカルゲは影に潜り込んで爆風を躱し、オニゴーリの背後に現れ、
「岩石封じ!」
岩を飛ばし、さらにオニゴーリの真下から岩を隆起させ、その動きを封じてしまう。
「ミカルゲ、影撃ちだ!」
「こんな小細工効かねえっつの。オニゴーリ、氷柱落とし!」
オニゴーリが岩から脱出する瞬間を狙い、ミカルゲは影に潜り込む。
だが、岩の隙間からオニゴーリは冷気を頭上に放ち、いくつもの巨大な氷柱を落とす。
氷柱の弾幕により、ミカルゲの襲撃を防ぎつつ、自身を覆う岩を粉砕する。
床、そして自身にも氷柱が刺さるが、オニゴーリは気にも留めない
「これじゃ攻撃は無理か。ミカルゲ、一旦退け」
影撃ちを諦め、ミカルゲは元の位置に戻ってくる。
「オニゴーリ、噛み砕く!」
オニゴーリは大きく口を開く。
目の前にいくつも並んだ氷柱を容易く噛み砕いて前進し、オニゴーリは一直線にミカルゲに迫る。
「ミカルゲ、不意打ち!」
一瞬の隙を突き、ミカルゲはオニゴーリの背後まで瞬時に回るが、
「吹き飛ばせ! オニゴーリ、ダイヤブラスト!」
襲撃を受けたオニゴーリの動きは止まらなかった。
急停止して周囲を爆破し、煌めく爆風を放ってミカルゲを吹っ飛ばす。
「ギャハハハ! オニゴーリ、もう一度噛み砕く!」
口を大きく開き、並ぶ無数の歯を剥き出して、オニゴーリは吹き飛ぶミカルゲを追う。
「オオイナリ、熱風です」
オオイナリは灼熱の息を放つが、
「カビゴン、スプラッシュ!」
カビゴンはその熱風の中を難なく突き進み、右腕に水を纏わせ、水飛沫を散らしながらオオイナリへ腕を叩きつける。
「あたしのカビゴンの特性は厚い脂肪よお? そんなちゃっちい炎技なんて効かないわあ。カビゴン、ぶち壊す!」
カビゴンはさらに右腕を振り回し、大きく体勢を崩していたオオイナリに叩きつけ、オオイナリを戦闘不能にする。
「オオイナリ、よくやりました。休んでいてください」
オオイナリをボールに戻し、特に何も語ることなく、ブレイズは最後のボールを手に取る。
「魅惑せよ、ミロカロス!」
ブレイズの三番手は、切り札のミロカロスだ。
「へーえ、なかなか育てられてるポケモンじゃないの? カビゴンに勝てるかどうかは別としてだけどお」
「さて、どうでしょうかね。私としては、貴方だけには負けたくないところですが」
「残念だけど、勝っちゃうわよお? カビゴン、ギガスパーク!」
カビゴンが両手を構え、バチバチと破裂音を立てる巨大な電撃の砲弾を撃ち出す。
「ミロカロス、ドラゴンテールです」
対するミロカロスの尻尾が青い光を放つ。
その尻尾を思い切り振るい、カビゴンへギガスパークを打ち返す。
「……! カビゴン、ぶち壊す!」
右腕を振り下ろし、カビゴンは電撃の砲弾を破壊するが、
「ミロカロス、ハイドロポンプ」
ミロカロスの放つ大量の水が、カビゴンの顔面に直撃した。
「私のミロカロスに、飛び道具は効きません。ドラゴンテールで跳ね返せてしまいますのでね」
「にゃるほど。それじゃあ体勢を崩してから撃ち込めばいいわけねえ?」
「そう簡単にはさせませんがね。ミロカロス、ハイドロポンプ」
再びミロカロスが大量の水を噴射する。
「カビゴン、スプラッシュ!」
カビゴンは右腕に水を纏わせて拳を突き出し、水柱を迎え撃つ。
「ダイヤブラストです」
ミロカロスの鱗が光を放ち、直後周囲が青白く煌めく爆発を起こす。
カビゴンは爆発に押し戻されるが、何とか踏み止まる。
「カビゴン、ぶち壊す!」
体勢を整えたカビゴンが、右腕を振り回しながらミロカロスに迫る。
「ミロカロス、ドラゴンテール」
対するミロカロスは光らせた尻尾を横薙ぎに振り払う。
双方の一撃が激しく競り合うが、
「ギガスパーク!」
カビゴンの左手に、電撃の砲弾が作り出される。
「っ! ミロカロス、躱しなさい!」
素早く尻尾を引き、長い体を捻って、どうにかミロカロスは電撃の砲弾を回避する。
「危ないところでした。流石に私のミロカロスといえど、それを受ければひとたまりもありませんからね」
「奇襲性はあったと思ったんだけどねえ。なかなかやるじゃないのお」
互いに薄ら笑いを浮かべ、双方を見据えるブレイズとサクラ。
「プラネム、スターフリーズ」
「ポリゴンZ、サイコキネシス!」
プラネムが巨大な星型の氷塊を放ち、対するポリゴンZは強い念力を操る。
氷塊に念力を掛けて跳ね返そうとするが、念力が打ち破られ、氷塊がポリゴンZに激突する。
現在、ラピスの方が優勢。
理由は単純。プラネムの方がポリゴンZより火力が高いからだ。
加えて、ポリゴンZの要とも言えるチャージビームは黒い霧に無効化されてしまう。
「ポリゴンZ、磁力線!」
体勢を立て直し、ポリゴンZは周囲に電気を放って磁場を歪ませ、磁力の波を飛ばす。
「プラネム、ストーンエッジ!」
プラネムは周囲に尖った岩を浮かべ、一斉に撃ち出す。
技の相性もあり、これは岩が打ち破られ、プラネムは磁力線を浴びる。
「ポリゴンZ、サイコキネシス!」
さらにポリゴンZは強い念力を操り、念力を一点に集めて念の弾を放つ。
「プラネム、スターフリーズ」
しかしプラネムの放つ星型の巨大な氷塊の前に防がれてしまう。
「っ、ポリゴンZ、磁力線!」
ポリゴンZは磁力の波を放ち、氷塊をどうにか粉砕するが、
「プラネム、熱風よ」
砕けた氷の奥から灼熱の風が吹き、ポリゴンZの体を焦がす。
「そろそろ止めを刺そうかしらね。プラネム、ストーンエッジ」
プラネムが周囲に尖った岩を浮かべ、一斉に撃ち出す。
「ポリゴンZ、磁力線!」
ポリゴンZが磁場を歪ませて磁力線を放ち、岩を破壊し、
「破壊光線!」
エネルギーを凝縮させ、赤黒い火花を散らす極太の破壊光線を放つ。
光線はプラネムの中央、顔面に直撃し、爆発が起きる。
しかし、
「プラネム、スターフリーズ」
ポリゴンZの最大の一撃も、プラネムは耐えてみせる。
ポリゴンZの真上から巨大な星型の氷塊を放ち、反動で動けないポリゴンZをその場に押し潰した。
「……うう、ポリゴンZ、おおきに。ゆっくりしといてな」
プラネムをボールに戻し、マゼンタは考える。
(残り体力が半分しかないポコキングを出しても、多分勝てへん。苦しい展開やけどしゃあない、フローリアを出していかなあかんな……)
「ほな、フローリア、頼んだで」
マゼンタの次なるポケモンは、切り札となるフローリア。
「やっぱりフローリアで来たわね。その様子だと、割と追い詰められてる、って感じかしら」
「さあ、どうやろね。少なくとも、うちはまだまだここからやと思っとるよ」
「ふうん。じゃあすぐにでも終わらせてあげるわ。プラネム、ストーンエッジ」
「簡単にはさせへんで。フローリア、アイスバーン!」
プラネムが無数の尖った岩を浮かべ、一斉に撃ち出すが、対するフローリアは周囲に冷気の衝撃波を撃ち出し、襲い来る岩を全て凍結させてしまう。
「それならプラネム、熱風」
ストーンエッジを破られたプラネムが、すぐさま灼熱の風を放つ。
「フローリア、ハイドロポンプ!」
しかし、その熱風もフローリアが放つ大量の水を打ち破ることが出来ない。
「……ポリゴンZより特攻が高いのね、ちょっと想定外だわ。これ、プラネムで決め切れるかしら?」
「出来るわけあらへんやろ? フローリア、気合玉!」
両手を構えて気を一点に集め、フローリアは気合の波動の弾を撃ち出す。
「プラネム、スターフリーズ」
対するプラネムも巨大な星型の氷塊を放つ。
氷塊が砕け散るが、同時に気合玉も打ち消される。
「フローリア、アイスバーン!」
砕けた氷の破片の中を駆け抜け、フローリアは一気にプラネムまで近づき、氷の衝撃波を放つ。
「っ、プラネム、熱風よ」
咄嗟に熱風を放とうとするプラネムだが、襲い来る衝撃波に間に合わない。
体の半分を凍りつかされ、吹き飛ばされてしまう。
「気合玉!」
吹き飛ぶプラネムに向けて、フローリアは両手から気合を溜め込んだ波動の弾を放つ。
気合玉は吸い込まれるようにプラネムへと飛び、その岩肌に直撃した。