二次創作小説(紙ほか)

Re: 第百五十五話 突貫 ( No.299 )
日時: 2015/04/11 10:59
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: VYLquixn)

「ライチュウ、まずは光の壁!」
ライチュウが周囲に光り輝く透明な壁を作り上げる。
これで、バジリールからの特殊技のダメージは全て半減される。
「なるほど、光の壁か。厄介な技だが、構わずぶち抜いてやるぜ。バジリール、大成長!」
バジリールの足元から無数の太い蔦が飛び出し、一斉にライチュウへ襲い掛かる。
「ライチュウ、躱してアイアンテール!」
素早く飛び退き、ライチュウは初撃を躱す。
間髪入れずに第二波が迫り来るが、ライチュウはその蔦すら足場に利用し、一気にバジリールとの距離を詰め、鋼の如く硬化させた長い尻尾を振り下ろす。
「ちぃっ、バジリール、シグナルビーム!」
アイアンテールの直撃を受けたバジリールだが、すぐに反撃に出る。
激しく光を放つ光線が、ライチュウを捉える。
「効かんわ! ライチュウ、ボルテッカー!」
爆発的な電撃を纏い、ライチュウは突貫する。
「バジリール、大成長!」
バジリールは足元から大量の蔦を放ち、無数の鈍器を振るうようにライチュウへ叩きつける。
光の壁で威力を削いだと言えど、その威力は凄まじい。
それでもライチュウのボルテッカーは止まることなく突き進み、バジリールに激突する。
「負けんな! バジリール、サイコバーン!」
ボルテッカーに押し戻されるが、何とかバジリールは踏み止まり、溜め込んだ念力を爆発させて衝撃波を放ち、逆にライチュウを吹き飛ばす。
「シグナルビームだ!」
尻尾のイルミネーションを点滅させ、バジリールは宙に舞うライチュウを捉え、激しく光る光線を放つ。
「ライチュウ、瓦割り!」
空中で体勢を整え、ライチュウは手刀を振り下ろし、シグナルビームを打ち消し、
「ボルテッカー!」
青白く輝く爆発的な電撃を纏い、周囲に放電しながら突撃、バジリールに回避の隙すら与えず、今度こそ大きく吹き飛ばした。
「なんつー威力だ……! バジリール、十万ボルト!」
「突き進め! ライチュウ、瓦割り!」
起き上がったバジリールが尻尾を激しく光らせ、高電圧の強烈な電撃を撃ち出す。
だがライチュウはその電撃の中に自ら飛び込む。
手刀を振るい、電撃の中へ切り込み、一気にバジリール目掛けて突き進み、
「アイアンテール!」
鋼の如く硬化させた尻尾を振り下ろし、バジリールの脳天に叩きつける。
「ムカついた、やられっぱなしは性に合わねえ! バジリール、大成長!」
ライチュウの足元から二本の蔦が飛び出し、ライチュウを打ち上げる。
刹那。
間髪入れずに、蔦を十本ほど固めたような巨大な二本の蔦がライチュウの左右から飛び出す。
巨大な蔦が、力尽くでライチュウを押し潰しに来る。
「ライチュウ、光の壁!」
ライチュウが両腕を開き、掌から光の壁を放つ。
腕から嫌な音が響くが、それでもライチュウは何とか蔦を退ける。
だが、
「バジリール、シグナルビーム!」
バジリールがすぐさま次の一手に出る。
尻尾から激しい光を放つ光線を撃ち出し、ライチュウに次なる一手を放つ。
対して、
「舐めんな! ライチュウ、ボルテッカー!」
ライチュウのとった行動はシンプルだった。
光り輝く爆発的な電撃を纏い、正面から突撃する。
シグナルビームを容易く粉砕し、そのままバジリールに激突、再びバジリールを吹き飛ばした。
「っああ、くそっ! バジリール、十万ボルト!」
「ここがテメェの限界だ! そろそろ観念するんだな! ライチュウ、アイアンテール!」
憤怒の形相を浮かべてセドニーが吼え、バジリールが強烈な高電圧の電撃を放つ。
対するライロウは勝ち誇った笑みを浮かべ、ライチュウがそれに続いて鋼の如く硬化させた尻尾を振り下ろし、電撃の中を突き進む。



緋天を司る者は、初っ端から容赦しない。
「フィニクス、龍星群!」
フィニクスが頭上に龍のエネルギーを凝縮した波動を打ち上げる。
エネルギー弾は上空で炸裂し、数多の流星となって降り注ぐ。
「ムクホーク、躱してブレイブバード!」
ムクホークが甲高く啼き、勇気の炎のオーラを纏う。
恐るべき飛行性能で流星を全て潜り抜けると、一直線にフィニクスへ突貫する。
「……! フィニクス、大文字!」
フィニクスが灼熱の炎を吹き出そうとするが、それよりも早くムクホークの一撃がフィニクスを捉える。
「吹っ飛びなさい! フィニクス、ドラゴンビート!」
ブレイブバードを受けたフィニクスの眼球が動き、ムクホークを見返す。
龍の心臓の鼓動のような音波を放ち、フィニクスを吹き飛ばすと、
「エナジーボール!」
命の力を集めた、自然の波動を発射する。
「ムクホーク、敵討ち!」
どうにかムクホークは体勢を取り戻し、翼を振り下ろして波動を打ち消す。
「フィニクス、大文字!」
フィニクスが炎の力を解放する。
煌々と燃え盛る大の字型の炎を、ムクホークへ向けて撃ち出す。
「躱してインファイト!」
炎の隙間を高速で飛び抜け、ムクホークは一気に距離を詰める。
フィニクスに翼を叩きつけると、怒涛の連続攻撃を食らわせ、最後に翼を横薙ぎに振るってフィニクスを叩き飛ばす。
「一気に行くぜ! ムクホーク、ブレイブバード!」
「あまり調子に乗らないことね。フィニクス、ドラゴンビート!」
勇気の青い炎のオーラを纏い、ムクホークが突貫する。
対するフィニクスは龍の心臓の鼓動のような音波を放ち、ムクホークを迎え撃つ。
音波が炎のオーラを削ぐが、全てを吹き飛ばすことは出来ず、フィニクスもムクホークの突撃を食らう。
「大文字!」
だがその後の動きはフィニクスの方が速かった。
煌々と燃え盛る大の字型の炎がムクホークを捉え、その身を焼き焦がす。
「フィニクス、龍星群!」
フィニクスが頭上に龍の力を凝縮したエネルギー弾を打ち上げる。
上空で炸裂したエネルギー弾は、無数の流星となり、ムクホーク目掛けて一斉に降り注ぐ。
「ムクホーク、負けないぞ! ブレイブバード!」
全弾回避は不可能。
それを瞬時に理解したホロは迷わなかった。
勇気のオーラをその身に纏い、自らを焦がす炎を吹き飛ばし、自ら流星の雨に捨て身で突っ込んでいく。
躱せるものは全て躱し、躱し切れないものは無理やり突破し、勢いを衰えさせることなく、フィニクスへと迫る。
「しつこいわね、そろそろ焼き尽くしてあげようかしら! フィニクス、大文字!」
フィニクスが激しく燃え盛る大の字型の炎を放つ。
対して、
「ムクホーク、急上昇!」
ムクホークが天井のすぐそこまで一気に上昇する。
炎を躱すと同時に、急降下の勢いを得てさらに勢いを増したブレイブバードが、フィニクスを貫いた。
「くっ、まだよ! フィニクス、エナジーボール!」
「させるか! ムクホーク、インファイト!」
強引に体勢を整え、フィニクスが命の力を集めた波動の弾を撃ち出そうとするが、それよりも早くムクホークが高速旋回し、守りを捨ててフィニクスの懐へ飛び込み、怒涛の連続攻撃を浴びせる。
それでも最後の翼の一撃まで、フィニクスは耐え切った。
「どうだ! そろそろレスキューが必要なんじゃないのか?」
「言ってくれるわね。この緋天将を、甘く見るんじゃないわよ!」
しかしホロは見逃さなかった。
フィニクスの体が、ついに空中でふらつく。
ホロの勝利が、ようやく見えてきた。