二次創作小説(紙ほか)
- Re: 第五話 雨 ( No.31 )
- 日時: 2013/08/15 13:32
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: Q1X0ZXes)
「それじゃ行くよォ! アメクジ、水の波動!」
まずはツバキが指示を出す。
アメクジは波動状の水の弾を作り上げ、コリンク目掛けて発射する。
雨が降っているために水技は強化されており、この水の波動も、大きさも勢いも通常のものを上回る。
「コリンク、躱して充電だ!」
コリンクは横に飛び退いて水の波動を避けると、体に電気を溜め込み、次の電気技の威力及び特防を上げる。
「今度はこっちからだ! コリンク、スパーク!」
充電で溜め込んだ電気を開放し、コリンクは強力な電撃をその身に纏い、アメクジ目掛けて走る。
「アメクジ、サイケ光線!」
対してアメクジは念動力で作られた光線を放つ。
しかし、強化されたスパークを止めることは出来ず、威力は弱めたものの、アメクジはスパークの直撃を喰らい、吹っ飛ばされる。
「コリンク、次は電磁波!」
吹っ飛ぶアメクジ目掛けて、コリンクは微量の電磁波を放ち、アメクジの体を麻痺させる。
「ウゥーン、麻痺かァ。少々面倒なことになったけど……まあいい、アメクジ、アクアテール!」
麻痺で動きが鈍っているものの、アメクジは動く。
コリンクの元へと一気に跳び、水を纏った尻尾をコリンク目掛けて叩きつける。
「だったらコリンク、スパーク!」
コリンクも電撃をその身に纏い、アメクジ目掛け、地を蹴って跳ぶ。
アメクジとコリンクが激突するが、上から叩きつけているアメクジと下から突き上げているコリンクでは、やはりアメクジに分がある。
加えて、アクアテールは雨で強化されている。少しの間競り合うが、コリンクは押し負け、地面へと叩き落される。
そこに間髪入れずにアメクジの尻尾が飛んでくる。
「回避は無理か……コリンク、受け止めるぞ! 噛み付く!」
この距離では、回避は不可能。だからレオは迎え撃つ指示を出す。
振り下ろされるアメクジの尻尾に、コリンクは思い切り噛み付き、何とかアメクジの動きを止める。
「それで止めたつもりかァ? アメクジ、アクアテールで投げ飛ばせ!」
(! まずッ……!)
予想していなかった反撃に慌てるレオだが、その必要はなかった。
運よく、麻痺が発動し、アメクジは動けなかった。
「危ねえ……コリンク、スパーク!」
その隙を逃さず、コリンクは牙をアメクジの尻尾から離すと電撃を纏って体当たりし、アメクジを吹っ飛ばす。
効果抜群の技が、まともに命中した。かなりのダメージだろう。
「おォっと、運が悪かったなァ。だけど僕のアメクジはこれくらいじゃやられないよォ。アメクジ、水の波動!」
吹っ飛ばされたアメクジだが、何とか体勢を立て直すと、波動を溜め込んだ水の弾を放って反撃する。
「コリンク、躱して充電!」
再びコリンクは横に避け、体に電気を溜め込んでいくが、
「させないよォ! アメクジ、水の波動!」
充電が終わるよりも早く、アメクジは二発目の水の弾を発射する。
コリンクは何とか充電は間に合ったものの、水の波動の直撃を喰らう。
充電で特防が上がっているのに、そのダメージはなかなか大きい。
「くっ、やっぱり雨はきついな……!」
やはり、雨——バトル環境がツバキに味方をしている。
「そのためのアメクジだからねェ。バトルに出た時点で、僕のアメクジは既に十分な仕事をしてくれてるのさァ」
レオの言葉を聞き、ツバキは得意げに笑う。
「だけどタイプでは有利だ、恐れることは無い。コリンク、スパーク!」
コリンクはその身に、充電によって強化された電撃を纏い、突進する。
しかし、
「ちなみにこんな技も持ってるよォ。アメクジ、泥爆弾!」
アメクジは泥の塊を作り上げ、コリンク目掛けて投げつける。
「地面技……ッ! コリンク、避けろ!」
咄嗟にコリンクはスパークを解除し、後ろへ跳びのき、間一髪で泥爆弾を避ける。
流石に地面技を電気技で相殺することは出来ない。充電で強化されたスパークは当てられなかったが、泥爆弾が当たるよりずっとましだ。
(くっそ、地面技を隠し持ってたか……!)
こうなると、うかつに充電も使えない。
充電の間に泥爆弾が放たれれば、まず避けられないからだ。
「ウゥーン、惜しかったなァ。ここぞという時のために、隠しておいたんだけど」
対して惜しさも感じていないような口調で、ツバキはそう告げる。
「アメクジ、攻めるよォ。泥爆弾!」
アメクジは再び泥の塊を作り上げ、コリンク目掛けて投げつける。
「コリンク、躱してスパーク!」
コリンクは跳び上がって泥爆弾を避けると、その身に電撃を纏って突進する。
「泥爆弾!」
「躱しつつ接近だ!」
アメクジは次々と泥の塊を投げつけるが、コリンクは左右に逸れてそれを躱しつつアメクジへと接近。
「だったらアクアテール!」
「コリンク、ジャンプ!」
真ん前に来たコリンク目掛けて、アメクジは横なぎに水を纏った尻尾を振るう。
しかしコリンクはそれを跳び上がって回避し、そこからアメクジに激突。
効果抜群の一撃が、アメクジへとクリーンヒットする。
「ぐうゥ、アメクジ、アクアテール!」
やや苦しげな表情を浮かべ、アメクジに指示を出すツバキ。
だが。
アメクジの体に、鋭い電流——麻痺が走る。
つまり、アメクジは麻痺により、動けなかった。
「貰ったぜ! コリンク、スパーク!」
その隙を、レオが見逃すはずがない。
コリンクは電撃を身に纏い、アメクジ目掛けて突進する。
麻痺でアメクジは動けない。スパークがアメクジへとまともに命中し、アメクジは吹っ飛ばされ、戦闘不能となる。
「アメクジ、よくやってくれたねェ。ゆっくり休んでてよォ」
対して悔しがる様子もなく、ツバキはアメクジをボールに戻し、次のボールを取り出す。
「さあ行くよォ、僕のエース。ララミンゴ、バトルスタンバァイ!」
ツバキのエースポケモンは、ピンク色のフラミンゴのようなポケモン。
首はバネのように使うことができ、嘴は長く鋭い。
ララミンゴ、水鳥ポケモン。水・飛行タイプ。
(なるほど、こいつだな。アスカの草タイプを倒したのは。でも僕のコリンクには関係ない、いや、むしろより有利だ)
レオは小さく笑い、ララミンゴを見据える。
「行っておくけど、タイプ相性だけでこのララミンゴに勝てると思わないことだよォ。仮にもジムリーダーである僕のエースなんだからねェ!」
ツバキの言葉と共に、ララミンゴも力強く鳴く。