二次創作小説(紙ほか)
- Re: 第百六十四話 不死龍 ( No.311 )
- 日時: 2015/06/11 11:12
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: aHFMMxMM)
「コモラゴン、クロスポイズン!」
両爪に毒を纏わせたコモラゴンが飛び出し、一気にヘラクロスとの距離を詰める。
「ヘラクロス、躱してメガホーン!」
ヘラクロスは飛翔し、コモラゴンの毒爪を躱すと、硬い角を突き出して突撃する。
「回避は間に合わんか。コモラゴン、アイアンテール!」
コモラゴンが尻尾を硬化させてヘラクロスを迎え撃とうとするが、それでもヘラクロスの方が早い。
ヘラクロスが激突し、コモラゴンを吹き飛ばす。
「よっしゃ! ヘラクロス、瓦割りだ!」
吹き飛ぶコモラゴンを追い、ヘラクロスは角を振り上げ、コモラゴンに叩きつける。
「コモラゴン、ドラゴンクロー!」
それでもコモラゴンはすぐに体勢を立て直し、龍の力を込めた爪を振るう。
相殺は出来ずに押し戻されるが、何とかコモラゴンは吹き飛ばされずに踏み止まった。
「岩雪崩!」
「穴を掘る!」
間髪入れずにヘラクロスが虚空から無数の岩を落とすが、コモラゴンは床に潜り、岩雪崩を躱す。
「ヘラクロス、飛べ。空中にいれば奴の攻撃を見てから対処できる」
コモラゴンが床下に消えたのを見て、ヘラクロスは飛翔する。
「それで穴を掘るを封じたとは言わせんぞ。コモラゴン、クロスポイズン!」
刹那、ヘラクロスの真下の床が十字に割れる。
それと同時に、十字形の毒の刃が飛び出し、ヘラクロスに一直線に迫る。
「っ! ヘラクロス、これは躱せ!」
突然の攻撃だったが、どうにかヘラクロスは毒の刃を回避する。
しかし、
「ドラゴンクロー!」
地中から勢いよくコモラゴンが飛び出す。
一瞬のうちにヘラクロスと同じ高さまで飛び上がり、龍の力を込めた爪を振り下ろし、ヘラクロスを切り裂き、床に叩き落とした。
「仕留めろ! コモラゴン、アイアンテール!」
硬化させた尻尾を槍のように突き出し、コモラゴンが急降下する。
ヘラクロスに迎撃させる時間すら許さず、鋼の槍の如きコモラゴンの尾がヘラクロスを突き刺した。
「っ、ヘラクロス!」
砂煙が消えると、ヘラクロスは戦闘不能になっていた。
「マジかよ……ヘラクロス、よく頑張ってくれた。休んでてくれ」
ヘラクロスをボールに戻し、レオは次のボールを取り出す。
「ヘラクロスまで負けるとなると……ここはこいつだな。頼んだぞ、トゲキッス!」
レオの次なるポケモンはトゲキッス。
先ほどのヘラクロスでの戦いを見る限り直接的な対策にはならないものの、穴を掘るを多少は牽制できる。
「なるほど、穴を掘るを警戒してのチョイスか。では、私のコモラゴンを打ち破ってみせろ」
「望むところです! トゲキッス、エアスラッシュ!」
トゲキッスが大きく羽ばたき、空気の刃を飛ばす。
「コモラゴン、クロスポイズン!」
対するコモラゴンは毒を纏った両腕を振り下ろし、十字形の毒の刃を飛ばすと、
「穴を掘る!」
床に潜り、姿を隠してしまう。
「トゲキッス、気をつけろよ。こっちが浮いていても、相手はそこまで跳躍してくるぞ」
レオとトゲキッスは油断なく床全体を見渡す。
「クロスポイズン!」
「来た! サイコバーン!」
床が割れたその瞬間、トゲキッスは溜め込んだ念力を爆発させて周囲に衝撃波を飛ばす。
毒爪を突き出すコモラゴンだが、サイコバーンを打ち破ることができず、逆に吹き飛ばされて床に叩きつけられる。
「今だ! トゲキッス、エアスラッシュ!」
「させん! コモラゴン、アイアンテール!」
トゲキッスが放つ空気の刃を、コモラゴンは体勢を崩しながらも鋼鉄の尻尾を振るって粉砕。
「ドラゴンクロー!」
さらに一気にトゲキッスとの距離を詰め、龍の力を込めた爪を振り下ろし、トゲキッスを切り裂く。
「今度はこちらの番だ。コモラゴン、アイアンテール!」
再び尻尾を硬化させ、コモラゴンはその尻尾を槍のように突き出す。
「トゲキッス、躱して波動弾!」
アイアンテールを何とか躱し、トゲキッスは必中の波動弾を放つ。
「砕け。コモラゴン、アイアンテール!」
「そこだ! トゲキッス、サイコバーン!」
コモラゴンが波動弾に意識を向けた一瞬の隙。
そこを逃さず、トゲキッスは念力を爆発させて衝撃波を起こし、コモラゴンを吹き飛ばす。
「……! しまった、波動弾に気を向けすぎたか……!」
効果抜群の攻撃を受け、遂にコモラゴンは戦闘不能となった。
「コモラゴン、上出来だ。休んでいろ」
コモラゴンをボールに戻し、すぐにリュードウは次のボールを手に取る。
「次はこいつだ。聖炎に臨め、フィニクス!」
リュードウの三番手は、緋天将ガーネットも切り札として使うポケモン、フィニクス。
空を飛んでいるトゲキッスに対し、同じく空を飛べるポケモンで対処しに来たのだろう。
「フィニクスですか。今は実家に置いてきていますけど、僕も持ってますよ」
「ほう、そうか。私はこのポケモンをあらゆる炎ポケモンの中で一番美しいポケモンだと思っている。ここまで美しい炎を放つポケモンなど、フィニクスをおいて他にはいない」
火の粉を散らしながらゆっくりと羽ばたくフィニクスを見上げながら、リュードウは語る。
「では、始めるぞ。フィニクス、大文字!」
「トゲキッス、こっちも大文字だ!」
フィニクスが煌々と燃えさかる大の字型の炎を放ち、トゲキッスも同じく激しく燃える大の字型の炎を放つ。
しかし、やはりというべきか、炎をその身に纏うフィニクスの方が強力で、トゲキッスの大文字は掻き消されてしまう。
「流石に強いな……トゲキッス、躱してエアスラッシュ!」
炎の隙間を掻い潜ってトゲキッスは大文字を躱し、大きな羽ばたきと共に空をも切り裂く空気の刃を撃ち出す。
「フィニクス、ドラゴンビート!」
身を切り裂く刃を難なく耐えて見せ、フィニクスは龍の心臓の鼓動のような音波を放って反撃、トゲキッスを吹き飛ばす。
「トゲキッス、立て直せ! 波動弾!」
空中で体勢を整え、トゲキッスは体内の波動を凝縮した念弾を撃ち出す。
「フィニクス、エナジーボール!」
対して、フィニクスも生命の力を込めた翠の念弾を放ち、波動弾を相殺する。
「サイコバーン!」
爆煙の中を潜り抜けて一気にフィニクスとの距離を詰め、トゲキッスは溜め込んだ念力を爆発させて衝撃波を放つ。
至近距離からの爆発が、フィニクスを吹き飛ばす。
「っし! トゲキッス、波動弾!」
続けてトゲキッスは波動を凝縮した念弾を撃ち出す。
顔を上げたフィニクスの横から波動弾が叩き込まれ、再びフィニクスは体勢を崩す。
「まだまだ! トゲキッス、エアスラッシュ!」
「ほう、やるな。ならばフィニクス、ダイヤブラスト!」
さらにトゲキッスは鋭い空気の刃を飛ばすが、フィニクスは周囲に青白く煌めく爆発とともに爆風を起こし、刃を破壊。
さらに、
「フィニクス、大文字!」
煌々と燃えさかる大の字型の巨大な炎を、トゲキッスへと撃ち出す。
「っ、トゲキッス、躱して接近! サイコバーンだ!」
何とか炎を躱し、トゲキッスはフィニクスとの距離を一気に詰め、溜め込んだ念力を爆発させて衝撃波を放つが、
「フィニクス、ドラゴンビート!」
フィニクスの放つ龍の心臓の鼓動のような音波に掻き消されてしまう。
「ダイヤブラスト!」
間髪入れず、フィニクスの周囲に青白い光が迸る。
「まずいっ! トゲキッス、これは躱せ!」
慌ててトゲキッスが急上昇しようとするが、既に遅い。
刹那、煌めく爆発と共にフィニクスの周囲に爆風が吹き荒れ、トゲキッスを吹き飛ばし、床に叩き落とす。
「チャンス。フィニクス、大文字!」
この隙を逃さず、フィニクスが激しく煌々と燃える大の字型の炎を放つ。
頭上を見上げたトゲキッスの目前に、巨大な炎が迫る。