二次創作小説(紙ほか)

Re: 第百九十一話 貫禄 ( No.346 )
日時: 2016/07/31 21:15
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: VYLquixn)

ディザソルが、激流に押し流される。
「ディザソル! まだ行けるか?」
水が流れ去ると、ディザソルは足を震わせながらも立ち上がり、頷く。
「見上げた根性だ! ならばリーフィス、冷凍ビーム!」
リーフィスが身体中の葉の先から冷気の光線を放つ。
瓶で隠れていた葉が露わになったことにより、光線の数も増えている。
「ディザソル、神速!」
神がかった速度でディザソルはフィールドを駆け抜ける。
冷気の光線を掻い潜り、激突してリーフィスを跳ね飛ばす。
「殻を破って防御は下がってるはずです。攻撃を掻い潜ることが出来れば、逆にチャンスとなる! ディザソル、サイコカッター!」
ディザソルの二対の鎌が念力を纏う。
鎌を振り抜き、ディザソルは二枚の念力の刃を飛ばす。
「リーフィス、エナジーボール!」
吹き飛びながらもリーフィスは自然の力を込めた光の弾を放出し、念力の刃を粉砕。
「突っ込め! ディザソル、ぶち壊す!」
刃のすぐ後ろから、ディザソルがリーフィス目掛けて突撃し、鋭い爪を突き出す。
しかし、
「リーフィス、躱して冷凍ビーム!」
レオが思っていたよりもリーフィスは素早かった。
渾身のディザソルの突きを躱して、リーフィスは葉の先から冷気の光線を放つ。
ディザソルを床へと叩きつけ、氷漬けにしてしまう。
「これでとどめだ! リーフィス、ハイドロポンプ!」
リーフィスが大量の水を噴射する。
ディザソルの周りを覆う氷ごと吹き飛ばし、木の幹へと叩きつけた。
地面に落ち、ディザソルは戦闘不能になってしまう。
「強い……ディザソル、よくやった。後は後続に任せろ」
ディザソルをボールに戻し、レオはリーフィスの方を向く。
(耐久型だと思って戦ってたら不意を突かれた。おそらく、攻撃面に重点を置いて鍛えているんだろう。だったら、ディザソルよりも高火力が出せるこいつしかいない!)
すぐさまレオは次のボールに手を掛ける。
「頼むぞ、エンペルト!」
レオは迷わずエースのエンペルトを選出。トゲキッスでは、冷凍ビームとハイドロポンプで押し切られてしまうと考えたためだ。
「最後のポケモンはエンペルトか! 強そうなポケモンだが、どこまでやってくれるのか楽しみだ! リーフィス、冷凍ビーム!」
リーフィスの身体中の葉の先から、凍える冷気の光線が発射される。
「エンペルト、お前の力を見せてやるぞ! ジオインパクト!」
エンペルトの両翼が銀色の光を纏う。
翼を振って銀色の衝撃波を放ち、冷気の光線を全て打ち消す。
「ドリル嘴!」
地面を蹴り、エンペルトが飛び出す。
嘴を伸ばして、ドリルのように高速回転しながら、リーフィスに突貫していく。
「リーフィス、エナジーボール!」
「来るぞエンペルト、躱して突っ込め!」
リーフィスが自然の力を込めた光の弾を放出するが、エンペルトは軌道を逸らして光の弾を回避。
そのままリーフィスに、ドリルの如き嘴が直撃した。
「ぐぬぬ、リーフィス、ハイドロポンプ!」
「打ち破れ! エンペルト、ハイドロカノン!」
リーフィスが大量の水を放射するが、エンペルトはその水の量をさらに上回る水を一点に凝縮させた巨大な水の砲弾を放つ。
リーフィスの放つ水柱を打ち破りながら突き進み、水の砲弾がリーフィスに着弾、水蒸気爆発のような大爆発が起こった。
「なにぃ、リーフィス!?」
派手に吹き飛ばされ、リーフィスは壁に激突し、そのまま戦闘不能となる。
「リーフィス、よく頑張った! 戻って休んでいてくれ!」
イダがリーフィスを労い、ボールへと戻す。
「俺には分かるぞ! お前さん、さてはエースポケモンをここで出してきたな?」
「よく分かりましたね。流石にこれ以上押されるとまずいので、エンペルトの力を借ります。ここから逆転していきますよ」
レオの言葉に呼応するように、エンペルトも鋭い声で啼く。
「ガハハハ! そいつぁ楽しみだ! それじゃあ、俺の次のポケモンは、こいつだ!」
イダがボールを取り出し、勢いよく投げる。
「ぶちかませぃ、サムラダケ!」
イダの四番手は、ジムリーダーのモミジも使っていたサムラダケ。
草・炎という、珍しい組み合わせのタイプを持つ。
「サムラダケか……でもラッキーですよ。炎タイプを持ってるから、エンペルトの水技が通る」
「それはこっちも同じことよ! 鋼タイプも持つエンペルトには、サムラダケの炎技が効くぜ!」
「僕のエンペルトの水の力で、サムラダケの炎を打ち消して見せますよ! エンペルト、ハイドロポンプ!」
先に動いたのはレオの方。
エンペルトが大きく息を吸い込み、大量の水を噴射する。
その水量は、先程の殻を破ったリーフィスのものをも上回る。
「おお、やはり飛び抜けた威力! ならばサムラダケ、リーフブレード!」
手にしたキノコの剣をロッドのように振り回し、サムラダケは後退させながらも大量の水を何とか捌き切る。
「エンペルト、ドリル嘴!」
嘴を伸ばし、ドリルのように回転しながら、エンペルトが突撃を仕掛ける。
「サムラダケ、もう一度リーフブレード!」
サムラダケは今度は剣をそのまま振るい、エンペルトを正面から迎え撃つ。
ドリルの如き一撃と剣の先端が激突し、お互い一歩も引かない。
「ジオインパクト!」
不意にエンペルトが回転を解き、素早く少しだけ後退する。
勢い余り、サムラダケは少しふらつく。
その隙を逃さず、銀色の光を纏ったエンペルトの翼がサムラダケに振り下ろされ、サムラダケを地面に叩きつけた。
「サムラダケ、フレアドライブ!」
だが地面に叩き落とされたサムラダケの動きは止まらなかった。
地に倒れるサムラダケの体が灼熱の豪炎に包まれる。そのままサムラダケは四肢で思い切り地面を叩いて飛び上がり、エンペルトを吹き飛ばした。
「俺のサムラダケの根性を甘く見るなよ! こいつはどんなに重い攻撃を受けた後でもすぐさま反撃に出ることが出来る! サムラダケ、つぎは瓦割りだ!」
立ち上がったサムラダケが大きく飛び上がる。
エンペルトの真上から、落下の勢いをつけて剣を振り下ろす。
「エンペルト、ジオインパクト!」
翼に銀色の光を纏い、エンペルトはサムラダケを正面から迎え撃つ。
振り下ろされる剣に対して鋼の翼をぶつけ、瓦割りを防いだ。
「ならばリーフブレード!」
「そうは行きません! ジオインパクト!」
再びサムラダケが剣を振り上げるが、エンペルトのもう片方の翼が裏拳のように放たれ、サムラダケの腹部を捉え、吹き飛ばした。
「サムラダケ、立て直せ! ストーンエッジ!」
受け身をとって起き上がり、サムラダケが周囲に無数の尖った岩を生み出す。
その岩をエンペルト目掛けて一斉に発射し、さらに、
「岩に飛び乗れ! リーフブレード!」
自身が放った岩の一つに飛び乗り、エンペルトに急接近しながら淡く光る剣を構える。
「纏めて薙ぎ払え! ハイドロポンプ!」
対してエンペルトは太い水柱を噴射する。
水柱を横へと薙ぎ払い、飛来する岩を全て蹴散らす。
「サムラダケ、跳べ!」
だがその寸前にサムラダケが岩から足を離す。
ギリギリで水柱の射程圏内から逃れ、そのままの勢いで剣を振るい、エンペルトを切り裂いた。
「瓦割り!」
斬撃を受けて体勢を崩すエンペルトに対し、サムラダケはさらに剣を振り下ろす。
エンペルトの脳天に剣が直撃し、エンペルトがよろめく。
「もう一度リーフブレード!」
「そこまでです! ドリル嘴!」
立て続けにサムラダケが剣を突き出すが、エンペルトは嘴を伸ばし、その場で高速回転する。
回転するエンペルトに剣が当たるが、逆に剣は弾かれてしまう。
「なるほど、回転で弾いたか! ならばサムラダケ、ストーンエッジ!」
剣を弾かれてサムラダケは体勢を崩すが、その周囲に白い光が迸り、無数の岩を作り出す。
「エンペルト、破壊しろ! ジオインパクト!」
翼に銀色のオーラを纏わせ、その翼を思い切り振り抜き、エンペルトは銀色の衝撃波を飛ばす。
放たれた衝撃波は、無数の岩を全て破壊する。
「サムラダケ、瓦割り!」
「エンペルト、ドリル嘴!」
サムラダケが剣を携え、地を駆ける。
エンペルトは嘴を伸ばし、ドリルのように回転しながら突撃する。
剣と嘴が、真正面からぶつかる。