二次創作小説(紙ほか)

Re: 第二百二話 雪牙 ( No.359 )
日時: 2016/08/12 11:55
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: UwoqfYs/)
プロフ: 気づけば既に200話を超えていました。

「やっちゃえ、マンムー!」
ミトリの四番手は、巨大な獣のようなポケモン。
目の周りには青い隈取りのような模様があり、大きな鼻は猪のようにも見える。
ただ一際目を引く二本の立派な牙は、猪というよりも象に近い印象を受ける。
マンムー、二本牙ポケモン。古代から生き続けているポケモンで、タイプは氷・地面。
「見るからにパワータイプみたいなのが出て来たな……」
足を踏み鳴らし、雪を撒き散らしているその様は、明らかに力自慢のポケモンだ。
間違いなく、根性で攻撃力を底上げしたヘラクロスへの対抗策だと分かる。
「それじゃ行くよ! マンムー、スターフリーズ!」
マンムーが鼻から冷気を噴き出し、巨大な星型の氷塊を作り上げ、撃ち出す。
「ヘラクロス、マグナムパンチ!」
対するヘラクロスは拳を握りしめ、ミサイルのように思い拳の一撃を放って氷塊を粉砕し、
「ストーンエッジ!」
周囲に無数の尖った岩を浮かび上がらせ、マンムーへ一斉に放つ。
「マンムー、こっちもストーンエッジ!」
同じくマンムーの周りにも無数の尖った岩が浮かび上がる。
岩を撃ち出し、ヘラクロスが放った岩を全て防ぎ切った。
「っ、根性を発動したヘラクロスと互角に渡り合えるのか……!」
「当然よ! なんてったって私のマンムーはパワーだけならあたしの手持ちの中じゃぶっちぎり。アスイーツの一番大きなアイスボールを正面から突き破れるんだから!」
ミトリは得意げにそう言い、
「それじゃあそのパワー、見せてあげる! マンムー、スプラッシュ!」
二本の牙に水を纏い、マンムーは水飛沫を散らしながら突撃する。
重い体だが、頑強な四肢によって雪を物ともせずに突き進む。
「ヘラクロス、メガホーン!」
ヘラクロスが翅を広げ、硬い角を構えて突貫する。
水を纏ったマンムーと正面から激突、やはり威力は互角。
「マンムー、ストーンエッジ!」
「ヘラクロス、躱してシャドークロー!」
お互いに一旦退き、マンムーは周囲に無数の尖った岩を浮かべ、ヘラクロスへと一斉に放つ。
対してヘラクロスは無数の岩の中へと飛び込んでいく。
襲い来る岩を飛び越え、潜り抜け、両手に纏った黒く鋭い影の爪でマンムーを切り裂いた。
「やるねぇ! マンムー、地震!」
影の爪に切り裂かれてマンムーは数歩後退りするが、すぐに立て直す。
ヘラクロスが着地した瞬間を狙って足を踏み鳴らし、揺れを起こしてヘラクロスの動きを止め、衝撃波で吹き飛ばす。
「やっぱり地震は持ってるか。ヘラクロス、飛べ! 空中戦主体で戦うぞ」
ヘラクロスは起き上がると、翅を広げて飛翔する。
「マンムー、スターフリーズ!」
「ヘラクロス、マグナムパンチ!」
上空のヘラクロスに向けてマンムーは巨大な星型の氷塊を放ち、対してヘラクロスはミサイルの如き勢いで拳を繰り出して氷塊を破壊、さらに、
「もう一度マグナムパンチ!」
再び拳を構えて一気にマンムーとの距離を詰め、マンムーの額にミサイルの如く重い拳の一撃を叩き込んだ。
だが、
「マンムー、スプラッシュ!」
額に拳を食らい、よろめくマンムーが目を見開く。
強引に体勢を整え、二本の立派な牙に水を纏わせ、大きく顔を振って牙をヘラクロスに叩きつけ、吹き飛ばした。
「今だよマンムー、地震!」
吹き飛ばされ地面に落ちるヘラクロスを狙い、マンムーは足を踏み鳴らすが、
「ヘラクロス、飛べ!」
宙を舞いながらもヘラクロスは翅を広げる。
地面に落ちる寸前、何とかバランスを立て直してヘラクロスは飛び上がり、地震を回避した。
(ヘラクロスは火傷してる。早めに決めないと先に力尽きるのは間違いなくこっちだ。幸い、マンムーと違ってヘラクロスには効果抜群を取れる技がある。上手く立ち回れば、ヘラクロスが戦況を互角にまで戻してくれる!)
「よし、ヘラクロス、ストーンエッジ!」
ヘラクロスの周囲に白い光が迸る。
光は無数の尖った岩を形作り、マンムーへと一斉に発射される。
「マンムー、スターフリーズ!」
対するマンムーは巨大な星型の氷塊を放ち、無数の岩を全て受け止める。
「マグナムパンチ!」
その氷塊を粉砕し、ヘラクロスは両拳を構えて正面からマンムーへと突っ込んでいく。
「マンムー、スプラッシュ!」
マンムーは牙に水を纏わせ、ヘラクロスを迎え撃つ。
ヘラクロスの両拳と、マンムーの二本牙が激突し、一歩も引かずに激しく競り合う。
「マンムー、ストーンエッジ!」
「ヘラクロス、シャドークロー!」
マンムーが一旦退き、周囲に無数の岩を浮かべるが、それよりも早く、影の爪を携えたヘラクロスが腕を振り抜き、マンムーを切り裂いた。
「まだだよ! ストーンエッジ!」
シャドークローを受けたマンムーは怯まなかった。
無数の尖った岩を放ち、攻撃を終えたヘラクロスを狙う。
「ヘラクロス、こっちもストーンエッジ!」
襲い来る岩に対し、ヘラクロスも無数の尖った岩を撃ち出した。
お互いの放つ無数の岩は次々とぶつかり、相殺される。
「スターフリーズ!」
マンムーが鼻から冷気を噴き出し、巨大な星型の氷塊を飛ばす。
「ヘラクロス、マグナムパンチ!」
ヘラクロスはミサイルの如き勢いで拳を繰り出して氷塊を粉砕し、
「シャドークロー!」
両手に影の爪を纏わせ、マンムーへ向かっていく。
「マンムー、ストーンエッジ!」
対するマンムーの周囲に無数の尖った岩が浮かび上がり、一斉に発射される。
岩の刃がヘラクロスの翅や腕を貫くが、気にせずヘラクロスは突っ込み、両手の影の爪でマンムーを切り裂く。
「マグナムパンチ!」
「それ以上はさせないよ! スプラッシュ!」
さらにヘラクロスがミサイルの如き拳を突き出すが、その拳はマンムーの水を纏った長い牙に弾かれてしまう。
「マンムー、ストーンエッジ!」
「ヘラクロス、躱してストーンエッジ!」
マンムーが無数の岩の刃を発射するが、ヘラクロスは飛翔してそれを躱し、同じく無数の尖った岩を一斉に撃ち出す。
「マンムー、スプラッシュ!」
マンムーが長い牙に水を纏わせ、水飛沫を散らしながら牙を振るい、無数の岩を粉砕する。
「今だヘラクロス! メガホーン!」
硬い角を突き出し、ヘラクロスは突貫する。
上空から一気にマンムーとの距離を詰めるが、
「マンムー、避けて! ヘラクロスの動きを止めるよ!」
マンムーが前足で地面を叩いて勢いをつけ、後ろ足だけで立ち上がった。
ヘラクロスの狙いは僅かに逸れ、角は雪の積もる地面に突き刺さった。
直後、マンムーの体が上から迫ってくる。巨体とパワーを生かして、ヘラクロスを押し潰そうというのだ。
しかし、
「ヘラクロス、投げ飛ばせ! メガホーンだ!」
マンムーの腹下に角をねじ込み、角に思い切り力を込める。
渾身の力で自慢の角を振り上げ、ヘラクロスは逆にマンムーを投げ飛ばしてしまった。
「!? そ、そんなぁ!?」
ミトリが驚愕の声を上げる。
マンムーの巨体が宙を舞っているのだ、無理もない。
「ヘラクロス、マグナムパンチ!」
「っ! マンムー、スプラッシュ!」
ヘラクロスが両拳を突き出し、ミサイルのように突撃する。
少し反応が遅れるが、咄嗟にマンムーは牙に水を纏わせてヘラクロスに立ち向かう。
ヘラクロスの両拳がマンムーの額に直撃し、一瞬遅れてマンムーの水を纏った牙がヘラクロスを貫いた。
ヘラクロスとマンムーが、同時に雪の積もる床へと墜落する。
地面に倒れた二体は、両者とも戦闘不能になっていた。
「ヘラクロス、よくやった! いい活躍ぶりだったぜ。後は戻って休んでてくれ」
「マンムー、おつかれさま! よく頑張ってくれたね」
お互いのポケモンをボールに戻し、レオとミトリは向かい合う。
「言ったろ。僕のヘラクロスならやってくれるって。これで五分に戻ったぜ」
「やるねえ。ユキメノコが頑張ってくれた分を取り戻されちゃったよ」
だけど、とミトリは続け、
「最後に出て来るのはもちろん、私の一番のポケモンだよ。レオおにーさん、勝てるかなー?」
「勝つさ。僕だって最後のポケモンはエースポケモンだ。絶対に負けないぜ」
両者が、最後のモンスターボールを手に取る。