二次創作小説(紙ほか)
- Re: 第八話 成敗 ( No.36 )
- 日時: 2013/08/15 13:34
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: Q1X0ZXes)
「出て来い、スカンプー!」
レオの相手の下っ端は、紫の体毛に、ところどころ白が入ったスカンクのようなポケモンを繰り出す。
スカンプー、スカンクポケモン。毒・悪タイプ。
「よし、ポッチャマ、任せた!」
レオはポッチャマを繰り出す。
「悪いけど、さくっと終わらせるぞ。ポッチャマ、バブル光線!」
ポッチャマは勢いよく泡の光線を発射する。
「スカンプー、躱して切り裂く!」
スカンプーは横に飛び退いて泡を避けると、ポッチャマに飛びかかり、鋭い爪を振りかざす。
「ポッチャマ、アクアジェット!」
対して、ポッチャマは体に水を纏い、スカンプー目掛けて跳び出す。
スカンプーの斬撃を避け、直後にスカンプーに体当たりし、吹っ飛ばす。
「ちっ、スカンプー、アシッドボム!」
スカンプーはすぐに起き上がると、強い酸を含んだ爆弾を投げつける。
「ポッチャマ、バブル光線!」
ポッチャマは泡の光線を放ち、爆弾を相殺する。
爆弾が弾け、酸の液が飛び散るが、ポッチャマには届かない。
「スカンプー、辻斬り!」
スカンプーは一瞬でポッチャマとの距離を一瞬で詰める。
すれ違いざまに、鋭い爪でポッチャマを切り裂く。
「大したことないな。ポッチャマ、乱れ突き!」
すぐさまポッチャマはスカンプーの後を追い、嘴でスカンプーを連続で突く。
「ぐぬうっ、スカンプー、切り裂く!」
スカンプーは鋭い爪を振り回してポッチャマを振り払おうとするが、
「そんなに離れてほしいなら離れてやるよ。ポッチャマ、後退だ」
爪が当たる直前にポッチャマは後ろへ跳びのき、爪の一撃を避ける。
「だったらこれはどうだ? スカンプー、黒い霧!」
スカンプーは黒い霧というよりは黒い煙を放ち、見る見るうちにポッチャマの視界を奪っていく。
「こういうときこそ、ポッチャマ、我慢だ!」
ポッチャマは煙の中でじっと忍耐の体勢に入る。
黒い煙のせいで、下っ端はそれに気づかない。
「スカンプー、連続で切り裂く!」
スカンプーは霧の中に飛び込み、鋭い爪で連続でポッチャマを切り裂く。
ポッチャマはそれをじっと耐える。そして、
「ポッチャマ、我慢を解き放て!」
その指示と共に、ポッチャマの体が赤く光り、ポッチャマは渾身の力でスカンプーを吹っ飛ばす。
「ッ、スカンプー!」
スカンプーは戦闘不能となり、倒れていた。
「出て来い、ズバット!」
「行くわよ、ヒコザル!」
新人の下っ端のポケモンは、目の無い、青い蝙蝠のようなポケモン。
ズバット、蝙蝠ポケモン。毒・飛行タイプ。
対するアスカのポケモンはヒコザルだ。
「ヒコザル、まずは奮い立てる!」
ヒコザルは自分の気を奮い立たせ、攻撃と特攻を上げる。
「ズバット、超音波!」
ズバットは口から甲高い音波をヒコザルへと放ち、混乱状態を狙う。
「ヒコザル、躱して火炎車!」
ヒコザルは跳び上がって超音波を避け、炎を纏いながら回転してズバットに激突する。
「まだだ、ズバット、滑空!」
ズバットは体勢を立て直すと、翼を広げて滑るように急降下し、ヒコザルへと襲い掛かる。
「ヒコザル、引き付けて……」
ヒコザルはじっと動かず、ズバットを正面から見据える。
「今よ! ヒコザル、ローキック!」
ズバットが足を狙って急降下してきたのは好都合。
ヒコザルは足を振り抜き、横なぎのキックでズバットの顔を蹴っ飛ばす。
「火炎車!」
そこにヒコザルは炎を纏いながら回転突進し激突、ズバットを吹っ飛ばす。
「くっ、ズバット、毒々の牙!」
ズバットは猛毒を含んだ牙を剥き、ヒコザルへと飛びかかる。
「甘いわよ! ヒコザル、アクロバット!」
しかしヒコザルは身軽な動きで、素早くズバットの背後を取り、ズバットを地面へと叩き落す。
「火炎車!」
地面へ落ちたズバット目掛けて、ヒコザルは炎を纏い、高速回転してズバットに激突する。
「うう、ズバット!」
ズバットは早くも戦闘不能。
「はあ、大したことないわね」
ヒコザルはノーダメージ。快勝したアスカは、つまらなさそうに呟く。
「さあ、終わりだ。ポケモンは返してもらう。ついでに身柄も拘束させてもらうぜ」
レオとアスカが、下っ端を追い詰めていく。
「くそ、こうなったら……」
レオと戦った方の下っ端は、檻を持ち上げると、勢いよくレオへと投げつけ、
「さらばだ!」
その隙を突いて、下っ端二人は駆けだす。
「しまった、くっそ……!」
「待ちなさいよ、悪党ども!
檻を何とか受け止め、走るレオ。少し遅れるが、アスカも走り出す。
しかし、下っ端二人、意外に逃げ足が速い。
「空を飛ぶポケモン云々はハッタリかよ、脅かしやがって!」
「新人、しゃべるな! 逃げることに集中しろ!」
わずかな望みが見えてきた、下っ端二人。
しかし、上空に、その望みを打ち砕く影。
「ララミンゴ、熱湯だよォ!」
ジョーイさんの連絡を受け、ようやくララミンゴに掴まって現れたジムリーダーのツバキ。
そのララミンゴが、上空から下っ端に目掛けて煮えたぎる熱湯を浴びせかける。
「!? 熱っつあぁ!」
突然上空から大量の熱湯が降ってくるのだ、下っ端にはひとたまりもない。
下っ端はのた打ち回り、その場に蹲る。
「チャンスだ! コリンク、電磁波!」
素早くレオはコリンクを出す。
コリンクは微弱な電撃を放ち、下っ端の意識を奪う。
「ふう、何とか間に合ったみたいだねェ。二人とも無事で何よりだよォ」
ララミンゴに掴まったツバキは、ゆっくりと降下してくる。
「ポケモンは取り返しました。下っ端も見てのとおりです」
電磁波を喰らい、下っ端の意識は無い。すぐに捕らえられることになるだろう。
「了解したよォ。じゃ、僕はこいつらを捕まえて、警察にでも引き渡しておくかなァ。君たちは、そのポケモンを持ち主の子に返しておいてあげてねェ」
そして、どこからかツバキは縄を取出し、下っ端に巻き付けていく。
「はー、疲れた。とりあえずは一件落着ね」
「そうだな。後はこのポケモンをあの子に返すか」
レオとアスカは、ポケモンセンターに向かい、歩いていく。
盗まれたポケモンは、無事女の子へと返された。
下っ端はジムで監禁されることになった。警察が来たら、すぐに身柄を引き渡されるそうだ。
アスカは、もう少しララベリーを鍛える、と言って、ポケモンセンターを出て行った。
「さて、今日も疲れたなあ。とりあえず、ポケモンセンターの宿を借りて、飯食って寝るとするか」
明日は、次の町に出発である。