二次創作小説(紙ほか)
- Re: 第二百三十五話 太陽光 ( No.401 )
- 日時: 2016/10/18 14:28
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: F8Gg2X0Y)
- プロフ: 新しい小説を立ち上げようか考え中……
吹き飛ばされて宙を舞うガーメイルを狙い、ヘドロの爆弾が放出される。
「っ! まだよ、ガーメイル、虫のさざめき!」
それでも、ガーメイルは動いた。
翅を激しく羽ばたかせて空気を振動させ、衝撃波を放ってヘドロの爆弾を掻き消した。
「チッ、小賢しい! だけどまだ終わってないわよ、ロズレイド、ギガドレイン!」
ロズレイドの両手の花束から、棘だらけの蔓が一斉に飛び出す。
まだ体勢の整っていないガーメイルへ、無数の蔓が迫り来る。
しかし、
「甘いわよ! ガーメイル、目覚めるパワー!」
ガーメイルの周囲に赤いエネルギーの球体が浮かび上がり、一斉に周囲に放出された。
炎の力を持つエネルギーの弾は迫り来る蔓を燃やし、さらにその蔓を伝ってロズレイド本体にも炎が到達する。
「今よガーメイル! エアスラッシュ!」
その隙を逃さず、ガーメイルは翅を羽ばたかせて上空から無数の空気の刃を落とす。
空気の刃の雨に打たれ、効果抜群の攻撃を立て続けに受け、ロズレイドの体がぐらりと傾く。
そのまま地面に倒れて、ロズレイドは戦闘不能となった。
「くっ……ロズレイド、よくやったわ。休んでなさい」
悔しそうな表情を浮かべてガーネットはロズレイドをボールに戻し、次のボールを取り出す。
「だったら次は、我が誇りにかけて、エルレイド!」
ガーネットの二番手は、刃ポケモンのエルレイド。
タイプ相性だけで考えればガーメイルとの相性はよくないが、
「速攻で決めさせてもらうわ。エルレイド、影撃ち!」
エルレイドが右腕を自身の影に突き刺す。
その影が瞬時にガーメイルの背後まで伸びると、そこからエルレイドの右腕が飛び出し、エルレイド側に引き寄せるようにガーメイルを殴り飛ばす。
「速い……っ! ガーメイル、虫のさざめき!」
「そんな隙ないわよ。エルレイド、サイコカッター!」
翅を振動させようとするガーメイルだが、それよりも早くエルレイドが動いた。
左腕の刃を伸ばし、その刃に念力を纏い、反撃の隙も与えない速さでガーメイルを切り裂く。
「っ、ガーメイル!?」
切り裂かれたガーメイルがゆっくりと地面に落ちる。
ロズレイド戦でのダメージも重なり、体力の限界を超え、ここで戦闘不能になってしまった。
「ガーメイル、お疲れ様。よく頑張ったわね」
ガーメイルをボールに戻すと、サクラはすぐに次のボールを取り出す。
「バトルはここからよ。頼んだわよ、チェリム!」
サクラの二番手は桜ポケモンのチェリム。蕾のような姿をしている。
「チェリム、まずは日本晴れ!」
チェリムが炎の弾を上空に打ち上げる。
打ち上げられた炎の弾は空中にとどまり、小型の太陽のように周囲を明るく照らし出す。
同時に、チェリムの姿が花開いた桜のような姿、ポジフォルムへと変化する。
「日照りなんて関係ない、速攻で決めてやるわ! エルレイド、冷凍パンチ!」
拳に冷気を纏わせ、ロズレイドが動く。
地を蹴って飛び出し、一気にチェリムとの距離を詰める。
「そうはさせないわよ! チェリム、ウェザーボール!」
対してチェリムは空気を固めたような白い弾を撃ち出す。
放たれた直後、強い日差しを浴びたその弾は炎を纏い、炎の弾となって突き進み、エルレイドの冷気の拳を逆に押し戻した。
「チェリム、続けてソーラービーム!」
チェリムの顔の、赤い実のような珠が輝き出す。
強い日差しを吸収し、赤い珠から輝く光の束を放出する。
「っ! エルレイド、躱しなさい!」
咄嗟にエルレイドは大きく跳躍し、光の束を何とか回避し、
「サイコカッター!」
両肘の刃を伸ばし、上空からチェリムへと狙いを定めて刃を振り抜き、二枚の念力の刃を飛ばす。
「チェリム、もう一度ソーラービーム!」
対してチェリムは再び強力な太陽光を溜め込み、輝く光の束を放射する。
太いレーザーのような光の束が念力の刃を飲み込み、砕き、そのままエルレイドへと迫る。
「エルレイド、防御よ! サイコカッター!」
両肘の刃に念力を纏わせ、エルレイドは腕を交差させて構え、防御の体勢を取る。
その直後にソーラービームの直撃を受け、地面に撃墜されるが、砂煙の中からすぐにエルレイドは起き上がった。
「まだまだ行くわよ。チェリム、ソーラービーム!」
「あんまり調子に乗らないでもらおうかしら。エルレイド、影撃ち!」
再び太陽光を溜め込むチェリムだが、光を放つ前に突然背後から打撃を受けてよろめく。
エルレイドが影を伸ばし、背後からチェリムを殴りつけたのだ。
「冷凍パンチ!」
拳に冷気を纏わせ、再びエルレイドが前方に踏み出す。
体勢を崩すチェリムとの距離を一気に詰め、今度こそ冷気の拳がチェリムを捉え、殴り飛ばした。
「マグナムパンチ!」
「ウェザーボール!」
さらにエルレイドは地面を蹴って大砲の弾のように勢いよく跳躍し、拳を構える。
チェリムは宙を舞いながらも白い空気の弾を作り上げ、日差しによって炎を帯びた空気の弾を撃ち出す。
炎の弾と大砲のような拳が、正面から激突。その威力は互角だ。
「次はこう! チェリム、バグノイズ!」
地面に落ちたチェリムは、起き上がると大きく息を吸い込み、甲高い声とともに耳をつんざく超音波を発する。
響き渡るチェリムの声がエルレイドの動きを止め、同時に超音波が体の内側から体力を削り取っていく。
「っ、面倒な技を……! エルレイド、影撃ち!」
音波に苦しめられながら、それでもエルレイドはゆっくりと動く。
右腕を地面に突き刺し、影を伸ばしてチェリムを殴り飛ばし、チェリムの放つ音波を止める。
「やってくれたわね! エルレイド、反撃よ! サイコカッター!」
両肘の刃を伸ばし、その刃に念力を纏わせ、エルレイドが飛び出す。
「チェリム、ウェザーボール!」
チェリムは空気の弾を作り出し、炎を纏わせてそれを放つが、エルレイドは右腕の刃を振り抜いてその弾を一刀両断し、さらに左の刃がチェリムを切り裂いた。
「冷凍パンチ!」
「ソーラービーム!」
さらに拳に冷気を纏わせ、腕を振り上げるエルレイドだが、その拳を振り抜くより早くチェリムの額の赤い珠から輝く光の束が放出され、逆にエルレイドを吹き飛ばした。
「くっ、ソーラービームが厄介ね。だけどこれくらいならどうってことないわ。攻撃力の影に隠れがちだけどエルレイドは特防も高い。日差しが元に戻った瞬間、チェリムは終わりよ」
「それなら、それまでに決めるだけのこと! チェリム、ソーラービーム!」
再びチェリムの額の赤い珠が強い日差しを吸収し、輝く光の束を放出する。
「エルレイド、躱してマグナムパンチ!」
対するエルレイドは大きく跳躍し、光の束を躱して大砲のような重い力を込めた拳を突き出す。
「チェリム、ウェザーボール!」
チェリムが白い空気の弾を作り出すが、エルレイドの方が早かった。
エルレイドの拳の一撃が、チェリムを殴り飛ばす。
「エルレイド、冷凍パンチ!」
「させないわよ! チェリム、ソーラービーム!」
握り締めた両拳に冷気を纏わせ、腕を構えてエルレイドが突撃する。
着地して素早く起き上がり、チェリムは額の珠から太陽光のように輝く光の束を発射する。
光のレーザー砲の中に、冷気を携えたエルレイドが突っ込んでいく。