二次創作小説(紙ほか)
- Re: 第十七話 再会 ( No.55 )
- 日時: 2013/08/15 13:41
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: Q1X0ZXes)
次の日。
レオは、デンエイシティを出、デンエイ炭鉱の中を歩いていた。
多少迷うものの、基本的にはまっすぐ進めば次の町に着く、とユカリは教えてくれた。
「しっかし、ここって野生ポケモンはいないのかね。人工の洞窟とはいえ、全然使われてないんだし、いてもいいんだけどなあ。新しいポケモンも欲しいし」
そんなことを呟きながら進むレオは、少し大きめの石のようなポケモン、イシツブテが道の脇に隠れていたり、天井で蝙蝠ポケモンのズバットが眠っていることには気づいていない。
「ま、いっか。欲しいポケモンが出て来たら、ゲットする感じでいいだろう」
薄明かりに照らされている炭鉱を、レオは歩いていく。
炭鉱を抜け、さらにしばらく進めば、次の町、アカノハシティはもうすぐである。
アカノハシティ。
ハスバナシティやデンエイシティと比べると、かなり大きめな町だ。
かといって、都会という訳でもない。
建物も確かに多いものの、辺りを見渡す限り、植物が多いし、中央の大通りには色々な種類の木が植えられている。
また、立っている建物も決して高くそびえ立っている訳ではない。通りや建物を見た感じでは、かなり和風の町に見える。
ポケモンセンターも町の外観を崩さないようにするためか、木で作られているような塗装がされていた。
レオは今、ポケモンセンターで町のパンフレットを読んでいる。
『この町に植えられている木は、春、夏、秋によい見栄えとなる木にバランスよく分けられています。加えて冬は雪景色が美しく、どの季節に来ても町の美しさを感じることが出来るのです』
今は夏の初め頃だが、最大の見どころは秋で、美しい紅葉を見ることが出来るらしい。
町の名前も、そこから『アカノハ』と付いたようだ。
「……へーえ。で、町の名所は……アカノハ植物園、自然研究所……」
他にもいろいろあるが、ほとんどが植物や自然関連だ。
しかし、レオが真っ先に行くところは一つ。
「さて、ジムへと行くか!」
読み終わったパンフレットをゴミ箱へと投げ捨て、レオは早速ジムへと歩き出す。
アカノハジムは、この町では一、二を争うほど大きな建物だ。
とは言え、この町の建物自体が小さいため、アカノハジムもデンエイのものと比べると少し小さい。
「お、ジムが見えてきたぞ。よっし、今回のジムも頑張ってくぞ!」
ジムを確認して、気合を入れ直し、レオが走り出そうとしたところで、
「レオ? お前、レオか?」
突然、後ろからレオを呼ぶ声。
その声には、聞き覚えがあった。
「! この声……!」
パッと後ろを振り向くと、そこに立っていたのは、レオと同じくらいの年齢に見える少年。
白髪のショートヘアーで、白い服に黒い翼のような模様が描かれ、非常に身軽そうな格好をしている。
「やッぱレオでねェか! 久スぶりだッぺ!」
そして、その少年は特有の訛りのある声で、笑顔を浮かべる。
間違いない。こいつは、
「カンタロウじゃないか!」
この少年の名は、カンタロウ。
一年前、レオがポケモンリーグで戦った、ホウエン地方生まれの鳥使いの少年だ。
ジム戦のことをすっかり忘れ、レオとカンタロウはポケモンセンターに戻っていた。
「それにスても、まさかこげなところでお前と会うとは思わンかッたッぺ。何でホクリクに来てた?」
「父さんの手伝いさ。ホクリクを旅して、たくさんのポケモンの情報を集めて来てくれって。カンタロウは?」
「オラはウチセトさ旅した後、ジョウト、カントーと、西へと旅を続けてただ。ほンで次は北にあるホクリクさ旅してンだ。ホクリクが終われば、トーホク、シンオウを旅する予定だべ」
どうやら、カンタロウはウチセトの旅を終えた後、さらにいろいろな地方を旅していたようだ。
「その旅が終われば、もォ一度ホウエンリーグに出るだ。そこで優勝して、公式的にジムリーダーに挑戦スて、そこで勝って、オラはジムリーダーなるンだッぺ」
つまり、ジムリーダーになるための修行、ということだろう。
「育ててある奴らを三体、新しい鳥ポケモン三体で旅してッぺ。そォだ、レオ。お前、バッジ何個集めただ?」
「僕はまだ二個さ。この後ジムに挑戦する予定だ。ちなみに僕は完全に新しいメンバーで旅してるよ」
「二個か。オラは三個だべ。オラもこの後、アカノハジムさ挑戦するつもりだッぺ」
となると、お互いにこれからジムの予定。
そうなれば、いや、仮にそうなっていなかったとしても、この後二人がやることは、
「だったら、せっかく久しぶりに会ったんだ」
「分かッてッぺ。もツろン、バトるしかねェッてなァ!」
レオ対カンタロウの、バトルが始まる。
「レオ、お前のポケモンはみンな新しいらスいから、オラも新メンバーさ使ッてバトルすッぺ。三対三で異存ねェな?」
「ああ、それでいいぜ」
レオとカンタロウは、同時にボールを取り出す。
「出て来い、ルクシオ!」
「羽ばたけ、コクジャク!」
レオのポケモンは、相性で有利なルクシオ。
カンタロウのポケモンは、壺に入り、足と首を出したような鳥ポケモン。水色の羽には、無数の羽がある。
惑わしポケモンのコクジャク、エスパー・飛行タイプ。
「電気タイプで来ただか。だけンど、オラは世界に羽ばたく鳥使い。苦手タイプ対策は万全だべ」
「そうこなくっちゃな。タイプ相性だけで簡単に勝ったら、つまんないもんな」
ルクシオは牙を剥きだしてコクジャクを睨み付け、威嚇する。
コクジャクも羽に潜んだ無数の目を一斉に見開き、ルクシオの威嚇へ対抗する。