二次創作小説(紙ほか)
- Re: 第十八話 鋼尾 ( No.57 )
- 日時: 2013/08/15 13:42
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: Q1X0ZXes)
「そンなら行くべ! コクジャク、目覚めるパワー!」
コクジャクは黄土色の球体のパワーを放つ。
「この色は……地面タイプだな。ルクシオ、躱してメガショック!」
地面技は、電気技で相殺することは出来ない。
だからルクシオは跳び上がって球体のパワーを躱すと、バチバチと弾ける電撃を放つ。
「電気技は当たれねェなァ。コクジャク、躱して瞑想だべ!」
コクジャクは素早く電撃を回避すると、精神力を研ぎ澄ませ、特殊能力を高める。
「積み技があるんだな。だったらルクシオ、こっちもだ! 帯電!」
コクジャクの瞑想を確認すると、すぐさまルクシオは電気を体内に溜め込み、攻撃と特攻を上げる。
「おおッ、お前も積み技持ちだか? コクジャク、シャドーボール!」
コクジャクは影の弾を作り上げ、ルクシオ目掛けて発射する。
「ルクシオ、アイアンテールで打ち返せ!」
対して、ルクシオは尻尾を鋼のように硬化させ、向かってくる影の弾をバットのように振り、打ち返す。
「コクジャク、シャドーボールだべ!」
跳ね返されて飛んでくる影の弾を、コクジャクは別の影の弾を二発放って、最初の一発目で相殺する。
さらに間髪入れずに飛んできた二発目の影の弾がルクシオに命中する。
「さあ追撃だッぺ! コクジャク、サイコキネシス!」
コクジャクは強い念力を発生させ、念動力の波を飛ばして追撃する。
「回避は間に合わないな……ルクシオ、メガショック!」
体勢が整っていないため、回避は不可能。
ルクシオはバチバチと音を立てて弾ける電撃を放ち、念力の波を何とか相殺する。
「そろそろ反撃と行こうぜ! ルクシオ、辻斬りだ!」
ルクシオは一瞬でコクジャクのすぐそばまで近づき、隠した爪を出し、すれ違いざまにコクジャクを切り裂く。
「やるなァ! コクジャク、シャドーボール!」
斬撃を喰らい、コクジャクは大きく体勢を崩しながら、それでも何とかルクシオへと影の弾を発射する。
「ルクシオ、回避!」
「させンッぺや! コクジャク、連発だべ!」
ルクシオは跳んで影の弾を避けるが、それを追撃するべくコクジャクはさらに立て続けに影の弾を放っていく。
「避けきれないな……ルクシオ、メガショック!」
ルクシオは回避を諦め、弾ける電撃を次々と放っていき、影の弾を片っ端から粉砕していく。
「当たンねェッぺな……ならコクジャク、こうすッぺ。シャドーボール一斉射撃からの目覚めるパワー!」
コクジャクは一旦影の弾の連発を止めると、羽の目をカッと見開き、五発の影の弾を一斉に放つ。
「避けきれる量じゃねえな……ルクシオ、もう一度メガショック!」
ルクシオは広範囲へと音を立てて弾ける電撃を発射し、影の弾を相殺。
大量の影の弾を一斉に打ち消したため、煙が上がる。
しかし、
「甘いべ!」
煙を突き破って黄土色の球体のパワーが飛来し、ルクシオにまともに命中する。
この目覚めるパワーは地面技。メガショックを受けても打ち消されることなく、シャドーボールの後ろから迫ってきていたのだ。
地面技は電気タイプのルクシオに効果抜群。ルクシオは大きなダメージを受け、吹っ飛ばされる。
「さあ次だべ! コクジャク、サイコキネシス!」
吹っ飛ばされるルクシオ目掛けて、コクジャクはさらに念動力の波を発射し、ルクシオを追撃する。
「くそっ、ルクシオ、メガショック!」
ルクシオは体勢を崩しながらも何とか弾ける電撃を放つ。
十分な威力は出ず、相殺は出来なかったが、威力は随分弱まり、ルクシオに大きなダメージはない。
「ルクシオ、もう一度帯電だ!」
「そう悠長に積ンでる暇ァねェべ! コクジャク、目覚めるパワー!」
ルクシオは体に電撃を溜め込み、攻撃能力を上げようとするが、コクジャクは素早く黄土色の球体のパワーを放ち、ルクシオの帯電を妨害する。
「くそっ! ルクシオ、躱してアイアンテール!」
ルクシオは帯電を中止し、ジャンプして球体のパワーを躱し、そこから尻尾を硬化させ、一回転してコクジャクに尻尾を振りかざす。
「コクジャク、躱してサイコキネシス!」
コクジャクは後ろに下がって尻尾の一撃を避けると、念動力の波を放って反撃する。
「サイコキネシスにはこれだ! ルクシオ、辻斬り!」
ルクシオは爪を振るい、念動力を強引に切り裂いてしまう。
このコクジャクはサイコキネシスをちょくちょく使用するものの、相手のポケモンを持ち上げる、という戦法は使ってこない。
「こいつはサイコキネシスを覚えたばッかでなァ、まだ上手くは使いこなせねェだ。まだ波での攻撃しか出来ねけンど、いずれもッと強くなるべ。コクジャク、シャドーボール!」
コクジャクはすかさず影の弾を発射する。
「ルクシオ、躱して辻斬り!」
ルクシオは影の弾を避けると、コクジャクまで一気に接近し、爪で斬りかかる。
「コクジャク、来るべ! サイコキネシスだ!」
コクジャクは素早く念動力の波を放ち、コクジャクの爪の一撃を何とか相殺する。
「メガショック!」
「目覚めるパワー!」
ルクシオはバチバチと弾ける電撃を発射するが、コクジャクは黄土色の球体のパワーを放ち、電撃を突き破る。
「ルクシオ、躱してアイアンテール!」
ルクシオは球体のパワーを躱し、尻尾を硬化させてコクジャクへと振るうが、
「コクジャク、後退だべ!」
コクジャクは後ろへと退き、尻尾の一撃を避ける。
(あれ……?)
ここでレオは違和感に気付いた。
(このコクジャク、何でこんな頑なにアイアンテールを避けるんだ?)
思えば、先ほどからコクジャクはシャドーボールに弾かれて以降、ずっとアイアンテールを避けている。
(どういうことだ……? 避けているってことは、つまり……あ)
ここでレオは閃いた。
コクジャクは、メガショックは目覚めるパワー、辻斬りはサイコキネシスで相殺できる。
しかし、アイアンテールだけは、どの技を撃っても相殺できないのだ。
瞑想を積めば突破できなくもないだろうが、積んでいる間にメガショックの餌食になることは明らかだ。
レオの作戦は一つ。アイアンテールで、隙を作る。
「っし! ルクシオ、アイアンテール!」
だから、すかさずレオはアイアンテールを指示する。
ルクシオは尻尾を硬化させて飛び上がり、一回転してコクジャクへと尻尾を振り下ろす。
「コクジャク、躱してシャドーボール!」
コクジャクはやはり後ろに下がって尻尾を避けた。これでレオは確信する。
そして、そのレオの意図を知らないまま、コクジャクは影の弾を発射する。
「もう一回転だ!」
そこでルクシオはもう一回転し、影の弾を弾き返す。
「おおッ、コクジャク、シャドーボール二発だべ!」
コクジャクは一発目の影の弾で、跳ね返されたシャドーボールを破壊。
煙が上がるが、気にせずコクジャクはもう一発影の弾を放ち、ルクシオを狙う。
しかし、
「辻斬り!」
すでにルクシオはそこにいなかった。
いつの間にかコクジャクの横へと接近していたルクシオは、爪を振るってコクジャクの急所を的確に切り裂く。
「何ッ、いつの間に……!」
「とどめだ! メガショック!」
その隙を作ったところへ、ルクシオはバチバチと弾ける電撃を放つ。
電撃はコクジャクに突撃し、コクジャクは地面へと落ち、戦闘不能となった。
「おー、コクジャクがやられツまッたか。コクジャク、よー頑張ッたべ。休ンでな」
カンタロウはコクジャクをボールへと戻す。
「流石はレオだなや。ポケモンの強さちゃんと引き出してる。だけンど、オラの鳥ポケモンは、これくらいで終わるほど弱かねェべ」
「上等だぜ。どんなポケモンでもかかってこいよ」
レオの言葉に、カンタロウは笑みを浮かべ、次のボールを取り出す。