二次創作小説(紙ほか)
- Re: 第二十八話 恋人 ( No.75 )
- 日時: 2013/08/15 13:51
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: Q1X0ZXes)
「シャワーズ、冷凍ビーム!」
「ドンカラス、熱風だべ!」
シャワーズの放った冷気を込めた光線を、ドンカラスは大きく羽ばたいて熱い烈風を吹き付け、冷気を溶かし、シャワーズにも熱風を喰らわせる。
「効かんぞ! シャワーズ、シグナルビーム!」
熱風は炎技で、大きなダメージにはならない。
シャワーズはすぐに反撃に出る。光を放つカラフルな光線を放ち、ドンカラスを捕らえる。
「チッ、まだだべ! ドンカラス、悪の波動!」
ドンカラスは悪意に満ちた波動を撃ち出し、反撃。
「シャワーズ、溶ける!」
しかしシャワーズは体を液体状に変化させてしまう。波動が直撃するが、シャワーズにダメージは通っていない。
が、
「それさ待ッとッたべ! ドンカラス、サイコキネシス!」
ドンカラスは念力を操作し、シャワーズが変化した水の動きを操作する。
「何だと!? シャワーズ、元に戻れ!」
しかしシャワーズは戻らない、いや、戻れない。
念力に動きをコントロールされ、体の制御が効かなくなっているのだ。
「その水さ湯に変えたるべや! ドンカラス、熱風!」
水となっているシャワーズへとドンカラスは熱風を放ち、水の温度を一気に上げる。
「しまった、シャワーズ!」
高温に耐えられず、シャワーズは悲鳴を上げて元の体に戻り、その場をのた打ち回る。
「ハハッ! ドンカラス、悪の波動!」
その隙を逃さず、ドンカラスは悪意に満ちた波動を発射する。
シャワーズは当然避けられず、吹っ飛ばされ、戦闘不能になった。
「ちっ、シャワーズ、戻れ」
セドニーは無造作にシャワーズを戻し、
「サーナイト、すまないがお前に任せる。頼んだぞ」
後ろに控えていたサーナイトは、テレポートでドンカラスの前へと進み出る。
それにしてもこのセドニー、何故かサーナイトだけやたら優遇している気がする。
「一つ言っておくぞ。俺のサーナイトに傷つけたら、許さねえからな」
「ハァ? ポケモンバトルさやッてンのに、そりゃ無茶だべ」
「知るかそんなもん。サーナイトは俺の恋人なんだよ、少しでも傷つけたら容赦しねえぞ、そん時は覚悟しろよ」
「知らンわそンな事情。スかもオラにブッ飛ばされた奴がそげな口叩いたッて、なンも怖かねェべや」
「さっきは不意打ちだったからな! そろそろ始めるぞ、サーナイト、十万ボルト!」
正直、セドニーが言った言葉をカンタロウは半分聞き流していた。
もしセドニーがサーナイトを恋人だといったのをはっきりと聞いていたら、大爆笑していただろう。
とにかく、このセドニーと言う男は、自分のポケモンに恋してしまっているのだ。
「サーナイト、十万ボルトだ!」
サーナイトは両手を構え、強烈な電撃を撃ち出す。
「ドンカラス、躱して襲撃だべ!」
ドンカラスは素早く電撃を躱し、一瞬でサーナイトの正面に現れると、翼を振るう。
「させるか! サーナイト、躱して十万ボルト!」
しかしサーナイトはテレポートでドンカラスの後ろに回り、強い電撃を発射する。
この至近距離では避けられず、ドンカラスは電撃をまともに浴び、ここで戦闘不能となる。
「ドンカラス、よォやッたべ。休んどきや」
カンタロウはドンカラスをボールに戻し、次のボールを取り出す。
「ンなら次さお前だべ。羽ばたけ、ムクバード!」
カンタロウの対のポケモンは、エース候補のムクバード。
「ハッ、まだ進化していないムクバードかよ。俺の敵じゃねえな」
「そりゃどォかねェ。オラのムクバードは、ドンカラスとタメさ張れンだべ?」
「そうかよ。なら安心した、それなら勝てるわ」
「随分と舐められたモンさなァ。ンならムクバード、燕返し!」
しかし、ムクバードが突貫する直前、動きがあった。
それは、
「ポリゴン2、チャージビーム!」
再びポリゴン2は電撃を溜め込み、光線へと変えて撃ち出す。先ほどよりも威力は上がっている。
「やっぱ上がってるな! ルクシオ、躱して帯電!」
電撃の光線を躱し、ルクシオは体に電気を溜め込む。
「させませんよ! トライアタック!」
ルクシオが電気を溜め込むと同じタイミングで、ポリゴン2は炎、氷、電気の三つの光線を撃ち出す。
ルクシオは帯電は出来たが、そこから避けられず、吹っ飛ばされる。
「ルクシオ、まだ行けるか?」
ルクシオは吹っ飛ばされて床へと落ちるが、まだ起き上がる。
「攻めたてなさい! ポリゴン2、ダイヤブラスト!」
「させるかよ! ルクシオ、メガショック!」
ポリゴン2が放つ、青白く煌めく爆風を飛び上がって躱し、ルクシオはバチバチと音を立てて弾ける電撃を放つ。
ポリゴン2に命中するが、
「トライアタックです!」
ダメージを感じないようプログラムされているポリゴン2の動きは止まらない。
電撃に動じず、ポリゴン2は炎、氷、電撃の三つの光線を放ち、宙へと跳び上がっていたルクシオを吹っ飛ばす。
「とどめです! ポリゴン2、ダイヤブラスト!」
吹っ飛ぶルクシオを追ってポリゴン2は動き、青白く煌めく爆風を放ち、再度ルクシオを吹っ飛ばす。
ルクシオは壁にぶつかり、戦闘不能となってしまう。
「ルクシオ、よくやった。戻って休んでてくれ」
レオはルクシオをボールに戻し、次のボールを取り出す。
「確かブースターを持ってたよな。だったら、頼んだぜ、ポッチャマ!」
レオはエースのポッチャマを繰り出す。
「ポッチャマですか。進化していないポケモンなど、私の敵ではありませんが? ポリゴン2、チャージビーム!」
「進化してないだけで、僕の手持ちの中では一番強いんだけどな! ポッチャマ、躱してドリル嘴!」
ポリゴン2は電撃を溜め込み、光線に変えて撃ち出すが、ポッチャマはそれを躱すと、地を蹴って跳び、嘴を伸ばして回転しながらポリゴン2に激突する。
「決めろ! アクアジェットだ!」
ポッチャマは体に水を纏い、体勢を崩しているポリゴン2へと再び激突。
ポリゴン2は吹っ飛ばされ、何かの機械に衝突し、戦闘不能となった。
「ふむ、まあこんなところでしょう。ポリゴン2、戻っていなさい」
ポリゴン2をボールへと戻し、ソライトは別のボールを取り出す。
「操作せよ、ジバコイル!」
ソライトの次なるポケモンは、コイルが三体連結したUFOのような外見のポケモン。左右のコイルと真ん中のコイルの後ろには磁石が付いている。
ジバコイル、地場ポケモン。コイルの最終進化形で、タイプもコイルと同じ電気・鋼。
「電気タイプかよ……つっても、トゲチックでも不利だったな」
とにかく、こいつを倒さないと次には進めない。
しかしその時、動きがあった。
それは、
「応援を呼んできたのでございますよ」
突然、研究所にゆっくりとした優しい声が響き渡る。
四人が同時に研究所の扉の方を見る。
オレンジ色の髪に、赤い着物を着た女性、ジムリーダーのモミジがニコニコ笑顔で立っていた。
「ケッ、今更ジムリーダーかよ」
「全く、この町のジムリーダーには随分とペースを狂わされますね。とは言え、私たちが総力を以て——」
ソライトの言葉は、最後まで聞こえなかった。
ゴバッ!! と。
研究所の半分が、まとめて破壊され、瓦礫となって吹っ飛んだからだ。