ALLジャンルのオリジナル小説、ライトノベル、二次創作、ss小説やイラスト投稿なら「小説☆カキコ」

魔王と同じ、恐怖を感じさせる黒く光る瞳。
その威圧感に、身震いするしかなかった。
マテリアル達はサーヤの後姿をジッと見つめる。
「・・・・」
「あれが、紗綾ちゃん・・・・？」
いつもは余裕以外の表情を見せない翼も、さすがに動揺を隠せないようだ。
「・・・紗綾・・・」
レイヤがぽつりと呟く。
いつものサーヤではなく、紗綾と呼んだことから、やはり王女としての紗綾なのだろう。

一方の魔王は。
「く・・・・貴様・・・・」
荒く呼吸を繰り返し、紗綾を睨みつける。
が、対しての紗綾も睨みかえしてやる。
「・・・魔界を消すなら・・・魔王を消したほうが早いから」
紗綾は言う。
「くっ・・・・・貴様！！！」
魔王は掌を紗綾に向け、叫ぶ。
すると、闇の力が段々と強まっていく。
それは紗綾に向いていた。
「！！」
さすがに今の状況だとしても、反応は遅れてしまう。
そして、魔王がニヤリと笑う。
次の瞬間、闇の力が放たれる・・・・。



なにが起きたのだろう。
しんと静まりかえった暗闇。
必死に思い出そうとしても、ただただ暗いなにかが記憶を閉ざしている。

声が聞こえた。
黎夜？兄さん？
だれが、私のことを呼んでいるの？
うっすらと瞳を開ける。
そこに広がるのは、サーヤが期待していた、優しい皆の笑顔でも、心配する顔でもない。



ただ無情に広がる・・・・


闇だった。
＋＋＋
あと1〜2話で一部は終わるはず！