ある日の帰り道。サーヤは珍しく一人で歩いていた。なんだか右と左がぽっかりと開いていて変な感じがしている。そんな事を考えながら、ふと、空を仰いで見る。遥か高い空の上に・・・・・ポツリと、大きな鳥の影が見えた気がした。サーヤは直感する。ルナだ、と。かすかに見えた、鳥の背の上に、茶色の長い髪を持つ少女と、黒髪の少年が居た。サーヤは数秒瞬きを繰り返した後。「ルナちゃん、タイくん、頑張って」暖かい春の日のこと———。