二次創作小説(紙ほか)

Re: サトミちゃんちの8男子〜幼馴染との再会〜 ( No.31 )
日時: 2014/01/19 21:46
名前: 美咲 (ID: VW2sEslj)

〜(四話の)つづき〜
 


————「…サトミ、もしかして・・・!」————



龍の見開いたその目には、少し期待の眼差しを含んでいた。



「あの、小2の時引っ越して行った・・・」




「はぁ……やっと、思い出したんだな。俺のこと。…たく、おせぇっての。」


やっぱ・・・そうだったんだ。



 ————「待ってる、待ってるよ! ”龍”くん!」————




こんな風に再会するなんて、思ってもみなかった。




「ごめん、…で、でも! 昔の龍君はこんなしつこくてムカつくような人じゃなかったじゃん。それに、あたし・・・今までにいろんな事があったし…。」




性格も顔も変わってる。いくら面影があったからって、すぐには気付けないよ。



「そうでもしないと気付かねぇだろ、お前は。それに性格なんて何年もすりゃ変わるし。サトミは逆に変わってなさすぎて、すげー笑えたし。」



いやいや、その性格はあたしには逆効果だって!
余計思い出せないよ。



「フン! 悪かったわね! か、変わってなさすぎて。」



すると、龍はふっと何かを思い出したように
急にまじめな顔つきになった。



「まぁいいけど。それよりさぁ、覚えてる?
           あの時の約束・・・・。」

約束……? 
そんなこと、したっけ?

あたしは首をかしげた。


「おぃ覚えてねぇのかよ。ほら、俺が引っ越す一日前、あん時言ったじゃん俺、・・・・・」



え、あ、あの夢でも見た、お別れの日?約束なんて、したっけ…。



「『必ずまた帰ってくる、お前のために・・・それまで、待てるか?』って。」


あぁ、それか。


「それならあたし待ってたよ、ここでずっと。」

「へぇ、忘れてたんじゃねーの?」


ギクッ、まぁ確かにさっきまで忘れてたけど!
小2の事だし、少ーし無理があるんじゃ・・・。



「てか、そういうことじゃねぇよ。もしかしてサトミ、あの約束の"本当の意味"分かってなかったのか?」
 


・・・・・



「本当の意味?だから龍君がまたここに帰ってくるのを待ってろっていうことじゃ…「ハァー」・・・?」




あたしが言い終わらないうちに龍君がため息をついた。



「まだ幼かったからお前には分からなくて当然だったか。ま、今でも分かんねぇようだし、俺が分かりやすく言ってやるしかないか。」



ムッ!
鈍感ですみませんね!



そして龍は紡ぐ、



「本当の意味はな…俺の、サトミに対しての・・・・
  
    
                   プロポーズなんだよ」


"本当の意味"を。                           
                            〜第四話終〜