二次創作小説(紙ほか)
- Re: サトミちゃんちの8男子〜幼馴染との再会〜 ( No.39 )
- 日時: 2014/01/19 22:28
- 名前: 美咲 (ID: VW2sEslj)
〜(五話の)つづき〜
—放課後—
ふぅー。やっと終わった〜。
あれから、授業中龍君とはすごく気まずくてあまり話
せなかった。
しかも、休み時間はクラスの女子達が
龍君を囲んで"キャッキャッ"うるさかったし。
・・・あっ、そういえば今日、ソウスケがあたしの夢をみんなに見せるんだった。
早く帰らないと…!
そう思って、急いで教室から出ようとするあたしを
「サトミ、一緒に帰ろうぜ。」
龍が止めた。
あたし、今急いでるんだけど・・・・
まぁいっか、断るのもなんだし。
———————
…というわけで、只今一緒に下校中・・・。
並んでると分かる。
龍君がすごーく成長したんだなって。背伸びてる。
昔は、あたしとあまり変わらないくらいだったのに…。
あたしが、じ〜っと龍君を見ていると
「…なんだよ。」
視線を感じたらしく、チラッとあたしを見て言う。
「いや、別に…なんでもないよ。」
成長したね、とか言ったらまた「サトミは変わってなさすぎ。」って言われそうだから、やめといた。
「…俺が渡したリボン、まだ使ってんだな。」
「あー、これ?」
あたしは自分の髪を結んでるリボンに手を掛ける。
そういえば、これは龍君に貰ったんだよね。
思い出す前も、このリボンは大事だってことだけは忘れなかった。
それに、ずっと前から使う習慣がついていたから。
「うん、大事だし…。龍君はこんな物とか言ってたけど、使い始めてもう5年目じゃん。すごい長持ちだよ。」
あたしの言葉に、龍君はかすかに、微笑んだ。
「それにしても、懐かしいな、この道……変わってない。」
空は茜一色だ。すごい…。
太陽が西の山と山の間から朱色の光を放っている。日が短くなり始めたのが分かる。
龍君は周りを見渡しながら懐かしんでる。
「サトミ、昔さぁ、よくここの坂で転んでは俺に泣きついてきたよなー。」
…なっ!!
「…お、覚えてないもん!どうせ、む、昔のことだし!」
ホントは覚えてるけど…!
「ふーん、素直じゃねぇ。」
悪かったわね!素直じゃなくて。
まったく今日は何回謝ればいいの。
「あ、俺こっちだから。じゃぁな、サトミ。」
…あ、そっか。
龍君が前住んでた所は空地になって、また新しい人の住居になったんだ。
だから前より家遠くなるんだ。
秋のこの時間帯の住宅街は孤独感を感じるような静かさに包まれている気がした。
「うん。また明日、龍君。」
「龍でいいから。」
少し歩いたところで、そう言い残して行った。
…確かに「君」付けは面倒くさかったかもしれない。
性格も変わったし、龍のほうが呼びがいがあるからちょうどよかった。
よしっ!男子達、もう集まってるだろうし、あたしも急ごう。
ゆるやかな坂を上り、家へと足を進めた。
〜第五話終〜