二次創作小説(紙ほか)

Re: サトミちゃんちの8男子〜幼馴染との再会〜 ( No.48 )
日時: 2014/01/19 14:25
名前: 美咲 (ID: VW2sEslj)

三週間どころか一か月たつところだったので、
久しぶりに更新したいと思います!





〜第八話「2人目の転校生」〜



ーサトミsideー


「行ってきまぁぁーす!」


…やばいやばい!
昨日は早めに寝たっていうのに、遅刻しちゃうっ!


家の前の門に繋がる階段を駆け下り、学校へ向かってそのまま突っ走
る。



…それにしても、何だったんだろ。さっき、男子達からものすごい視線を感じたんだけど・・・。




「おぅ、サトミ。」

「あ、龍!ちょうど良かった、一緒行こっ!」


家から少し離れた、通学路にある別れ道。そこでバッタリ出会ったのは、龍。

通学路にもう、他の生徒はいない。…一人よりも心強い。



少し肌寒くなるような風、でも気持ちいい、
 
  ……そんな秋晴れの空の下で、あたし達は走り続けた。





ー学校ー


「ハァッ、ハァ…。」

もちろん、こんな走ってきたら息も上がる。

教室のドアの前であたしは呼吸を整えた。

チラッと横にいる龍を見上げてみると、まったく息を乱さず、表情一つ変えていない様子で。

これは・・・
う、運動神経…抜群!



…それにしても、セーフだよ!何とかギリギリ、間に合った。

教室に入ると、一気にざわつき始めるクラスの主な女子達。
聞こえてくるのは、ひそひそ話。


「ねぇちょっと、なんで里見さんと城樹君が一緒に来てるわけ?」

「二人ってどんな関係?」

「ていうか、里見さんって、とっかえひっかえイケメンと付き合ってるよね…。」

「あーそれっ、噂で聞いたことあるけど…ないよね〜。」


ハァ、超聞こえてくるよ…。
…付き合ってるとか、そんなの全然ないのになぁ。


あ、でもこの話、龍に聞かれてたらっ…!

ハッとして見ると、龍はいつの間にかクラスの男子と仲良く話していた。

ホッ。
龍に話を聞かれていないことに安心し、あたしは胸をなでおろした。


あたし自身は、もうこのひそひそ話には慣れているから、あまり気にしないように席に着いた。



そして、数分後。
意外にも先生が遅れて教室へやってきた。

「すみません、遅くなりました。えー、実は今日も転入生がいます。どうぞ、入って下さい。」


ま、また転入生…?


ガラッ


入ってきたのは、またもや長身の男・・・・・・!?って、

「えっ、ミ、ミミミ…ミッチー!?」

あたし、思わず立ち上がる。

ミッチーはあたしに気付くと、

「おぅ!サトミじゃん!!」

そこまで遠くもないのに、あたしに大きく手を振った。


「え、今度は何?」

「またまた、どんな関係なの!?」

「またイケメンじゃん!」

どっと、再びざわめきだすクラスの女子。



でも、そんなの今は耳に入んない。

だって、驚いたんだもん。


「な、何でミッチーが、うちの学校に!?」


ミッチーはあたしの家の近所の公立に通ってるはずなのに…。

「まぁ、それは後で教えっから!」

…今、この場では言えない大きな理由でもあるのかな。

そういえば、ミッチーが前言ってた手続きって…転入手続きだったのか。(←第三話、前半参照)



「二人は知り合いなのですね。でも、話はそこまでにして、みんなに自己紹介お願いね。」


あたしは、今だに一人椅子から立ち上がったまま。

普通なら怒られるところだろうけど、先生は優しくあたし達の会話を中断させた。

「あ、そうだった。俺は犬山道節!ミチにフシって書くからミッチーな!よろしく!!」

ミッチーは元気に自己紹介。
クラスのみんなは、“変な名前”って顔してるけど…。


「なぁサトミ。あの転校生とどんな関係?」

そこであたしにそう問いかけてきたのは、机に肘をつき、なぜか不機嫌そうな顔をした龍。



・・・え〜っと、これは何て言えばいいんだろ。

…あたしを守ってくれる忍者?……そんなの今どきいないよね。

で、でも本当なわけで〜・・・。

んー、どう言えば・・・・・う〜〜〜〜っもう言っちゃえ!!


「さ、里見家に仕える、に、忍者だよっ。」


…うわ〜。信じないよね、いくら幼馴染でも。


「へぇ。あいつが、か。 ・・・。」

えっ、信じた!?

ほ、ほんと、何考えてるんだか・・・。

「けど、少し馴れ馴れしくない?…いや、少しっていうより“超”がつくほど…。」

まあそれは今まで呪いとか【?】いろいろあったわけで、それに…

「もともとああいう性格だからね。」

仕方ないよ。

それでも、やるときはやる、里見家にぴったりの忍者なんだから。
…こんなの恥ずかしくて口には出せないけどね。



「じゃあ席は、里見さんの後ろに座ってくださいね。」

んっ?後ろ?

待って、あたしは一番後ろの席のはず。
そう思って見てみると、後ろには…今までなかったはずの机と椅子が、いつの間にか置かれていた。


「お、ラッキー。サトミの後ろじゃん!」

席の場所を聞いて、嬉しそうにバタバタと駆け寄ってくるミッチー。

そして、あたしの後ろの席に座るなり、

「よろしくな、サトミ!」

と、軽く挨拶。


「う、うん…。」

あたしは、みんなからの視線に戸惑いながらも、小さく返した。




                  
                           〜つづく〜