二次創作小説(紙ほか)

Re: (D灰)ルージェの空に…… 第1話Part4更新! ( No.16 )
日時: 2013/11/30 19:39
名前: 風死  ◆Z1iQc90X/A (ID: 68i0zNNK)

 第1章 闇よりいでる
 第1話「黒の教団」Part6

 「相変わらずボロイ船だな」
 「仕方ねぇだろ、教団はこういうところで金削減しねぇとやっていけねえんだよ」
 
 地下水道。
 ここがエクソシストたちが船出をするときに使う船が設置された場所である。
 しかしあるのは漕ぎ手と3人の人間がギリギリで乗れそうな程度の小舟。
 眉根を寄せ嘆息するテッサイアをなだめるリーバー。
 
 「それはそうですよね。裏方はいつだってお金の工面(くめん)に苦労するものです。それが政府直結でも……」
 「お前の師匠も大変な奇人だよな」
 「言わないでくださいテッサイアさんっ」
 
 そんなリーバーとテッサイアを眺めながらアレンは溜息をつき、遠くを見るような目でつぶやく。
 前に出ることのできない者の悲哀(ひあい)を。
 この年でどれほど辛い経験をしてきたのだと心の底で嘆くリーバー。
 そしてテッサイアは同情の声を上げる。
 
 「はっ、馬鹿が。元帥なんてどいつもろくでもねぇよ」
 
 つらい過去を思い出したのか塞ぎこむアレンを見て、自分の師匠であるティエドール元帥に良い思い出がないらしい神田が毒づく。
 神田の簡潔な怒りに、周りの全員が納得し頷いたと同時に、後ろからかけられる声。

 「皆様お揃いでしたか。ではそろそろ舟を出しますがよろしいでしょうか?」

 教団用の白いジャケットに身を包んだ小柄な中年男だ。
 おそらくは舟の漕ぎ手だろう。

 「1つ聞く」
 「何度聞かれてもこう答えるしかありやせんよテッサイアの旦那。これでも一応は舟です」
 「いやそうではない」
 「だからこいつは舟です! 俺の相棒、ベルグラング・シャーラッテ・フェアリアスト号ですっ!」
 「だから……そうじゃなくてだな」

 漕ぎ手に違和感を感じたテッサイアが声をかける。
 しかし漕ぎ手は取りつくしまがない。
 どうやら自らの愛する小舟が馬鹿にされるのが嫌なようだ。
 様子からするによほど文句を言われてきたのだろう。
 男の声は激しい。
 しかしテッサイアが言っていたのはそういうことではなくて。
 男の喉元に裂け目があるという違和感。
 もちろんリーバーやアレン達も気づいている。

 「しつこいですよテッサイアさ……えっ、がっがばばばっ、ぐふっ!?」

 だが気付かない漕ぎ手の男はテッサイアの質問に答えず怒り続けた。
 そして次の瞬間。
 男の体はズタズタに引き裂かれ、大量の血を撒き散らしながら中から……

 「AKUMAか……?」



  

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