二次創作小説(紙ほか)

Re: (D灰)ルージェの空に…… 第1話Part2更新! ( No.5 )
日時: 2013/06/03 15:38
名前: 風死  ◆Z1iQc90X/A (ID: 68i0zNNK)

 第1章 闇よりいでる
 第1話「黒の教団」Part3

 室長室。
 黒の教団本部1階地下非常時逃走ルート近くにその部屋は設置されていた。
 ちなみに室長以上に重要なポジションに就いている者達部屋は全て地価に設置されている。

 「相変わらずきったねぇな?」

 テッサイアが室内の惨状を見て愚痴た。

 「仕方ねぇよ。掃除する暇なんてのはそれこそねぇしな」
 
 室長の片腕であるリーバーはバツの悪そうな表情を浮かべて。

 「掃除役を置くわけにもいかんだろうしな」」
 「そういうことだ。慣れてくれ」

 潔癖(けっぺき)なテッサイアは心底渋い顔をするが、無理やり納得させ喉を鳴らす。

 そして乱雑に置かれた書類の海の中。
 飛び飛びにしかない足場を探しながらリーバーとテッサイアは、机に突っ伏しながら眠っている威厳(いげん)のかけらもない上司の下へ向かう。

 「殴って良いか?」
 「気持ちは分かるが審問に掛けられたりするのは面倒だろう? だから我慢してくれ」
 
 近くに立っても一向に起き上がる気配の無い上官に、苛立ち反抗的な狼のような唸(うな)り声を上げるテッサイア。
 リーバーは狂犬を宥(なだ)めるブリーダーのようにへらへらと笑い、テッサイアを静かにさせると「やれやれれ」とぼやく。
 そして眼前で突っ伏す白いベレー帽の上官に耳打ち。
 
 「リナリーが結婚するらしいっすよ?」
 「何いぃぃぃぃぃぃぃっっっっっっっっっっっっ!?」
 「ガハッ!」

 リーバーが言い切る前に目の前の男は、先ほどまでが嘘のような超反応を見せ起き上がる。
 それはまるであらかじめ仕掛けられていた目覚まし時計の如く。
 目の前に居たリーバーを後頭部で吹き飛ばし、大音響の悲鳴を上げる。
 それだけ目の前の男にとってリナリーという存在が大事ということだろう。

 「僕のリナリー!? 僕のリナリーが結婚だって!? そんな認めないお兄ちゃんは認めないぞおぉぉぉっ! 何でテッサイア君がここに居るんだい! まさか君がリナリーのへぶぅっ」 
 「お前を起こすためにリーバーが言った嘘だ。安心しろ」

 面長な眼鏡の男、通称室長の絶叫は続く。
 リナリーの結婚。
 地獄に堕ちるよりも彼にとってそれは耐え難いことらしい。
 混乱する男に容赦なくテッサイアは鉄拳を下す。
 
 「そうか、良かった」

 痛みに涙を滲(にじ)ませながら、室長はホッと一息ついた。 

 「そもそも俺があいつと結婚なんて考えるはずがないだろう?」
 「そうだったね。悪かったよ。本題に入ろう」
  
 テッサイアには望郷にフィアンセが居る。
 絶対千年伯爵との戦争を終わらせて帰ってくると誓った、最愛の女性だ。 
 その事情を知る目の前の男は考えてみればその通りだとようやく納得したのか、普段の冷静で知的な表情に戻る。

 「スペイン南部の小さな町、ファローサ。そこから東方に進むと小高い岡の上に自愛の学園という場所があるらしい」
 「用はそこで奇怪が起こったってことか」
 「いや、もっと恐ろしいことだ。そこでノアが覚醒したらしい」
 「ノアだとッ!?」

 室長の“ノア”という単語に過剰(かじょう)反応するテッサイア。
 彼はノアにより近しい仲間を2人失っていたのだ。

  

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