二次創作小説(紙ほか)
- Re: ハリーポッターと無名の生き残り ( No.13 )
- 日時: 2013/03/14 19:10
- 名前: プリア ◆P2rg3ouW6M (ID: 21zier3A)
おじさんの言葉に、満足そうに理紗子は微笑み、それから邪魔者扱いをするような瞳で美沙を見た。
一家の中でのけ者扱いされているといっても、外出する時はだいたいいつも連れて行ってもらえるのは、不思議だった。おそらく、留守番している間に、美沙が家で何か起こすのではないか、と心配してのことだろう。
おじさんたちは、美沙が少しでも不可解な行動をとると、いちいち干渉してくる。子ども扱いされているのか、信用されていないのか……。きっと信用されていないのだろう、と思うと、冷ややかな心地になる。と同時に、どこかで残念な気持ちも芽生えるのは、美沙としても認めたくないことだった。
「コンサートが終わったら、歌手の方とお話することは出来る?」
「もちろんよ、リサちゃん。そうよね、あなた」
おばさんに言われ、おじさんは面倒くさそうに頷いた。
しばらくして、おばさんと理紗子が先に車に乗り込んだ。
外出するために車へ乗り込むときは、鼻歌でも歌いたいほど晴れやかな気分になる。口が笑ってしまうのをこらえながら車に乗ろうとすると、戸締りを終えたおじさんが近寄ってきて、脅すように言った。
「いいか。ちょっとでも変なことをやらかして、恥をかかせるんじゃないぞ」
「……いつも、大人しくしているのに」
「口答えするな……! とにかく、何もやらかすんじゃないぞ」
もはや、外出する時のお決まりのやりとりだ。美沙が、いくらおじさんに「普通にしている」と言っても、まともに聞いてくれたことすらない。
自分でもまったくわからないけれど、美沙の周りでは、よく不思議なことが起こるのだ。
小学四年生のある時のこと。
理紗子が通う華道教室に持っていくための花を、美沙が買い出しに出かけたことがあった。
そうして、腕いっぱいに花を持ち、家へ帰る最中。ばったりと理紗子に出くわした。「結局、理紗子が来たのなら、私が行く意味なかったのに」と言うと、理紗子は、「美沙が遅いから、何かやらかしたんじゃないかと思って」と、うんざりした表情で答えた。
その後理紗子は、「花を落とされると困る」と、美沙から花をひったくる。そうして、花を振り回してスキップしていたため、理紗子自身が近くの池に花を落としてしまった。
汚れることをためらわない美沙は、わざわざ池に入って泥だらけの花を持ってきたが、その後はおばさんにこっぴどくお説教された。理紗子には「美沙が落としたの」と濡れ衣を着させられ、「水洗いすればいいのに」と言えば、おばさんに「反省していないでしょう!」と怒鳴られ、さんざんだ。
そして、とうとう癇癪を起こし、理紗子が泣き出した。
わざとらしい理紗子の様子に、美沙は腹を立てずにはいられなかった。
——どうせ、わざとに決まってる。
美沙が、いらだちを抑えていたとき。
泥だらけで放られていた花が、急に別の種の花へと変わった。
おばさんたちは、たちまちパニックになってしまったが、ふっと溶けるように変化した花を、美沙は興味津々に見つめる。
その様子を、ちょうど仕事から帰ってきたおじさんに見られたのが、まずかった。
また、こんなこともあった。小学五年生の運動会練習の時だ。
リレーの練習を学年全体でしている時。美沙は運悪く、次にバトンを渡す人が理紗子へと決まってしまった。おかげで理紗子は、美沙の渡したバトンをわざわざ落とすし、美沙の渡し方が悪い悪いと文句を言うようになる。
本番でも、理紗子は同じようにするだろう。
本番は、おじさんたちも、見学に来る。
人目を気にするおじさんに恥をかかせたら、と思うと、逃げ出したい心地になった。
そして、運動会が明日に迫った日。
いつものように、掃除サボリでお馴染みの理紗子軍団のかわりに、美沙がトイレ掃除をしていた時だ。
おじさんたちは、大勢の人がいる前で理紗子が恥をかくことを、何よりも嫌う。明日の運動会のような……理紗子が大勢の人の前でバトンを落とし、クラスの足手まといになるところを、観客に見られるような……。
そう思ったその時。気が付けば、よく見慣れたところに立っていた。自分の家の、自分の部屋の中に。
こうした不思議なことが起こるたび、おじさんたちは美沙のせいだ、というように、こっぴどく叱ってくる。
美沙自身、やったという自覚さえなく、そう思ったこともない。
(いつも私の周りが変なだけなのに……)
自分が周りと違うのは、両親がいないこと。そして、ハーフなこと。それだけで、十分なのに。
せっかく、今日はコンサートに連れて行ってもらえるのだ。歌の好きな美沙としても、今日だけは何も起こしたくない、起こってほしくない、と願うばかりだった。
〜つづく〜
☆美沙ことミーシャが無意識に使った魔法……。
前者が変身術、後者が姿くらまし、のつもりです;
