二次創作小説(紙ほか)
- Re: ハリー・ポッターと無名の生き残り ( No.32 )
- 日時: 2013/03/27 18:22
- 名前: プリア ◆P2rg3ouW6M (ID: FSHRfx37)
第四話 先生たち
七月も、もうそろそろ終わりを迎えようとしていた頃のことだ。
美沙がまだ赤ん坊だった時にプリペッド通りにいた三人が、おかしな部屋で話し合っていた。今回はあの時のようにひそひそと小さい声で言い合うのではなく、癇癪を起こしかけて怒鳴るように話している者もいる。
おかしな部屋の壁には、いくつもの肖像画が飾ってあった。肖像画に写っている人々は、みな厳格で聡明な雰囲気を醸し出している。時々、動いて見えるほどに。
「手紙をもらってねえですって?」
ハグリッドが火山が噴火するような勢いで大声を出した。信じられないというように目を見開いており、今すぐにでも癇癪を起こしそうだ。
マクゴナガル先生も、イライラしたようにダンブルドアを見る。
「アルバス! それは一体どういうことなんですか?」
「そのままの意味じゃよ。ハリーとミーシャは、ホグワーツの入学許可証をもらっていないのじゃ。おじさんとおばさんは……手紙を見せることを拒んでいるらしくての」
ダンブルドアはどこか落ち着いて見えるが、マクゴナガル先生とハグリッドは険しい顔つきをしている。
マクゴナガル先生が、さらに詰め寄った。
「ではハリーとミーシャはホグワーツのことを知らないということですか?」
「いいや、赤ん坊の時に預けた手紙にわしがすべてを書いておいたから、おじさんたちが最低限のことは話しているじゃろう」
「そんでも先生! 入学許可証をもらってないんなら、なんにもならねえです!」
早口に言ってのけたハグリッドと対照的に、ダンブルドアはゆっくりとした口調だ。
「もっともじゃ、ハグリッド。じゃから、君とマクゴナガル先生に、ハリーとミーシャを迎えに行ってもらいたい。手紙を渡し、ダイアゴン横丁を案内してあげるのじゃ。……赤ん坊の時以来の再会じゃな」
ダンブルドアが少しばかり微笑むと、ハグリッドも興奮した面持ちで瞳を輝かせた。
「もちろんです! ハリーの迎えなら喜んで行きますだ!」
ミーシャの迎えも行きたそうな様子だったが、あえて口に出さなかったのだろう。
しかし、マクゴナガル先生は一瞬微笑みかけたが、何か考えているように俯いた。
「もし……おじたちが連れて行かせてくれなければどうするのです?」
「その時は、ハリーとミーシャ自身の判断に任せればよいじゃろう」
「そもそも手紙を渡さない方々です、私たちが家へあがるのを拒んだら……」
「まっ、その時は多少魔法を使って対処するとよいじゃろう。おじさんたちも、わしらの世界のことは少し知っているのじゃから。あまり驚かせんようにの」
ダンブルドアの言葉には、どこか面白がっているような響きがあった。そうして、ふっと真剣な面持ちになると、言葉を付け加える。
「何よりも大事なのは、ハリーとミーシャの判断を優先させることじゃ」
そこまで黙って聞いていたハグリッドが、驚いてダンブルドアを見た。
「先生、俺も魔法を使っていいんですか?」
「もちろんじゃ、ハグリッド。二人を連れてくるのに、苦労しそうじゃからの」
「感謝します……! ダンブルドア先生!」
嬉しさを隠し切れないハグリッドの様子にダンブルドアは微笑し、顔を引き締めた。
「さて……例のアレのことじゃが、ハグリッドが金庫から持ってきてくれることになっておる。しばらくはこのホグワーツに隠しておくことになったのじゃ」
ダンブルドアの緊張した面持ちに、ハグリッドもマクゴナガル先生も真剣に耳を傾けている。ダンブルドアは続けた。
「そこで、先生方にそれを盗もうとする者の足止めとなる呪文や魔法をかけてもらいたいのじゃ。そうじゃのう……スプラウト先生、フリットウィック先生、マクゴナガル先生……それからセブルス、これくらいでいいじゃろう。わしも少し細工するからのう」
マクゴナガル先生が、厳格な表情で頷いた。
「例のものはどこにおいておくのですか?」
「四階の廊下の部屋の地下じゃよ。ハグリッドに犬を貸してもらって、ひとまず入り口を守ってもらおうと思うておる」
「それで万が一、その犬の守りを突破した時のために、私たちも呪文や魔法を?」
「そういうことじゃ」
そして、ダンブルドアはその日が待ちきれないといった様子で瞳を輝かせた。
「それじゃ、ハグリッドとマクゴナガル先生は、7月31日になったら行ってくれるかの」
無論、ダンブルドアが楽しみにしているのは、ハリーとミーシャが一年生として入学してくる日のことだ。
☆これで終わりの第四章。
短い第四章ですが、これほどタイトルに悩むとは……。
後で変えるかもしれないというくらい、納得のいかないタイトルです;
ちなみに、ここでの「おかしな部屋」は校長室のつもりです。
三階の廊下か、四階の廊下か悩みましたが、ここは書籍に合わせて。
