二次創作小説(紙ほか)

Re: 黒子のバスケ【私にとって、君は光】 ( No.11 )
日時: 2013/03/17 20:30
名前: 詩隈伊吹 (ID: bKy24fC9)

第4Q【青、出逢ったはいいが】


「はぁっ、はぁっ……っ! はぁ!」

全速力で、学校に戻ってきた。
そのかいあって、15分かかる道のりが5分短縮された。
校門の所で一度息を整えて、それからまた走り出す。

(ってか、まじでいるかな、黒子。)

黒子はバスケ部と勝手に断定して無計画に走り出してきてしまった訳で、あたしはここにきて不安にかられてしまった。
自分の行動力が時に嫌になる。

体育館の入口。
そっと、扉の隙間から覗いて見る。
人がいない。
いや、一人いた。
一人でシュートの練習をしている。
青い髪の長身の男子。

(あ、えっと。青峰だっけ)

一回職員室で見かけたことがある。
すごい叱られていた癖に本人が全く反省していない態度が妙に頭に残ってた。

(あいつもバスケ部だったのか。……ん? じゃあ、黒子の事知ってるんじゃないかな?)

そう思い、おもいきって体育館の扉を開けた。

「……ん?誰だ、テメェ」
「……聞きたい事があるんだけど」

いきなり睨みをきかせてきた青峰に少しばかりビビる。
だけど、ひるまないでどんどん青峰に近づいて行く。

「なんだよ、聞きたい事って」
「それは……ん?」

彼の持っているバスケットボールに見覚えがあった。
自分のイニシャルのはいったボール。
あれは間違いなく、なくしたあたしのバスケットボール。

「そのボールは?」
「あ? これか? テツが持ってたのを借りたんだよ。ボールだすのめんど臭くてな」

(テツ……?)

「黒子テツヤのこと?」
「あぁ、そうだぜ。なんだ、お前はテツと知り合いか?」
「いや……知り合いというか。てか、黒子はどこにいるんだ?」
「知らね。部活遅れてきたし。俺がきたときにはいなかっ……たっと」

そういいながら、ドリブルしてシュートを決める青峰。

「そうか、ならいい。というか、それはあたしのボール。」
「あ?お前の?」
「なんだよ」

疑わしげな顔をむけられてムッとする。

「ふーん……」
「……返せよ」

別にそのボールに変な思い入れはないけど、そのバスケットボールが手に馴染んでいて、手放したくないのは事実。

(てか、黒子が持っていてくれたんだな。あたしが置いて行ったボール)

「お前がこのボール持ってるって事は、お前バスケやってんだ」
「はあ?」

何を言い出すかと思えば、なんなんだよこいつ。
青峰はニヤッとあたしにむかって笑いながら、挑戦的な目であたしを見つめた。

「いいぜ。ボール、返してやる」
「だったら、早く返せ……」
「ただし、俺に勝ったらな」
「……何だって?」



「俺と1on1しよーぜっ!」



『青と出逢う、勝負をふっかけられた』