二次創作小説(紙ほか)

Re: 黒子のバスケ【私にとって、君は光】 ( No.34 )
日時: 2013/03/20 15:01
名前: 詩隈伊吹 (ID: LfHD8N1N)

第14Q【大輝と涼太と真太郎】

朝練のマラソンの時。

「なんで、梓っちは黒子っちだけ、呼び捨てなんすか?」

それは、黄瀬くんの一言から始まった。

「はっ……?」
「なんでなんすかー??」

黄瀬くんとの1on1に勝ってから、あたしは黄瀬くんに『梓っち』と呼ばれるようになった。でも、あたしが黄瀬くんと呼ぶのは変わりない。

「……うるさい。走れ」
「うちょっ?!痛いっす!」

隣を走る黄瀬くんを蹴る。
別にいいと思うんだけど。名前呼び強制しなくたってさ。

「そうだな。何故なのだよ」
「は?! 緑間くん?!」
「だよなー! 俺等は梓って呼び捨てなのによー!」

緑間くんと青峰がすぐ後ろを走っている。
つか、本当いいでしょーが?!

「おい、梓!そこんとこどうなんだよ!……まさか、テツと付き合って……」
「死ねぇ!青峰っ!!!」
「ぐぼらぅっ!?」
「あぁっ!?青峰っち?!?!?」
「……お前のことは忘れんのだよ。青峰」

あたしの蹴りを腹にまともに受けた青峰は地面に倒れた。
そんなことは気にせずあたし達は走る。
どうせ、すぐくるだろうから。

「てかさ、別にあたしから呼び捨てとかいらなくない?」
「いや!認めた相手こそ!呼び捨てにしてもらいたいんすっ!」
「……青峰は?」
「女の子じゃないっすから!!」
「なんだよ。女の子ならだれでもいいのか」
「えぇ?!そんなことないっす!梓っちに呼んで欲しいんすよ!」
「……ふーん」
「お、俺もなのだよ」
「え?緑間くんも」
「……緑間っち、顔真っ赤すよ」
「?! うるさいのだよ!黄瀬!」
「待てよ!梓!」
「うおっ!青峰っち生きてたっすか?!」
「俺も呼んで欲しいんだからなっ!!」
「ちょっ!重いっ!青峰、避けろー!」
「なっ、青峰!」
「わー!梓っちになに抱きついてるんすかーー!!」
「よっと!梓は、渡さねー!!」
「あぅ?!ちょ、持ち上げんなぁぁぁぁぁぉぁっ!!」

突然乱入してきた青峰に抱きかかえられ、あたしはプチパニック。
黄瀬くんと緑間くんは、すごい勢いで青峰を追いかけてる。

「おいっ、梓!」
「なに?!」
「あいつらまだくるか?!」
「うん、追いつきそうっ!」

「待つっすよー!! 青峰っち!!」
「待つのだよ!青峰!!」

「しつけーなぁっ!」
「もう、降ろせよーー!」
「梓がっ!」
「あ?!」

「俺のこと名前で呼んだらな!」

その言葉に、不覚にも心臓が脈打った。
意味わかんない。
でも、嬉しかった。
そりゃ、テツヤに名前を呼んで貰った時ほどに。
だから、

「……き」
「あ?!」
「大輝っ!!」
「……っ!」

急ブレーキを掛けて止まった青……大輝。
あたしはその隙に、大輝の腕から抜け出す。

「わー!梓っち、大丈夫っすか?!」
「梓っ!」

追ってきた黄瀬くんと緑間くんに、向き合う。
そして、キョトンとしている二人にこう叫んだ。

「涼太ー! 真太郎ー!」

「ぅえっ?!!」
「なっ!?」

驚いた二人に笑って、あたしは今だ放心状態の青峰の肩を叩く。

「大輝、行こーか!」
「……ははっ、おう!」

青峰は笑って、あたしの頭を撫でた。
ちょっと乱暴だったけど、すごい優しかった。

「あっ!ずるいっす!俺も撫でるっす!!」
「あ、待つのだよ!黄瀬!」



『朝から、嬉しかった事』