二次創作小説(紙ほか)

Re: 黒子のバスケ【私にとって、君は光】 ( No.62 )
日時: 2013/04/02 18:21
名前: 詩隈 伊吹 (ID: y0qltvGJ)

第6Q【嬉しかった】


涼太は見たプレイを一瞬で自分のものにする。

「……」

分かってたけど、すごいな。
誠凛さんたちの驚きを見る限り、かなり完璧で威力もあるのだろう。

「うおっ火神もスゲェ!!」
「反応した?!」

……ダメだ。
ボールに手をのばし触れたけど……

「がっ……!?」

涼太のほうがパアーもキレもある。

「……ん」

成長しているとは思ってたけど、予想以上。
『キセキの世代』の才能は進化している。

「ん〜……これも……ちょったな〜」
「?」

何をしようとしてるんだ、涼太は。
少しだけ舞台の袖から顔をだす。

「こんな拍子抜けじゃやっぱ……挨拶だけじゃ帰れないスわ。やっぱ、黒子っちください」
「……は?!」

思わず声がでる。
でもそれに気づいたのは誰もいない。

「海常(ウチ)においでよ。また一緒にバスケやろう」

「…………なっっ!?」

やはり変わらない、涼太は。
馬鹿な所ばっかり。

「マジな話。黒子っちのことは尊敬してるんスよ!こんなとこじゃ宝の持ち愚されだって!ね、どうスか」

ニコニコ笑いながら涼太は言う。
テツヤはそんな涼太を見て

「そんな風に言ってもらえるのは光栄です。

丁重にお断りさせて頂きます」

「文脈おかしくねぇ?!」

やっぱり振られる涼太。

「っ、そもそもらしくねっスよ!勝つことが全てだったじゃん、なんでもっと強いトコ行かないの?」
「あの時から考えが変わったんです。何より火神君と約束しました。」

火神と、約束?
まさか火神がテツヤの新しい……光。

「キミ達を……『キセキの世代』を倒すと」

「……!?」
流石に驚いた。
テツヤも、同じこと考えていたんだ……。
なんか、嬉し……いや待て!?

「……やっぱらしくねースよ。そんな冗談言うなんて」

涼太の頬が上がる。
その時、火神が笑う。

「ったくなんだよ……オレのセリフとんな黒子」

ポンとテツヤの肩に手を置いて、不敵に笑う。

「冗談苦手なのは変わってません。本気です」






『嬉しくなる。何より君が変わっていなくて』