二次創作小説(紙ほか)

Re: 黒子のバスケ【私にとって、君は光】もしも、番外編始めました! ( No.76 )
日時: 2013/04/06 20:25
名前: 四ノ宮(元伊吹 ◆8HAMY6FOAU (ID: gEjk/uPS)

番外編Part2誠凛編

【もしも、黒子が梓を愛しすぎていたら】


「えっと、テツヤ……?」
「……なんですか」

怒っている。
そんな感じが、体中から滲み出ている。
そしてそんなテツヤにあたしは今、壁ドンをされている。
ちなみに、部活が終わった体育館の隅で。
いろいろツッコミたいところはあるが、スルーしておこう。

「な、なんで怒ってるの?」
「……怒ってません」

えーー……。
あきらかに不機嫌オーラだしてんのに、怒ってないと?!
本当に、どうしたんだテツヤ。

「……ねぇ、行ってくれなきゃ分からないよ?」
「……」

付き合って半年はたった。
その間、なに一つ問題なんて怒らなかったはずだ。
ケンカだってしてないし……。

「今日……」
「……?」

髪の毛がテツヤの顔を隠していてあたしにはテツヤの表情は見えない。

「火神くんに……」
「火神?」

なにかあっただろうか。
今日の記憶を巡って見る。
そして、テツヤの言葉は続く。

「頭、撫でられていましたよね」
「え……」

そうだった。
そういえば、撫でられた気もしなくもない。
でも、そんなことは前にもあった。
そのときは、別になんともなかったような。

「その時、嬉しそうな顔しましたよね。」
「え……いや、別にそんなことは……」
「そんなことあるんですっ!!」
「っ……?!」

突然のテツヤの大きい声に体がビクついた。
テツヤはゆっくりと、顔を上げる。
その顔は、なんの表情もうつしていなくて。

「テ、テツ……」
「前にもそんなこと、ありましたよね?」
「あ、あった……けど」

その時はこんなに、テツヤは怒っていなかった。
怖い。テツヤにこんな感情を抱いたことなんてなかったのに。
どうしよう。すごく『怖い』よ。

「あの時は、梓も火神くんもぎこちありませんでしたからね」
「……」
「でも、今日はちがいましたね。……火神くんが好きですか」
「えっ?!」
「好きなんですか、」

そんな質問は困る。
だって、火神もチームの仲間だもの。
好きか嫌いかと問われれば、好き。
でもそれは、異性としてではない。
異性としてなら断然、テツヤが好き。

「どうなんですか」
「……そりゃ、好きだよ。」
「……」
「でも、それは……」




「気に入りませんね」




「え……んむぅっ?!」

噛み付くような、テツヤらしくない口づけ。
テツヤのキスは、いつだって優しくてあたしを包み込むようなキスなのに。
そんなキスが大好きなのに。

「っ……あず、さ…」
「……っ…ぁう…」

舌を絡められる。
こんなキスは初めてで、息の仕方がわからない。
苦しいと、テツヤの胸を叩くとテツヤは軽く唇を離してくれる。
肩で息するあたしを見ながら 、テツヤは言った。



「貴方は、僕のものです」
「誰にも触らせない。奪わせない」
「たとえ、火神くんでも、先輩でも、キセキ達にだって……」
「君は渡さない」



あたしを写していた綺麗なテツヤの瞳は、

何も、写ってはいなかった。