二次創作小説(紙ほか)
- Re: マギ -Eastern country- オリキャラ募集 ( No.10 )
- 日時: 2013/03/24 08:50
- 名前: Noah (ID: m.emTaEX)
「シンドリア国王が来るの?何で?」
室内に、ある少女の驚いたような声が響く。
茶色みがかかったセミロングヘアが特徴の彼女の名は、鈴流霜雪。東洋に浮かぶ島国・倭国の第4王女である。
彼女は今現在、城内にある会議室の席に座っている。というのも、先ほど国王ではないものの、国王が病床の為その権限が殆ど移行している兄・紅蓮に会議室に呼ばれてきていたのだ。
ちなみに呼ばれたのは霜雪だけではなく、兄弟全員が会議室にそろっている。
「シンドリアと倭は今現在国交は無い。普通に考えれば国交の開始が目的だろうな」
紅蓮が顎に手を添えながらそう言うと、その言葉にその場に居る全員が、「大方間違いないだろう」という顔をした。
すると、紅蓮の隣に座っている群青色の長い髪を後ろで結っている髪が特徴の、第2皇子の白夜が発言した。
「しかし父上はシンドリア建国当時から、理由は定かですが危険視をしていましたよ」
「え?そんな話、私始めて聞いたんだけど……」
白夜の話を聞いて、霜雪のそんな声が響いた。
「それは僕も初めて聞いたなー」
霜雪の隣から、霜雪に同意するような声が響いた。声の主は、漆黒の髪と漆黒の瞳の持ち主で、中性的な容姿をしている霜雪の兄・時雨だった。
「でもさー、あの国は組織と因縁深いってちょっと小耳に挟んだ事があるんだよねー」
時雨がそこまで言ったところで、紅蓮がふと呟くように、
「だとしたら、いつ来たるか分からないその戦いに備えて、力を蓄えてるんだろうな。……倭国はここ3,4年で迷宮攻略者も増えたし、近隣諸国にも"倭国は近年勢力をつけている"とか言われてるから、他国にとって味方に引き入れておいて、損はないと思うぞ。ま、俺は跳ね除けるけど」
「しかし、ひとまずは国交の開始を要求してくると思いますよ。いきなりそんな事を言い出す馬鹿では無いと思いますし」
「白夜兄ってたまーに、さりげなーく毒を吐くよねー」
気がつけば白夜は、時雨にジト目で見られていた。
室内に妙な空気が流れる中、ゴホンッとある女性の咳ばらいが響く。咳払いをしたのは、長い漆黒の髪と紅色の瞳を持つ、第3王女の霧果だった。
「まあ相手の本来の目的がそうであると決まった訳でもないし、今の所は様子見という形でいいんじゃないか?」
室内にそんな冷静な声が響く。
するとその発言を聞いた、霧果の左隣に座っている第1王女の皐月が、それに同意するように、
「そうね。それに決めるのは紅蓮兄さんだしね」
穏やかな口調で皐月がそう言った後、「ま、親父にも話してみるか……」と紅蓮は小声で呟いた。