二次創作小説(紙ほか)
- Re: マギ -Eastern country- オリキャラ募集 ( No.13 )
- 日時: 2013/03/24 15:23
- 名前: Noah (ID: m.emTaEX)
会議が終わった後、霜雪は自室に戻る為、銀色の髪に銀色の瞳が特徴の、自分自身の部下である聖影と共に城内の廊下を歩いていた。だが、霜雪の表情はどこか暗いようだった。
「霜雪様……?どうかされましたか?」
「へっ?あ、べ、別に何でもないよ?」
「霜雪様がそう仰るのならいいですけど……。何か暗い顔をしておられたので……」
「……ゴメン。今の嘘。ちょっと組織の事考えてた」
霜雪はそう言いながら、苦笑いをしていた。
「嫌な事しか思い出せなくてさ……」
「霜雪様……」
「あの時、私は何もできなかった。お兄ちゃんとお姉ちゃんに助けられて、命からがら助かって……、それからもずっと助けられてばっかで、私ってホント落ちこぼれだよね。……もう、笑うしかないぐらいに」
「そんなこと、ないと思いますよ」
「えっ?」
聖影の言葉に、霜雪は驚いたように目を少し見開いた。
「霜雪様は、絶対に落ちこぼれなどではありません。少なくとも、私は心からそう思っています」
聖影は真っ直ぐな目線で、霜雪にそう告げた。霜雪はそれを聞いて、フフッと少し笑うと、
「ありがとう、聖影ちゃん」
そう言って、聖影に笑みを向けた。
*
「おい親父、どうして今までシンドリアと国交をしてなかったんだ?」
紅蓮は病床の父——もとい国王の元へ来ていた。何故シンドリアと国交をしてなかったのかということを問いただす為だ。
だが、当の本人はそれが気に食わないような口調で言い放った。
「それが病床の父のもとに、来てまで聞くことか」
「親父しか知らねえだろうが」
「父親に向かって心配の2文字もないのか」
「………………。その年にもなって女遊びしまくって、酒飲みまくったあげくの病の奴の言うセリフじゃねえぞ。つか、本題喋らせろクソ親父」
多少紅蓮はイラッときたようだが、なんとか抑えてもう一度同じことを聞いた。
「なあ、今までどうしてシンドリアと国交をしてなかったんだ?」
再び真顔で問うと、一分ほどたっぷりと間を置いた後、静かに答えた。
「どの国にも触れてはならぬ暗部がある。……儂はシンドリアのそれに気付いてしまった。国交を続けるほどシンドリアに利用される気がしてならん」
「…………」
「国交を開始したいのであれば、開始すればよい。今の倭国ならば大丈夫だと儂は思っている」
「……そうか」
紅蓮はそれだけ答えると、父の寝所を出て今自分以外誰も居ない廊下で、一人小さく呟いた。
「……暗部、か…………」