二次創作小説(紙ほか)
- Re: マギ -Eastern country- オリキャラ募集 ( No.15 )
- 日時: 2013/03/24 20:11
- 名前: Noah (ID: m.emTaEX)
「シンドリアとの国交を開始してほしい」
それから数日後、来訪してきたシンドリア国王・シンドバットは紅蓮達の予想通りの目的を、紅蓮との会談にて伝えていた。
紅蓮の両脇には紅蓮が最も信頼している二人の部下であるウィンギス・オールハイディと、パトリシア・ソルレンジャーが居る。
シンドバットの方も、二人の臣下が両脇に居た。
「国交の開始は、俺だけの判断であれば構わない。だが国王の権限が殆ど移行しているとはいえ、新たな貿易国を増やすとなると、流石に現国王に話を通しておく必要がある」
紅蓮が真顔そう言った時、後ろに居るウィンギスとパトリシアの思考が一致した。
((昨日自分から国王様に話しにいってたくせに!))
と。
「……というと?」
シンドバットが話しの続きを求めるべく、話を続けようとしてくる。
「明日また来てくれ。それまでに国王に話を通しておく」
「そうか。ではまた伺おう」
シンドバットはそう言うと、席を立ち、その場から立ち去って行った。シンドバットが完全に部屋から出たのを確認すると、紅蓮ははあ……と大きく息を吐いた。
それを見たウィンギスは気になった事を問いてみた。
「そういや、国王様の許可的なモンはもう貰ってんだろ?」
「様子見だよ、様子見。ま、あのピリピリした空気にいつまでいるのも嫌だったしな。……それに俺個人として何か苦手なんだよなあ。シンドバット」
紅蓮はそう言いながら、軽く髪の毛をいじっていた。
「でも苦手って面では分からなくもねーよ。何か『俺、強いから』オーラ丸出しなんだよな」
パトリシアも多少苦手意識があったのか、そんなことを呟くように言った。
*
その翌日の午前中。非常に慌てたとある国の銀髪の家臣が、城内に入ってきた。すると丁度そこに中性的な容姿をした王子、時雨が通りかかった。
「君、そんなに慌ててどうしたのー?確かシンドバット王の家臣だよねー?」
気だるそうな口調でそう言うと、その家臣は、
「あの私はジャーファルというのですが、うちの国王を見ていませんか?」
「んー?確か会談の時間は午後からでしょー?それに少なくとも、家臣に告げずに此処に来ないと思うけど……。もしかして居なくなったの?シンドバット王が」
「…………その通りです」
「……冗談で言ったつもりだったのにー」
ジャーファル頭を抱えて俯いてしまった。
ちなみに時雨は冗談で言ったつもりと言っているが、実はふと勘づいた事だった。