二次創作小説(紙ほか)

Re: 【inzm】空色の涙 ( No.15 )
日時: 2013/04/14 10:54
名前: 志保 (ID: wxZ0SJGK)

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読書。
それは私の趣味である。

ただ家にある本はすでに何度も読んでしまいつまらなくなり、本屋で買う程私の財布に余裕はない。

だから図書室に行き本を読んでいる。
どうせ家に帰っても読む時間などないのだからその方が効率的だろうと思ったのだ、が。


涼「(こうも周りが五月蠅いと集中できない……)」

唯一の私の休息時間。
けれども私の周りには多くの人がおり、度々質問をされる。
流石にそれを無視するわけにはいかないのだから答えていくうちに下校の時間がきてしまうのだ。


チャイムがなると周りの人間は散らばり普段の図書室へと変わる。
ここからの10分間が私の時間になるが10分で読める量など限られておりどうせならもう読まなくていいか、と思う。

ただでさえこの放課後の時間だって貴重なのに。
毎日来れるわけではなくたまたま時間が空いたら来れる、その程度の間隔。

涼「ハァ………。」

そろそろ帰るか。
時計を見ればあと5分程で帰る時間だ。



パタンッ

空「(重い……一人の人間が持つにしては重すぎます)」

誰もいないと思っていた書庫室から出てきたのは1年生であろう女子。
薄いピンク色の髪に水色の瞳。
風が入ってくればその髪がふわりと舞い、桜吹雪にも似ている気がする。

どうやら図書委員らしく本の確認作業を行っているようだ。
その手には彼女が持つには多い量の本が乗っている。

涼「……まさか一人でやっていたのか?」

普通は複数で行うはずなのだが書庫室からは人の気配などないし勿論この場所にも私と彼女以外の人間は見当たらない。

それは私の考えを肯定している。
全く……他の委員は何をしているのだろうか。








空「(高い……全年齢対象にするべきですよ……。)」

恨みがこもった目で睨んでも本棚は縮んでくれるわけではないのだから頑張って手を伸ばしなんとか本を入れいていく。
台、そいつさえいれば……。





涼「他の委員はどうした。」

横から伸びてきた手は私が入れようとしてい本を押しこんだ。
あれ、この時間はもうお帰りになられる時間なのですがね。

空「いません。」

振り返れば予想していた人物。
大正解です、花丸を自分にあげたいですね。




不正解だったらよかったのにと少し心の中で思う。