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二次創作小説(紙ほか)
- Re: 【inzm】空色の涙 ( No.40 )
- 日時: 2013/06/09 20:24
- 名前: 志保 (ID: wxZ0SJGK)
019
もう人なんてこないと思っていたんですが……。
招かれざる客、と言うべき人がいらっしゃいました。
涼「やはりこの時間になると人なんていないものだな。」
空「そうですね。くる人なんて全くと言っていいほどにいないはずなんですが。」
横を見やる。
当然のように「くる人なんて」の中には貴方もしっかり入っているんですよ?
空「貸出ですか?今ならまだできますよ?」
どうせそういった類のものでしょう。
この人も忙しいようで普段は一つの場所に留まっていません。
涼「腕の怪我、どうしたんだい?」
空「…………。」
貸出用のパソコンへ向かう足をとめた。
そっと自分の手首に触れる。
空「転びました。」
涼「そうか。私は上の階から落ちてきた鉢に当たって怪我をしたと聞いたんだがな。」
この人……知っていて聞くとは案外性格がねじ曲がってますね。
どうしましょうか。
空「……分かっていたのならなぜ聞くのですか?」
背中を向けた状態なので先輩の表情は分からない。
でもきっと、笑っているでしょう。
まるで獲物を見つけたような瞳で。
空「転びました。」
怪我に触れればそう返ってきた。
転んだなんて嘘なくせに、そう言うのだから笑いがこみ上げてくる。
涼「そうか。私は上の階から落ちてきた鉢に当たって怪我をしたと聞いたんだがな。」
自分でも随分意地の悪い質問をしたと思う。
これでは回答者が圧倒的に不利なのだから。
空「……分かっていたのならなぜ聞くのですか?」
彼女は私に背を向けているから表情は分からないがきっと「面倒くさい事に巻き込まれた」と思っているのだろう。
あの澄んだ色の瞳で。
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今回はどっちとも同じ構成のside書いてみました。
空「何か違うんですか?」
………気にしちゃあかんよ。
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