二次創作小説(紙ほか)

Re: 【inzm】空色の涙 第2章更新中!! ( No.71 )
日時: 2013/10/07 15:53
名前: 風風 (ID: 0GqDOT6V)

ウイッス!!荒らしに来たぜ三(卍~o~)卍ドゥルルルルル
お誕生日おめでとう!!遅くなってごめんね!!
そして、京蘭を書き始めた馬鹿がここにいます。
風冬も書くよ(震え声)
剣城さんのキャラ崩壊します
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「剣城! 今日もお疲れ!!」
空野から貰ったタオルで顔から出る汗を拭いながら、天馬は俺にスポーツドリンクを渡した。
天馬が受け取るのを確認すると、なにやら笑顔で俺の隣に座ってきた。

 夏も過ぎ空気も冷たくなってきた秋空の下。 今日も長い一日が終わった。
このメンバーでの練習はかなり慣れてきており、彼らも十分強くなってきている。それは、天馬の力もあるが、一人ずつがサッカーを好きになり、楽しんでいる証拠だろう。
現に俺も今のメンバーでのサッカーはとても楽しいと思っている。
ただ、少し...俺の中で何かが引っかかっているのだ。

「ねぇ、剣城?」
 満面の笑み。そういってもおかしくは無いだろう。天馬は何かをたくらんでいるかのように、にんまりと俺のことを見てきた。
 幸運な事に、周りのメンバーは俺達の事をみていない。多分誰も俺たちの話は聞いてないだろう。
そう判断してから、俺は怪しく笑う天馬に「どうした?」と問いかけた。
 そしたら天馬は、待ってましたと言わんばかりに「あのさ、」と語りかけてきた。
「剣城って、最近さ霧野先輩に会ってるの?」
「はぁっ!?」
 しまった。思わず声を上げてしまった。自主練をしていたメンバーも休憩をしていたメンバーも俺が大声を出した事に驚き何が起こったのかと、こちらを見てきた。その中には勿論神童さんもいた。
 なぜ、天馬が突然霧野さんの話をしてきたのか、俺にはわからなかった。 そもそもなぜ天馬が知っているんだ?
誰にも——兄さんでさえ、教えていないはずだ。あの事は

「はぁ...剣城ってさ、そういう所すごーく鈍いよね」
 こいつは何を言いたいんだ、さっぱりわからない。なんでこいつは、こんなにも俺に対して呆れたような視線を向けてくるんだ、なんでため息をつくんだ?
「雷門のみんなは、神童さんと霧野さん除いて全員知ってるんだよ、剣城が——

 “霧野さんの事好きだって”
なんの話しかと耳を傾けるやつらに聞こえぬようにか、それとも単に意地悪でか、天馬は俺にそっと耳打ちをしてきた。
 なぜわかった。いや、なぜばれている。おかしい、ありえない。
頭の中が天馬の一言により、ぐちゃぐちゃと乱れていった。
「でさ、剣城の事だから代表に選ばれなかった霧野さんがショックを受けていると
思って、あえて何も言ってないんじゃないかなーって、思ったんだよ。 図星だった?」
 こいつ、わざといつ言っている。 天然そうにみえて結構Sと言うのは、本当らしい。
「天馬、お前は——
「そんな事だろうと思ってね、俺霧野さんにメールしといたんだ『剣城が霧野さんに相談があるそうなんです。』って、霧野さん後輩思いだから、喜んでくれてたよ! それで、今日この後霧野さんが来るらしいからよろしくね!!」
 天馬はそういうと、俺が反論をする間も無く、神童さんの方へ走っていった。
きっと、俺と霧野さんを2人っきりにさせたいのが魂胆なのだろう。
 だが、このまま「天馬が仕組んだんです。」と言って霧野さんを帰らせるのは、身が引ける。
霧野さんが来るまで何をしようか、天馬の働きでか今はもうイナズマジャパンは誰一人として屋外グラウンドには居ない。ため息を一つつくも、俺はボールを蹴り始めた。



「はあぁぁっ!!!!」
目の前にただ置かれたサッカーボールにだけ集中をし、足を踏み込み蹴る。
ボールは矢のように一直線に飛び、ゴールネットに突き刺さる。
首元から汗が一滴、流れ落ちた。
「相変わらず、剣城のシュートは強烈だな」
「霧野さん!?」
屋外グラウンドのベンチにはいつの間にいたのか、霧野さんがいた。
雷門のジャージを着ているから、練習帰りだろうか。 そしたら、疲れているのに悪かったかもしれない。
 そんなことよりも、いつから霧野さんは来ていたのだろうか、ついシュートに集中しすぎて周りが見えてなかったらしい。
「すみません、本当に」
「気にすんなって、相談したい事って天馬が言うからさ、なんか酷く落ち込んでいるんじゃないかって、心配していたんだ」
急いで、ゴールネットに入ったボールを片付け霧野さんに謝る。だが、霧野さんは笑顔で許してくれた。そんな霧野さんに俺は罪悪感が沸いた。

 立ったままで話をするのは悪いし、とりあえずベンチに座って話す事にした。と、言うか何を話せばいいんだ?
「あの、最近雷門はどうですか?」
「ん? あぁ、元気にやってるよ、もうすぐ三国さん達も引退だから最近は校内での練習がメインかな。 部長である神童も今イナズマジャパンで居ないからさ、結構急がしんだよな、まぁ日本代表よりは楽かもしれないけどな」
「そんな...」
霧野さんの空をみる翡翠色の瞳は夕日に反射して、それは、触ったら一瞬で崩れてしまう積み木細工のような儚さと美しさがあった。
「あの、霧野さん?」
「ん?」
微笑みながらこちらに顔を向けてくれる霧野さんは、とても優しい顔をしていて、綺麗だった。ずっとみていられるような、そんな気もした。
心臓が高鳴る、霧野さんをみるだけで頭がぼーっとしてくる。
「その、悔しくは無かったのですか? イナズマジャパンの事...」
「あぁー...」
ふと、霧野さんの視線が下にずれる。 まずかったかもしれない。
 だが、ずっと聞きたかったんだ。 霧野さんの本心を。

 霧野さんは、あまり自分の本心を話そうとしない。 それは、狩屋などが一方的に話すためにずっと聞く側に回っていただけかもしれないが、
あの時——ジャンヌの時も自分の力に焦りを感じていた事。狩屋が言わなければずっと一人で抱え込んでいたままかもしれなかった。
もしかしたら、霧野さんは相当の負けず嫌いなのかもしれない。自分の弱みを見せたくなくて自分一人で抱え込んでしまうのかも。 もしくは、
「ちょっとな、悔しかったよ」
 ただ、人への甘え方をしらないだけなんじゃ。
霧野さんは今にも泣きそうなほど瞳に涙を溜め、俺に微笑みかけた。
 だが、俺はそんな霧野さんに何も言えず、ただ続きを待った。
「最初は、憎んだよ。 なんで、俺よりも下手なやつが代表なんだって、代表選手も黒岩監督も。 ただ自分勝手にな
しばらく練習にも参加しなかった。 考える事はただ絶望だったよ」
思わず息を呑んでしまう。 ついに霧野さんの瞳からは一粒のしずくが落ちてきた。 だが霧野さんは気が付いていないのか、そのまま話は続いた。
「だけど、お前たちの活躍をみていたらな、少しずつだが確実に強くなっているお前たちがすごく心に響いたんだ。
だからまたこうして、サッカーができるんだよ。 お前たちのおかげ——
 霧野さんの話が終わるまえに、俺は気が付いたら霧野さんを抱きしめていた。なんて事をしていまったんだ。
横隣で座りながら話していたからか、 霧野さんの顔が伺えない。 いやだっただろうか、嫌に決まっているだろう。
同姓に抱きしめられて誰が喜ぶんだ。
 だが、霧野さんは一向に暴れない。 霧野さんはこういう態度は嫌いじゃないのか? いや、誰よりも男意識が高い霧野さんだ、そんなはずは...

「あ、すみません!! なんか、勝手に体が動いちゃって、その...」
「えっ!? あ、いや大丈夫だよ。」
霧野さんは、変わらぬ口調で言ってくれるが、俺の鼓動は高まっていくばかりだった。
今、霧野さんはどんな顔をしているのだろうか、どんな思いを抱いているのだろうか、そんな事ばかりが頭に浮かんでいった。
 俺は霧野さんに思いを伝えられない、ただ恥ずかしいだけだろうか。
もしかしたら、俺が霧野さんとのこの関係を失うのが怖いだけなのだろうか。
俺は何もわからなくて、ただ「すみません」とだけ細く呟いた。 

終わり。
すごく中途半端です。はい。続きは自分で創造する道徳的なアレですね。
とてつもなくださくです。はい。ヘタクソになりました。
喜んでくだされば嬉しいです。