二次創作小説(紙ほか)

Re: 《イナクロ》カゲロウデイズ ( No.19 )
日時: 2013/04/24 07:48
名前: 柳 ゆいら ◆JTf3oV3WRc (ID: O59cZMDb)
プロフ: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode

第11話   カゲロウ……





 よごれた視界のなかのまんなかで、風花が大きく目を見開いている。


「え……ひ……ひか……る?」


 彼女の後ろに立っていた自分は、いつの間にかカゲロウに変わっており、こちらを驚いたような、でも、なにか言いたげな顔だ。

 なんだか、見返せてやれたような気がして。


「ざまぁみろよ。」


 嗤ってやった。こっちから。



 だが。



 そのとたん、くちびるから、赤い筋が垂れる。

 その瞬間、カゲロウの脳裏を、大量の記憶がよぎった。

 風花と楽しそうに話す輝を見て、ほほえむ自分。
 信号の柱についた、風花の鮮血に、頭を抱える自分。
 そして、新たに刻まれた、輝が——……。

 頭を抱え、カゲロウのほおを、熱いモノがつたった。

 涙——……。


(良かった……これで……。)


 彼女を救えた。


 そう思った。
 でも、やっぱり世界は、そんな簡単には廻ってくれなかった。

 輝は、目を疑った。

 風花のとなりにもうひとり、“風花”が現れた。淡い空色の髪と服の、風花と身長も髪の長さもまったく同じの。
“風花”が、顔を上げた。


(え……。)


 似ている。でも、違う。
 それは——……。


(か……かげ……ろう……!?)


 カゲロウだった。