二次創作小説(紙ほか)
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと忘却の彼方 ( No.33 )
- 日時: 2013/04/20 19:29
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)
第4章 ヒロ&ナオの幼馴染コンビ登場!(後編)…2人が下した決断とは?
(ヒロ視点)
バンさんたちに呼ばれ、【Detective Bar】というバーにやってきた僕らはアメリカ行きの話を聞いて知った。
ルークのことで悩んでいるハルの様子を見れば、不安を感じてしまうのも少なくない。
「…なんで僕らも一緒に行かなきゃダメなんですか?」
「ルークのことが気になるから、お前たちにも協力してもらいたくてな」
「でも、どんなことすれば良いのか…」
不安そうに見つめる僕とナオは顔を伏せながら、腕を組んだ。アメリカで学ぶことがあっても、英語を話せるかどうかによる。
「まぁ、お前たちには付き添い…って言うわけにもいかないが、一緒に旅行しようぜ」
「旅行!?」
「そう、ついでにヒロはジェシカのこと覚えてるか?」
ジェシカ・カイオスという女性の名前を思い出して、納得する。
かつて、ディテクター事件やゴーストジャック事件で力を貸してくれた。
だから、ついでに会いに行くことになったのだという。ルークやケイティのことは幼馴染だったと明かしている。
「ジェシカはルークやケイティと知り合いなんだ。ハルはジェシカから時々、その様子を聞いていたみたいだ」
ジェシカから話を聞く中で、何か心の傷になる出来事があったのだということが伺えた。
ルークを傷つける、何かが心の傷を蝕む…といった感じだろうか。悩みはますます深まるばかりだった。
バンさんは頭を抱えながら、ハルさんを見て溜息をつく…これが仇となって、傷つけてしまうのも分かるような気がした。
「うん、バンの言うとおりよ。でも、問題はルークが家に居るかどうか分からないわ」
「家に居るかどうか分からない…って、どういうことですか?」
「つまり、会えるかどうかも分からない…でも、あいつはそんなに問題を起こすようなヤツじゃない」
ハルさんは不安そうに見つめながら、僕とナオを見て伏せた。バンさんは腕を組みながら考え込んだ。
ルークのことで悩みを抱えていたのは、何となく分かっていた…しかし、アメリカで何が起こるか分からない。
その予測は不可能とも考えられ、どこかで事件が起きてしまう可能性も否めない。
「ええ、事件を起こすような人ではないのは分かります。でも、どうしてアメリカに?」
「さっき言ったように、ルークのことが心配なんだ。どうも様子がおかしいのは分かってたつもりだったのに…」
顔を伏せて、シュンとうなだれるハルさんはまるで、本当に元気がない。
バンさんは溜息をつき、右手でグラスの入った酒を持ちながら飲む。僕は仕方がないので、ナオと顔を見合わせた。
「…どうする、ナオ?」
「うん…確か、ヒロはジェシカと言う人と知り合いだったよね?」
「ああ、そうだよ。中1の時、アメリカで会って仲良くなったよ。バンさんと同じ年だけど、記憶力が抜群なんだ」
「記憶力が抜群?」
「うん、記憶力が良くてね…。一瞬に難しいことを覚えてしまうんだ」
「ちょ、それ凄すぎ…私もその人に会ってみたい!」
「そう言うと思ってた…じゃあ、アメリカに行くか?」
ナオと話し合いながら、考えた上でアメリカ行きを決めた。バンさんたちと一緒なら大丈夫だ。
不安げに見つめていたバンさんは隣に座っているハルさんと何か話し込んでいた。
「ハル、お前…アメリカに行きたくないの?」
「行きたいよ、だってルークたちに会いたい…」
「その気持ちは分かるけどさぁ、もう少し落ち着いたらどうなんだよ…」
「バンに言っても分かるわけないでしょ…。ルークに会って聞くって言うのが、ちょっとねぇ…」
「やっぱり、英語ができなきゃダメだよな…。まぁ、俺も英語は喋れるから大丈夫だと思う」
「えっ…!?」
「まぁ、英語は日常会話程度なら平気だし…。俺、本当に話せるか分かんねぇよ…」
「ふっ、よく言ってくれるじゃない…」
何だかんだで楽しそうに話しこんでいる2人を見て、微笑みかけた。その時、ナオが何かに気付く。
「…うーん、何か引っかかる」
「どうかしたのか、ナオ?」
「ルークさんのこと聞いて、何か思い出しかけたんだけど…」
「思い出しかけたって…何を?」
「噂で何か微妙なこと呟いてたって…どっかで聞いたのは確かだけど、思い出せない」
どこかで聞いたことのある声と酷似しているのだろうか。そこがどうしても気になる。
ナオが聞いた事といい、ハルがルークを心配していることは分かっていた。
「そんなことより、バンさんたちに言おう」
「うん、そうだね。あの、バンさーん!」
ナオがバンさんとハルさんを呼ぶ。こちらに振り向いた2人はどうやら、決心がついたようだと察する。
「おっ、やっと決まったか…じゃあ、お前たちの心情を聞かせてもらおうか」
「はい。僕たちも一緒に行きます。ジェシカさんに会うのもいいけど、その前にルークさんたちのところに行きましょう!」
好奇心旺盛な僕を見て、目を見張る。その様子を見ていたナオもそれに続いて言う。
「はい、私たちもできる限りは手伝いますよ。だって、バンさんたちのことが心配だし…ね?」
「ああ、そうだね。だから、ナオも僕も…バンさんたちと一緒に事件解決してやろうと思ったんです」
ナオの言葉を引き継ぎながら、頷いて言う僕を見ていたバンさんとハルさんは顔を見合わせ、お互いに頷き合った。
「ヒロ、ナオ…ありがとな、一緒に行こうぜ!」
「はい!」
こうして、アメリカ行きを決心した僕とナオはバンさんとハルさんの2人に付き添っていくことになった。
しかし、そこで待ち受ける展開…何かが起きようとしていたことに気付いていなかった。