二次創作小説(紙ほか)

Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと忘却の彼方 ( No.42 )
日時: 2013/04/21 11:18
名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)

第5章の続き(バン視点)

リーフは俺たちを見て、その前に歩み寄って右手を差し出した。左手を出し、ガッチリ握手した。
ヒロとナオもリーフと握手しながら、笑顔を見せた。初対面なのに、仲良くしてくれるヤツなんていたのか…。
ハルを見たリーフは溜息をつきながら、頬をポリポリ掻いた。ようやく、ハルを見たかと思えば…こんなことを言い出した。

「After all do not you understand that it is English?(やっぱり、英語だと分からないよね?)」
「Oh, what kind of thing is it?(えっ、どういうこと?)」
「In fact, I studied us, Japanese. I became able to talk from that!(実は俺たち、日本語を勉強してたんだ。あれから喋れるようになったよ!)」

その一言を聞いたハルはビックリして、目を丸くする。リーフが何を言ってるのか分からない。
でも、日本語がどうのこうのって言ってたような感じだった。首を傾げていると、リーフが日本語を使って話しかけてくれた。

「アメリカへようこそ。俺はリーフ・タイロン…ハルの幼馴染だけど、ルークの双子の兄なんだ。よろしくな」

本当に日本語喋った…こいつ、いつの間に話せるようになってたとは思わなかった。
リーフの日本語を聞いて、目を丸くしたヒロとナオは思わず突っ込みそうになった。

「…えぇ、日本語喋った!?」
「ちょ、リーフさん…日本語、話せたんですか?」

2人の台詞を聞いて、思わず苦笑した。リーフは何の躊躇いもなく、笑顔を見せて答えた。

「…ああ。ハルが日本に居る間、俺たちは学校で日本語の授業を取ってたから勉強してたんだ」
「なるほど、それでリーフたちは日本語を話すことができるようになったのね」
「うん…とりあえず、家に行こう。そこで話した方が良いだろうし、詳しいことを聞きたいんだろ?」
「ええ、そうね…。じゃあ、そろそろ行きましょうか」

リーフに促され、空港を後にした。俺たちはリーフの車に乗って、ダウンタウンに向かった。
車を走らせて、数分たった頃には住宅街に入っていた。昼に出発したから、こちらは夜になっていたのである。

「もうすぐ着くよ。あれが俺らの家だ、ハルは覚えてるよな?」
「うん、懐かしいね。でも、泊まらせてもらっていいの?」
「ああ、ホテルは満杯だから無理だろうな…。だから、そこで俺たちの家に泊まらせるしかねぇかな…って思ってな」
「なるほど…でも、本当に助かったわ。リーフはしっかりしてるもんね」

助手席に乗っているハルの笑顔を見ていたら、何となく楽しそうに見えた。
ハルの様子を見ていたヒロとナオは長旅の疲れで深い眠りに入っていた。

(まぁ、無理もないか…)

長旅で疲れてるし、爆睡していたのだから。俺も眠いけど、多少は耐えられたから平気だった。
やがて、自宅に着いたのと同時に降りると…3階建ての家だった。ここがリーフとルークの家らしい。
家の中に入ると、シーンと静まり返っていた。リーフが電気をつけてくれたので、パッと明るくなった。

「ルークのヤツ、まだ帰ってないのか…」
「えっ、どういうことだ?」
「それは後だ、バンはハルたちと一緒に3階の部屋に入って。そこに4人用の2段ベッドがあるからな」

リーフの案内に従い、3階に向かう。その奥にある部屋に入ると、テーブル・ソファ・4人用のベッドが設置されていた。
中に入ったのと同時にヒロとナオは部屋の広さにビックリして驚きを隠せない。

「うわぁ…何か凄すぎます!」
「それにしても、何なの…この広さは!!」

ヒロとナオは感嘆しながら、ハーッと溜息をつく。リーフは腕を組みながら説明してくれた。
この部屋は元々、友達が泊まる時用に使われる。4人用のベッドが必要になった時は2段ベッドを2つ買って設置した。
そこで考えたのが、泊まらせる時に荷物の置き場所なども考慮したということである。
つまり、それを把握した上で考えて決めた。その時、ルークはリーフの意見を聞いても反対しなかったらしい。

「…というわけだが、何か異論はあるか?」
「別にないよ。でも、どこに荷物を置けばいいの?」
「こっちに置いといてくれれば平気だ。さぁ、こちらへどうぞ」

リーフに促され、奥の方に行くと荷物を置くスペースがあった。そこに荷物を置いとけばいい。
俺たちは荷物を置いて、何かあったときのためにCCMを入れた。次はリーフの部屋に移動し、そこで話すことになった。

「ここが俺の部屋だ」

リーフの部屋は全体的に緑色だった。ベッド・テーブル・本棚なども設置されていて、綺麗な感じになっている。
ハルは懐かしそうに写真立てを見て納得する。リーフとは気が合うほど仲が良かったみたいだ。
写真立てを見ると、ハロウィンに参加した時のものでハルとリーフ、ルークが揃って仮装していた。

「何か可愛いですね、ハルさん!」
「…そうかな、ありがとね!!」

ナオの言葉を聞いて、笑顔を見せた。その時、パンパンと両手で叩く音が聞こえて振り返った。
リーフがそこに座るように指示して、言われたとおりに座った。俺たちは聞く体勢に入っていたので、リーフはコクリと頷く。

「じゃあ、そろそろ話そうか」
「ああ、どういうことか教えてよ!」
「そう急かすなよ。でも、ルークは最近、酒場に通うようになったんだ」

ルークが酒場に通うようになったのは、大学生になってからだという。毎晩、酒を飲んで帰るようになっていた。
大学進学後は飲み会がある時だけ参加していたらしいが、ある出来事がきっかけで酒場に入り浸るようになった。

「ある出来事が関係しているのは間違いないんだが…」
「…ある出来事って?」

ハルが首を傾げながら質問する。リーフは顔を伏せ、肩を落とした。
ルークの素行に問題があったからなのかも分からない…ただ、言えることは1つ。
飲み会だけ参加するのなら、あまり飲まない方ではないか。でも、ハルは酒に強い方ではない。
俺は飲み慣れているから大丈夫だが、ルークに何かあったのか知りたい。

「…ルークに問い詰めようとしても話してくれないんだ」
「えっ、ルークに何かあったということだけは間違いないってこと?」
「ああ、それは分かっていたつもりだったが…おや?」

リーフのCCMに着信が入った。思わず首を傾げて開くと、【ルーク・タイロン】という名前が記されていた。

「… Hello?(もしもし?)」
『I just returned … An elder brother, a door does not open out why?(今、帰ったぞォ…兄貴、何でドア開けてくれないんだ?)』

どうやら、ルークが帰ってきたらしい。リーフは溜息をつき、右耳にCCMを当てたまま苦笑する。

「Because crawling, the door of the entrance open out, wait.(はいはい、玄関のドア開けるから待ってろ)」
『Hey make it early … This fool elder brother!(おい、早くしてくれよ…このバカ兄貴!)』
「Oh, because I understood it, do not rush so it!(あー分かったから、そう急かすな!)」

そう言って、通話を切ると…リーフは溜息をつく。ハルが不安そうに見つめながら問う。

「まさか、ルークが帰ってきた?」
「…ああ。1階まで迎えに行かなきゃな、ハルも来る?」
「そうね。あっ、バンも一緒に来てよー!」

ハルに促され、ヒロとナオは部屋で待機することになった。リーフとハルに続き、1階に降りた。
階段を降りて、玄関に向かった。リーフがドアを開けると、かなり泥酔したルークの姿が目に映った。

「Oh … Is it a lie?(うっ、嘘…でしょ?)」
「… Haru, there is you here why?(…ハル、何でお前がここにいるんだ?)」

トロンとした目でハルを見たルークは酒臭い息を吐きながら、フラフラと中に入った。
玄関の床に突っ伏して、深い眠りに入ってしまうルークを見た。俺も流石に驚いた。
ハルはルークの泥酔している姿を見て呆然としていたが…リーフは溜息をつく。

「リーフ、どういうこと?」
「ルークはいつも帰ってくると、ここで寝ちゃうことが多いんだ」

リーフに聞いて、納得するしかなかった。この時、ハルは床に突っ伏して寝ているルークに複雑な思いを抱いたのだった。