二次創作小説(紙ほか)

Re: ■… 鎖少女 …■ (学園アリス) ( No.12 )
日時: 2013/04/21 21:12
名前: 暁 ◆veyMdjA2J6 (ID: 5NRE2t7J)

■ 第5話 それぞれの動き


「蜜柑〜!どこ行ってたんだ〜!」

「にゃっ!?ご、ごめんなさいっ空先輩ぃ〜!!」

「心配かけやがってこのバカタレ〜!!」

「ま、まぁまぁ、落ち着いて?」


戻るのが遅い蜜柑に空の鉄拳。それを匪がとめる。

封李はいない。恐らく昼寝だろう。


「あれ…?刹那先輩と、デューン先生と…クロノくんは?」

「クロノは今日来てないみたい。先輩は、先生と一緒にどこかに行っちゃったわ」

「翼先輩は?」

「まーたフラッとどっか行ったよ。これで二日目。…まさかあいつ、可愛い女の子と一緒に…」

「「いやないでしょ/いやないやろ」」


翼とは最近全く会えていない。かなり寂しい。

今は、鎖少女のことも頭の中でぐるぐる回っている。


(考えることがいっぱいや…)

「とりあえず今日はもう帰りなよ蜜柑」

「…そやね。ありがと、匪先輩、空先輩。またねっ!」

「またな〜、蜜柑〜」





初等部の方へと戻っている途中、蜜柑は三人と遭遇した。


「悠ちゃん、九六ちゃん、クロノくん!」

「蜜柑ちゃん!今帰り〜?」

「そやで〜」

「…じゃあ、皆で一緒に帰るか」


クロノの言葉に、三人は微笑んで頷いた。

そういうえばと蜜柑はクロノを見る。


「クロノ君、今日どないしたん?何で来んかったん?」

「あ…えっとな、…デューン、と……いっだぁっ!!」

「?どないしたん!?」

「い、いや…なんでもない。ちょっと私用でな。悪かったな」

「そうなん?次は一緒に行こな!」

「あ、ああ」


クロノは苦笑を零して、九六と悠に思いっきり踏まれた足を見た。

見事に痛い。まぁ。言うなということだろう。


「…ふぅ」

「ど、どないしたん、クロノ君」

「いや…女は本当に強いと思ってな…」

「???なんのこと、九六ちゃん、悠ちゃん?」

「「ワカラナイ」」


かなり片言だが鈍鈍感感な蜜柑は気がつかない。

そんな蜜柑を見て、3人は楽しげに笑った。

その時、前方に懐かしい人物が見えた。蜜柑の瞳が見開かれる。


「な、…棗っ!!」

「ん?棗か?」

「げっ、イヤミギツネッ!?」

「ああ、本当ね。…行きましょうか」


振り返った棗も何処か嬉しそうで。

かけだした四人を、木の上から封李はチラリと見た。

彼も小さく微笑んで、再び目を閉じて微睡んだ。





「——小泉さん。こんなところにいたんですね」


初等部の転入生の案内を頼まれていた刹那は声をかける。

小泉月(表記:ルナ)はにっこりと微笑む。


「行きましょうか」

「…はい」


ルナをチラリと横目で見てから、刹那は小さく息をはいた。
 




「…高等部校長。小泉ルナは…初校長は、何を考えているんでしょうか」


高等部校長の部屋。デューンは校長を真っ直ぐに見つめて言った。


「まあ、大方検討はついている。が…この一件、放置はできないな」

「そうですね」

「絶望ヶ丘と連絡はとれているのか?」

「はい」

「そうか…とりあえず任せたぞ。…私は別件があるのでな」

「…もしかして、例の少女のことですか?」


高等部校長は静かにああ。と返事した。

デューンも真剣な表情のまま俯く。


「早く助けないと…大変なことになるかもしれない。いや…なるな」

「…………」

「奴の思い通りにはさせない」


そう言って前を見る高校長の目には、怒りの色も見えた。

デューンは一度瞑目して、もう一度しっかりと目を開けた。


「必ず、奴を追い出しましょう」

「…ああ」