二次創作小説(紙ほか)
- Re: ■… 鎖少女 …■ (学園アリス) 2話連続更新完了! ( No.18 )
- 日時: 2013/04/24 22:05
- 名前: 暁 ◆veyMdjA2J6 (ID: giYvI9uD)
- プロフ: コメントは一番最後に返してます。有難うございます!
「天薙。…君に会わせたい人物がいるんだ」
■ 第9話 fake
「…高校長、……ここは何処ですか?」
高校長に連れてこられたのは、ひとつの部屋。今は扉の前。
高校長は何も言わずに、静かに扉を開けた。
中は至って殺風景。白い壁に、大きめの窓がひとつ。
その傍にはテーブルと椅子が置いてあって。
部屋の隅にはベッド。その近くにクローゼット。
ただそれだけの部屋。でも、さらに目を惹かれるものがあった。
「…く…さり?」
それがつながっているのは壁。とても長い、鎖で。
そして…つながれているのは、女の子。
目を見張るほどの美少女で。その子はこちらを見た。
「…行平、…さん?」
「あぁ。今日はデューンは居ないんだ。…調子はどうだ?」
「はい、調子は良いです」
…高校長はこの子と知り合いなの…かな?
それにデューン先生とも。…にしてもこの鎖は一体…?
「あの…そちらのお方は?」
「あぁ…彼女は天薙刹那。私の信頼のおける生徒だ。心配しなくていい」
「はい…」
「初めまして、天薙刹那と言います。よろしくお願いします」
「え、えっと…私の名前は……」
おどおどし始める少女。…そんなに言いにくい名前なのかな?
すると、高校長が私の方を見て言った。
「彼女にはきちんとした名前がなくてな。…まぁ、愛称のようなものはあるが」
「愛称…ですか」
「あ、はい…。一応…“鎖少女”と、呼ばれています」
「く、鎖…少女…?」
ネーミングセンスのなさにとりあえず賛辞を送ります。
ってそんな場合じゃない。…高校長は私に何をしろと言うの?
「とりあえず今日は様子を見に来たんだ。…元気そうでよかった」
「はい、ありがとうございます」
「天薙も…時々でいいから来てやってくれ。初校長に許可は取る」
「分かりました。それじゃあ、また。鎖少女…さん?」
「はい。さようなら、天薙さん」
あ、可愛い。笑ってたら、さらに可愛い。
でも…ずっと気になってる。さっきからずっと。
何処か、苦しげな表情をしてるから。
「では…行くか」
私と高校長は部屋を出る。…あの子は一体。
「本名は“帝神姫花”だ」
「…え?」
ていこう…ひめ、はな?その名前自体は聞いたことがある。
けれども…ちょっと待って?その子は…その子は確か…。
「…死んだとされている少女だ」
「で、すよね…?って…されて…?」
「……そうだ、“されている”少女なんだ。全ては…奴の策略さ」
「奴……」
初等部校長。あの人は本当に得体がしれない。
実際、幾度となく接してきた。けど…本当にすけない人。
「とりあえず…天薙、君も彼女に時々でもいいから会いに行ってくれ」
「はい、当然です。それにしても初校長はなぜ…」
「はっきりとした事はまだ分からない。だから…調査をすすめているんだ」
「調査…?」
「あぁ。デューンや初等部…だな、あぁ。の絶望ヶ丘、中等部の皇我崎、さらには——」
「ちょ、ちょっと待ってください。そんなに動いているんですか?」
それは彼女を助けるため?それとも別のことのため?
高校長はコクリと頷いて言う。
「あぁ。…全ては」
——初校長を、潰すためだ。
そう言った高校長の瞳は、なんだかとても怒っているように見えた。
…本当に、この学園は。
(…なんなの…)
■
『棗。私ね…将来の夢があるの』
『将来の…夢?』
『うん。…皆が笑ってね、それでね……えと、棗…が……』
『?…俺が?』
『え、っと…棗、がね……』
『…んだよ?』
『……棗が————』
聞こえない。もう少し…大きな声で、言ってくれ。
何て…言っているんだ?聞こえないんだ…姫花。
姫花。……姫花。
お前に会いたい————。
■
Dr.クロさん
わかりましたっっ!!
「ン」に気をつけたいと思います〜(^O^)