二次創作小説(紙ほか)

Re: マギ 人魚達の鎮魂歌 ( No.18 )
日時: 2013/05/06 06:50
名前: 姫佳 (ID: WUYVvI61)
プロフ: 遂にマギ小説初めてしまったああああ((ry

第一夜


何だろう…。この感じ…。フワフワしてて…、凄く温かい…。此処は…、天国…?私…、死んじゃったのかな…?

「んっ…、」

目を覚ますと、私はベッドに寝かされていた。

「そっか…。さっきから感じていた感触は、布団だったのか…。」

自分が死んでいない事に気付き、ホッと溜息を吐いた。

「そうだ!!ソール!!」
「私なら、此処にいるよ。」

布団の中から声が聞こえ、美しい金色の毛並みを持った小さな動物が現れた。

「ソール!!無事だったんだね!!」

私はソールをギュッと抱きしめた。

ソール「えぇ。ところで…、此処は何処かしら…?」
「さぁ…?故郷から一度も外に出た事がないから、他の国の事は全然知らないわ…。」

その時、扉が開いた。入って来たのは、私と同い年位の金髪の男の子。

「あっ、気がついたか?」
「は、はい。あの…、貴方が助けてくれたんですか?」
「あぁ。其処の砂浜で倒れてたからさ。とりあえず、スープ持って来たんだけど…。」
「有難うございます。」

私は男の子からスープを受け取り、一口飲んだ。

「美味しい…。」
「良かった。…あっ、自己紹介が遅れたな。俺は『アリババ』。宜しくな。」
「私はrソール「ちょっと待って!」

その時、ソールが小声で私に話しかけてきた。

「どうしたの?」
ソール「見ず知らずの人に、本名教えちゃ駄目でしょ!偽名を使いなさい!」
「で、でも私達を助けてくれた人だよ?」
ソール「貴女…、今の立場分かってるの?!貴女は今、命を狙われているのよ?!『奴等』は何処に潜んでいるかの分からないのよ?!」
アリババ「どうかしたのか?」
「ううん!何でもない!私は…、」

私はキョロキョロと辺りを見回した。その時、ふと窓辺に飾っている花を見つけた。

「『フルール』…。私は『フルール』って言うの。」

フルールは、私の故郷で「花」という意味。これで通るかしら…。

アリババ「フルール…。なんか、変わった名前だなぁ。」

な、なんとか誤魔化せた…。ちょっと罪悪感もあるけど…;

アリババ「ところで、どうしてフルールは浜辺で倒れてたんだ?最近は嵐も来てないし…。旅人なら、道端で倒れている筈だし…。」

Σうぅっ!!す、鋭い…;

アリババ「それに…、その肩に乗ってる動物も見た事ないし…。フルールの故郷は何処なんだ?家族は?」
フルール「私の故郷は…、」

私の故郷は、昨日無くなった。家族がどうなったかも知らない。私は思わず黙ってしまった。

アリババ「まぁ、言いたくないなら別にいいけど…。」

そう言った後、アリババは私をまじまじと見つめてきた。

フルール「な、何…?」
アリババ「フルールって何歳かなぁ、と思って。う〜ん…、背丈はアラジンと同じ位だから…、10歳位?」

その時、私の中で何かがブチッと切れた。

フルール「失礼ね!!!私はれっきとした18歳よ!!!アラジンとかいうガキと一緒にしないでくれる?!」
アリババ「Σえぇっ?!18?!俺より年上?!;」
フルール「悪い?!昨日、18になったばかりなのよ!!」

私はそう怒鳴り、窓から飛び降りた。

アリババ「ちょ、此処2階…、」

アリババが何か言っていたけど、そんな事気にしていられない。全く…、何なのよあいつ!!人が一番気にしている事をズバズバ言って!!初対面のくせに、なんて図々しいの!!

フルール「それにしても…、本当に此処は何処だろう…?」
ソール「見た所、島国のようだけど…。」
フルール「…島国なら、船が沢山出てる筈…。もしかしたら、『スィレナ・エスコンディーテ』の近くを通る船があるかもしれない…。」

そう…。私は一刻も早く故郷に戻らなきゃいけない…。

フルール「絶対に故郷を取り戻してみせる…。

















                    『スィレナ族』第1皇女『リーナ・クラシオン』の名にかけて!!」

私は船着き場へと向かった。


「…、」
「どうしたんですか?アラジン。」
「うん…。ちょっとあの子の事が気になって…。あの子のルフ…、なんだか変わってるなぁ…。」