二次創作小説(紙ほか)
- Re: 進撃の巨人〜外伝〜 とある一兵士の見た世界 ( No.1 )
- 日時: 2013/05/29 18:16
- 名前: Banira (ID: 1CRawldg)
私の名前はハーブ・ヴィルナス
ウォールローゼ東区ロゼッダ村出身である。
私の生まれ故郷ロゼッダ村は秘境と呼ぶにふさわしい山奥の村で
おもに村の人々は放牧を営んで生活していた。
当然私の両親も放牧を営んで生活していた。
ただ、そのような山奥の村に人が来るなんて滅多になく冬は街へでも
出稼ぎにいかなければ生活は苦しかった。
私も当然のごとく幼い頃から労働力として手伝わされた。
そのような刺激のない日々を続けていればある思いは募っていった。
物心ついた時から・・いつか絶対この村をでてやるって。
一人っ子だった私に親は家業なんだからと継げ継げうるさかった。
ただ私は一生こんな名前も知らない山奥の村で放牧をしながら
生計をたてて生きていくなんて無理だと思ってた。
せっかくの一度きりの人生・・都市へでて好きな仕事みつけて
悠々自適に自由きままに暮らしたかったし私の夢だった。
ちょうどそんな思いが一番強かった頃、私は人生を変える
ある一つの経験をした。
週一度、私の村には配達員が一週間分のどっさり詰まった
新聞を運んできていた。
当時、都市での生活にあこがれていた私は新聞に載っている
街の流行やファッション、食べ物を見るのが好きだった。
ただ政治とか堅苦しいものはあまり見なかったけど・・・。
でも、何もないロゼッダ村で私ができる有一の楽しみそれが
自室にこもって新聞を読みながら気になったファッションとかの
記事をスクラップにして集めるのが自分の生きがいだったし趣味で
あった。
あぁ・・思い出した。ちょうどあの時もいつものように親の手伝い
を終えて自室で一人新聞を読んでいたんだっけ。
その日もいつもとかわらず何気なく紙面を進めていた。
そしてちょうど読み終わろうとして最後の紙面を読んでいた時
欄外の広告欄にふと目がいった。
いつもは広告欄なんてみなかったけどその日はなぜかふと目がいった。
思いがけなく目を通しただけだったがその広告欄にあったある一つの
広告に目がいった。
まさか・・それが私の人生をかえることになるなんて・・
その広告には・・・
≪来たれ!新規希望者≫のどでかい見出しでかかれた兵団の新規募集
だった。
ちょうどその時期は兵団の新規志願者の受付をした時だった。
そしてその見出しの後には・・
12歳以上なら誰でも志願可能。学歴、職業、性別不問
女性も幅広く活躍中!とあり訓練期間中にかかる諸費用はすべて無料
ともあった。
その綴られた言葉は村を心底出たいと思っていた少女を駆り立てる
には十分すぎた。
学歴のない私でも志願できてその上女性も活躍している・・
そして訓練費用も無料・・親にも金銭面で負担はかけない。
そして成績上位者に入れれば憲兵団入りして内地での豊かな安定した
生活ができる!
これだ・・これしかない!これでやっと村を出られる!
正当な口実を理由に村を出られるのはこの機会だと一瞬で悟り
私は大喜びした。
両親にも相談したが、当然のごとく猛反対された。
「いつ、死ぬかもわからない職場でお前にできるわけがない」
だとか・・いろいろ言われたっけな:・・
でも、私も引き下がれなかった。だって私の人生なんだから
自分できめさせてといわんばかりに両親を再三説得した。
結局志願の〆切が近づいても親の了解は得られなかった。
どうしても行きたかった私は最終的に・・
「訓練にかかる三年だけ待って!ダメで送り返されたらおとなしく
家業を継ぐから」とだけ書き残して親の反対を押し切って
単身、街へと出て行った。
だがそれがそもそもの間違いだった。今思うとおとなしく家業を
継いでひそかに生活したほうがよかったと思うことが多々あるから。
でもいまだにあの時の判断は後悔していない・・だって常人では
考えられないような数多くの経験が出来てきたから・。
おっと話をもどそう。
訓練当初は村から出られた喜びと訓練に対する意気込みで心ははずんでいた。
しかし、訓練がそんな考えはもろくも崩れ去るのであった。
訓練は何をするにも男女一緒で男でもへばるような訓練を女からと
いってハンデとかそういう概念はなく一緒にやらされた。
そしてとてつもなく厳しかった。
どのくらい厳しいかというとその厳しさのあまり死人がでるほどだ。
あとで聞いたら毎年2、3人は必ず死人が出るそうなのだが
私の年はとりわけひどかったらしく4,5人はいたという事だ。
そして、こいつはこれからの訓練でついていけないと分かった時点で
即、強制送還か開拓地送りにされるというからおっかない。
まぁ、そんな厳しい訓練でも幼い頃からずっと重労働の家業を
手伝っていたせいか最初から体力には自信があった。
そのため、体力部門では女であれど並みの男以上の成績は残せたし
上位にも食い込めた。
しかし、生まれてこのかた、いかんせん一回も勉強というものと
無縁な生活をしてきた私には
座学?ナニソレオイシイノ?状態で
何一つわからず壊滅的だった。
なので、体力では上位に食い込めても座学が足を引っ張り
一年目終了時での総合成績は230人中160位くらいだった。
それでは優先的に選択権が与えられる上位十名なんか夢のまた夢
だった。
だが上位十名に入れればそれこそ内地での安泰した生活が約束され
自分の夢に描いた都市での悠々自適な生活ができる・・。
そのためだけに2年目からは壊滅的だった座学も奮起して友達を
で頼りながらも
頑張った。そして平行に体力部門・・立体起動操作なども頑張った。
そのおかげか座学も中の上くらいには入れるようになった。
ただどれほど死ぬほど努力しても体力でも一位にはなれなかった。
それは運悪く同じ同期に100年の逸材と言われ後に人類最強の男
までといわれる「リヴァイ」とかいうやつがいたからだ。
男なのに私より小さい160cmしかないチビでその上元有名な王都の
元ゴロツキで性格は冷静だが冷淡、口調は粗暴・・自己中。
みるからに最悪な人間だが能力の高さは他人を凌駕し
訓練当初から鬼教官で名高い「キース」をうならせるほどの成績で
入団当初から天才、神童ともてはやされ体力、座学ともぶっちぎりの
一位・・一位・・一位・・
兵団創立当初から史上最高の逸材であった。それは実践にでても
どんな強い巨人でさえその男の前では無力だと言わしめたほどだ。
巨人に苦汁をなめつづけてきた人類には貴重すぎる新戦力であり
将来有望であった。
名門一族の出て不自由なく生活してきてその上史上最高の天才だって!?
そんな誰もが羨むサクセスストーリーを歩む彼に私は嫉妬していた。